セルフメンテナンス

解剖学と触診で臨床力を上げる!肩甲挙筋の触診~セルフメンテナンスまで

ALLアプローチ協会 触診大好きセラピスト ブル と申します。

本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など

新人セラピストの先生方に向けて

 

「解剖学と触診で臨床力を上げる!肩甲挙筋の触診~セルフメンテナンスまでいっき読み」

 

というテーマについてお伝えしたいと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

 

本日の目次は

1. 筋の走行と作用 僧帽筋・胸鎖乳突筋との位置関係

2. 肩甲挙筋と神経系の関わり

3. 肩こりと肩甲挙筋

4. リリースポイント

5. 触診手順

6. セルフメンテナンス方法

6ステップでお伝えしたいと思いますm(__)m

 

はじめに基礎知識をまとめておきますね♪

【基礎知識】

起始:第1~4頸椎横突起 後結節

停止:肩甲骨上角の内側縁

支配神経:肩甲背神経(C5)

アナトミートレイン:ディープバックアームライン(DBAL)

作用:肩甲骨の挙上・下方回旋

   頸部の側屈・同側への回旋  両側同時に作用すると頸部伸展

 

【肩甲挙筋の走行と作用  僧帽筋と胸鎖乳突筋との位置関係】

〇走行と作用

肩甲挙筋は頸椎1~4の横突起に起始し、肩甲骨上角の内側縁に停止しています。

作用は肩甲骨の挙上

また、大小菱形筋・小胸筋と共同して下方回旋にも作用しています。

あとは、頸椎に起始を持っているのでその走行から

頸部の側屈同側回旋にも作用しますね。

両側が作用した時は頸部を伸展させます。

 

〇僧帽筋と胸鎖乳突筋との位置関係

肩甲挙筋の起始部付近は胸鎖乳突筋に、

そして停止部付近は僧帽筋上部線維に覆われています。

これらの筋の間にある部分は皮膚の下に観察できます。

 

僧帽筋に覆われているところは

やや触察が難しいと思われるかもしれませんので

僧帽筋と肩甲挙筋の位置関係をしっかりイメージして頂ければと思います♪

 

 

【肩甲挙筋と神経との関わり  肩こりの原因はコレかも!?】

支配神経でもある肩甲背神経との関わりが深いです。

肩甲背神経はC5由来の末梢神経で、腕神経叢から分岐しています。

 

中斜角筋を貫いた後、肩甲挙筋・大小菱形筋の深部を通過

それぞれの筋を支配しています。

 

つまり、これらの筋の過緊張や癒着などにより

肩甲背神経が絞扼される可能性があります。

症状としては

肩甲骨内側の鈍痛などを引き起こすことがあるため、

不快な背中や肩周囲の痛みの原因になってきます。

 

私の経験では年に数回程度ですが長時間仰向けになっていた後、

起きた時背中に鈍い痛みが出る事があります。

単純に背中を常に圧迫している状態が続いた結果だと思いますが、

この時は大小菱形筋や肩甲挙筋にアプローチすることで症状が軽減しました。

背中に不快な症状のある方は

もしかしたら肩甲背神経の原因があるかもしれませんよ♪

 

【肩こりと肩甲挙筋】

肩甲挙筋は肩こり筋として有名ですよね。

肩こり症状を訴えられる患者さんは

猫背でヘッドフォワードポジションをとっている方が多いと思います。

 

この姿勢では肩甲挙筋が前方に突出した頭頚部を支えている状態になるので

過緊張になりやすいですし、

大小菱形筋は外側に引っ張られる肩甲骨を常に支えている状態なので

過緊張となり負担がかかります。

 

上記の状態から先ほどお伝えした肩甲背神経への影響も考えられますし、

単純に負担がかかった結果として肩甲挙筋や大小菱形筋に生じた

硬結が原因として考えられますね。

 

ただし、アプローチする際の注意点として、

一概には言えないのですが、

臨床上、大小胸筋や前鋸筋、胸鎖乳突筋など身体の前面にある筋が短縮し、

肩甲骨外転や頭頚部前方突出を引き起こしているケースが多いように感じます。

ですので

これらの筋とのバランスを考えながらアプローチする必要があるかと思います。

 

具体的にはアプローチの順番(優先順位)として

大胸筋など前面の筋で原因になっている場所にアプローチして

筋の長さをしっかりと引き出した後に

肩甲挙筋や菱形筋などの肩こり筋にアプローチして働きやすい状態に戻す

というイメージで行っています。

 

苦い経験ですが、

いきなり肩こり筋である肩甲挙筋や僧帽筋などにアプローチして

余計痛みが強くなったり、

重だるさがひどくなってしまったケースがありました。

 

アライメントや周囲の筋緊張のバランスを考えず

アプローチしてしまった事が原因ですね。注意しましょう!

