皆さん こんにちはALLアプローチ協会 触診大好きセラピスト ブル と申します。
本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など
新人セラピストの先生方に向けて
「ヒラメ筋腱弓を見逃さない!ヒラメ筋の解剖学×触診」
というテーマについてお伝えしたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
本日はヒラメ筋ですね♪
ヒラメ筋はその大部分を腓腹筋に覆われていて、
平べったい形で文字通りヒラメのような形をしています。
筋の体積に対して筋の横断面積が大きいので筋出力がとても高いという特徴があります。
筋は白筋(速筋)と赤筋(遅筋)にタイプが別れています。
簡単に説明させて頂きますと
白筋=素早い動きで瞬発力に優れています。(収縮速度が速い)
赤筋=持久力が強みで姿勢保持の能力に優れています。(収縮速度が遅い)
ヒラメ筋は赤筋繊維が90%弱を占めているという特徴があり、
筋持久力や姿勢保持の能力に特化しているという面白い筋です (^▽^)
それでは本日もイメージを持って触診をして頂くために
① ヒラメ筋の走行と作用
② ヒラメ筋と周辺の筋との位置関係
③ ヒラメ筋腱弓と血管神経
④ 触診手順
の4ステップでお伝えしたいと思います。
【基礎知識】 起始:腓骨(頭、頚、後面)、脛骨(ヒラメ筋腱弓を介してヒラメ筋線から起始する) 停止:踵骨腱(アキレス腱)を介して踵骨粗面に停止する 支配神経:脛骨神経(S1・S2) 作用:足関節底屈 アナトミートレイン:SBL スーパーフィシャル・バック・ライン |
【ヒラメ筋の走行と作用】
ヒラメ筋は腓骨頭および腓骨後面、脛骨ヒラメ筋線から起始し、
アキレス腱へと合流して踵骨隆起に停止しています。
作用は足関節を跨ぐ短関節筋であるため、足関節底屈に作用します。
(腓腹筋は二関節筋で膝関節屈曲にも作用します)
足部が固定された場合(地面に足がついている場合)は踵を挙げます。
ヒラメ筋を覆っている腓腹筋は膝関節を跨ぐ二関節筋なので膝屈曲位では緩み、
ヒラメ筋の活動優位となります。
触診の際はこの特徴を利用して行います。
つまり膝関節屈曲位、足関節軽度底屈位で行います。
【ヒラメ筋と周辺の筋との位置関係】
下腿は4つの筋膜区画に分けられています。
(前方・外側・後方浅部・後方深部)
ヒラメ筋は下腿後方浅部に位置しています。
この下腿後方浅部には
腓腹筋
ヒラメ筋
足底筋
が位置しています。
ヒラメ筋は腓腹筋にその大部分を覆われています。
下腿を内側からみると脛骨内側縁と腓腹筋に挟まれるような形でヒラメ筋が位置しています。
ヒラメ筋の頭方には膝窩筋が走行しています。
ヒラメ筋の外側前面には長腓骨筋が位置していまして、
下腿を外側から見ると
長腓骨筋と腓骨の後縁に沿ってヒラメ筋が位置しているのがわかります。
触診の時重要なイメージとなりますのでここで押さえておいてくださいね♪
【ヒラメ筋腱弓と膝窩動静脈・脛骨神経】
ヒラメ筋腱弓は起始部近くにあって神経や血管の通り道になっています。
このヒラメ筋腱弓の下を膝窩動脈・膝窩静脈と脛骨神経が通過しています。
ヒラメ筋腱弓
ココはヒラメ筋の起始部近くにある神経や血管の通り道
ココは
膝窩動脈
膝窩静脈
脛骨神経
が走行しているヒラメ筋の短縮や過緊張などによりココが硬くなると神経や血管を圧迫してしまう可能性がある
足の冷えやむくみ、筋の機能低下を引き起こす。
触診で確認後しっかりリリース pic.twitter.com/nN0ems0srN
— ブルちゃんPT (@CxnhsUKYBnOStHE) March 22, 2020
ですので、
このヒラメ筋腱弓はヒラメ筋の短縮や過緊張などで硬くなると、
同じように硬くなり神経や血管を絞扼・圧迫してしまう可能性があります。
そのため、足の冷えやむくみ、筋機能の低下などの症状を引き起こす
原因の一つになってしまいます。
ヒラメ筋腱弓の圧迫をみる評価方法を一つ紹介させて頂きますね。
後脛骨動脈の拍動(内果後方)の程度や左右差を触診します。
また膝窩動脈(膝窩)の拍動の程度や左右差をみることもおススメします♪
膝窩動脈の拍動に左右差があった場合は
膝窩より頭方に圧迫・絞扼部位があることが予測されます。
一方で膝窩動脈(膝窩)の左右差がなく、
後脛骨動脈の拍動の程度や左右差があれば
膝窩より下方で圧迫絞扼されている可能性がありますので
ヒラメ筋腱弓が原因となっている可能性がありますね♪
評価やアプローチを行う時は血管や神経が走行しているので
強すぎる刺激には注意してくださいね♪
次に触診の方法についてです。
【触診方法】
〇被検者肢位:腹臥位 膝関節90°程度屈曲位 足関節30°程度底屈位 ※腓腹筋が緩む肢位をとり、ヒラメ筋を触察しやすくします。 〇ランドマーク:「踵骨隆起」「脛骨内側縁の近位1/4~遠位」「腓骨頭」 〇触診の手順 1. ヒラメ筋の外側縁を触察する 踵骨隆起に終わるアキレス腱を触察します。 アキレス腱の外側縁を腓骨の後縁に沿って腓骨頭まで触察していきます <触診のコツ①> 足関節を背屈してしまうと腓腹筋とヒラメ筋の区別が難しくなります。 軽度底屈位を開始肢位として底屈を促すことで ヒラメ筋の収縮を感じながら触察が可能です。
2. ヒラメ筋の内側縁を触察する アキレス腱を触察し、 アキレス腱の内側縁を脛骨の内側縁に接して頭方にたどりながら、 脛骨の近位約1/4の部位まで触察していきます。
3. ヒラメ筋の上縁を触察する 脛骨の内側近位1/4の部位と、腓骨頭を結ぶ線を想定し、 想定した線を指標にして、腓腹筋を介してヒラメ筋の上縁を触察します。
4. ヒラメ筋の筋腹を触察する 1.2.3.に囲まれる領域に筋腹が存在するので、 脛骨・腓骨・下腿骨間膜に向かって圧迫して筋腹を触察します。 |
いかがでしたか?うまく触る事ができましたか??
家族や友人、同僚と練習してみて下さいね♪
ヒラメ筋の解剖学×触診についてお伝えさせて頂きました。
本日は以上になります。
最後までブログをご覧頂き、本当にありがとうございました。
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