 

【肩甲挙筋のリリースポイント】

リリースポイントはズバリ

肩甲骨上角付近の停止部頸椎横突起の起始部がリリースポイントになります。

トリガーポイントもここに生じやすい場所ですね。

 

ダイレクトに押圧しても良いですし、

アナトミートレインで言うところの

ディープバックアームライン(DBAL)上で

つながりの深い棘上筋や小円筋を使ってリリースしても良いかと思います。

または肩甲胸郭関節のリリースをしながら緩める事も多いですね(^^)

肩甲挙筋の解剖学とリリースポイントの動画はこちらからどうぞ↓

 

では次に触診についてです♪

 

【触診方法】

〇被検者肢位:腹臥位 端坐位 立位など

〇ランドマーク:肩甲骨上角 頸椎横突起

〇触診の手順

  1. 触察側の肩関節を伸展・内転・内旋させる。(背中に手を回す)

肩甲挙筋は僧帽筋上部線維と同様の作用(肩甲骨挙上)があるため、

肩甲挙筋が優位に収縮しやすい環境を作って触察していきます。

肩関節を伸展・内転・内旋(背中に手を回す)すると

肩甲骨挙上で僧帽筋の収縮を抑制できますので、

肩甲挙筋の収縮を見分けやすくなります。

 

  1. 上角を確認し、肩甲骨挙上を行わせながら頸椎横突起まで触察する

肩甲骨上角を触察する際は

棘三角辺りから前方に傾斜しているので注意して下さい。

肩甲骨上角の触診動画はこちらからどうぞ↓

上角内側に指を当て、肩甲骨挙上に伴う肩甲挙筋の収縮を確認します。

肩甲骨挙上を促す際は肩峰の方を意識して挙上すると

僧帽筋上部が働きやすくなってしまうので、

上角を挙上するよう意識するだけでもかなり触察しやすくなりますよ♪

 

上角周囲は僧帽筋によって覆われているので、深さをイメージしながら行います。

起始に向かって触察していきます。

起始部は頸椎1~4横突起なので、頸椎横突起を触察します。

頸椎横突起は乳様突起の下方かつ頸部の横径のだいたい中央くらいに位置しています。

乳様突起・頸椎横突起の詳しい触察動画はこちらからどうぞ↓

 

肩甲挙筋の触診動画はこちらからどうぞ↓

最後にセルフメンテナンス方法をお伝えして終わりたいと思います♪

 

【セルフメンテナンス方法】

上角周囲起始部である頸椎横突起周囲に対して行います。

 

肩甲挙筋にトラブルが生じると

首の付け根や肩甲骨内側縁周囲、

肩の後面に痛みが出る事があります。

 

また、頸椎に付着しているので、

頸部の側屈可動域制限が生じる事もあります。

 

寒さや、精神的な緊張で肩をすくめている姿勢を長時間とっていたり、

猫背やストレートネックの方は

肩甲挙筋に負担が強いられているので要注意です。

 

〇セルフメンテナンス手順

注意点:痛みのない範囲で行うようにしてください。

<上角周囲>

  1. 上角周囲の筋腹を親指と2~4指で把持します。

肩甲挙筋かどうかの確認方法は肩甲骨挙上をして収縮を確認して下さい。

 

  1. 筋腹を把持したまま、肩甲骨挙上を軽い力で3~4回行います。または頸部の回旋や側屈でもOKです。そうすると、把持した筋腹が緩み、掴んだ状態で上下左右に動かしやすくなっているのを感じるかと思います。そうなっていたらリリース出来ていますよ♪

 

<起始部付近>

※右肩甲挙筋にアプローチする場合を想定しています。

  1. 左手の2~4指を頸椎1~4の右側横突起に当てます。
  2. あとは痛みのない範囲でマッサージしていきます。縦・横と優しくグリグリしてみましょう

注意点:肩甲挙筋の深層には椎骨動脈が走行し、肩甲挙筋の前方には内外頸動脈が走行しているので動脈の位置関係を確認して愛護的に行って下さいね。

 

以上です。簡単ですね♪

リリースできていると頸部の側屈可動域が向上したり、

首や肩が軽くなっていると思いますので試してみて下さい。

 

ちなみに応用編ですが、

より深く、速く緩ませたい時はポジションを意識すると良いです。

アプローチ側が右だとしたら、

右上肢を伸展・内旋(背中に手を回す)させ、

頸部を右側屈すると肩甲挙筋の起始と停止が近づき、

筋がたわんだ状態を作る事ができます。

 

例えば背もたれ付きの椅子を利用して、

背中に手を回して背もたれと自分の体ではさんでロックします。

頸部を右側屈した状態で

先ほどのセルフメンテナンスをして頂くとより効果が高まるかと思いますよ♪

 

楽に力を抜きやすい姿勢がいいので、

可動域が足りないなど努力を要す方は無理しないで下さいね。

肩甲挙筋のセルフメンテナンス動画はこちらからどうぞ↓

 

本日は以上になります。

最後までブログをご覧頂き、本当にありがとうございました。

 

関連ブログと動画はこちらからどうぞ↓

「肩甲骨の触り方」 ブログと動画

https://bit.ly/34oWyGw

「ここで再確認!頭頚部後面ランドマーク・後頭下筋群の触診」についてのブログと動画

https://bit.ly/2EZsWqx

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