ALLアプローチ協会

【症例報告・スポーツ】筋・筋膜・運動連鎖・経絡を考慮した回復支援

おはようございます。

All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日も当協会のメルマガをご覧いただきありがとうございます。

今日も、

理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師などセラピストの皆さんに向けて、

明日からの臨床ですぐ使える治療テクニックや介入のヒントをお伝えします。

 

今回は、【症例報告・スポーツ】第五中足骨底の痛み(ジョーンズ骨折一歩手前)に対する

筋膜・経絡治療・運動連鎖についてお伝えしたいと思います。

 

 

 

【症例紹介】

高校2年生 バレーボール部

3ヶ月前から第五中足骨底周囲に熱感と圧痛、歩行時痛のため練習が困難。

接骨院でテーピングと腰のマッサージを受け続けるものの症状は悪化

部活だけでなく、普通に歩くことも困難になり受診。

レントゲン上は異常なし。

受診時は接骨院で教えていただいたテーピングをしながら練習に参加している状態。

 

【ジョーンズ骨折とは】

第五中足骨底の骨折のことで、バスケットボール、ラグビー、サッカー選手などに多く、

サッカー選手では香川選手や清武選手、最近ではFC東京の室屋選手がこの骨折で手術をしています。

骨折をすると復帰まで3ヶ月ほど要する。

外傷などによる骨折もあるが、

スポーツ選手の場合は疲労骨折である場合も多い。

原因はプレー中の方向転換やキックの軸足の際に

骨に繰り返しストレスがかかることが疲労骨折の原因なります。

第五中足骨底は骨癒合に必要な血流が乏しいために

骨がなかなかつかないこともあり、再骨折の頻度も多い部分です。

 

【原因】

①人工芝や体育館など固いグラウンドやフロアでのトレーニング

②止まりやすいスパイク

③外側荷重

④股関節、足関節の柔軟性や筋力の問題

⑤栄養面の問題

 

などがあります。

 

 

【問診】

痛みの場所:右第五中足骨底周囲

痛みの期間:3ヶ月前から

痛めた動き:体育館でのシャトルラン

痛みの経過:初期は歩けていたが徐々に歩行困難となってきた

過去にけがをしたことはあるか:右足の捻挫

部活の今後の日程:明後日から合宿

大会の日程:5月から関東予選

現在レギュラーか?:レギュラーではない

練習を休めるのか?または部分的に休めるのか?:部分的に休める

 

 

【評価】

足関節の評価:ADS(前方引き出しテスト)陽性

足関節可動域:背屈制限+  外反可動域低下、内反可動域過剰

筋緊張:前脛骨筋・後脛骨筋に過緊張+

筋膜系の評価による痛みの消失無し、熱感と痛みその場の変化少量

 

 

【思考】

3ヶ月前から痛みが増悪を続けていて、歩くのも困難になってきている。

テーピングで対応してきているが対応できていない。

現在のチーム状況は休みをとることも可能。

 

→練習を休むことは必要だが、練習に出ないということはできる限り減らしたい。

メニューの中で痛みを増悪しない練習メニューを相談。

同時にどの練習のどのタイミングで痛めているのか?どの動きが痛むのか?

明確にするとことで本人に練習中リスクを知ってもらう。

→プレーには大きく影響しない範囲でメニュー内でのリスクを管理してもらう。

 

痛めている練習メニューはダッシュとターンの繰り返し練習で、

体育館や校舎内で行っているメニューだというので、

そのメニューは1週間中止してもらい負荷を減らす。

練習を再開するときもターンの質やターンするときの軸足を変える、

練習前でのコンディショニングを指導。

 

【その日に行った介入】

足部アライメントの内反アライメント著明、背屈外反困難。

捻挫の既往がありADS+  腓骨筋群・脛骨筋群の過緊張+

内果後方組織の短縮・過緊張・滑走不全+

 

内反方向にやや緩い足部をしているが、外反方向に硬い足と捉え、

後脛骨筋・総指屈筋・長母趾屈筋の下腿クロスポイント、舟状骨部クロスポイントの

モビライゼーションを指導。

同時に経絡の観点で腎・脾・胃のコンディショニングを実施。

 

筋膜連結の観点から大内転筋・内側ハムストリングスの滑走不全の解消

ハムストリングス・大腰筋の意識の指導と同時に、「ウナ」荷重を指導。

 

 

痛めている右下肢でDFLの筋連鎖を働かせるとともに、

立脚後期の運動連鎖を促通

(距骨下関節回内→後脛骨筋伸長、下腿内旋→内側ハムストリングス短縮、

股関節伸展→大腰筋伸長、大殿筋下部短縮、多裂筋伸長)

 

左下肢では立脚初期の運動連鎖・筋連鎖を促通することで左右のバランスを調整する。

 

立脚後期に距骨の内転と後方滑りができていないため

第5中足骨底に圧がかかりやすい歩行パターンを修正し、

歩行による負担を減少させる。

 

 

練習メニューを休ませていても

歩くことで回復を阻害する因子、悪化させる因子を解消する。

 

【一週間後】

痛みは消失、ターンでも痛み無し。発赤・圧痛・浮腫みも消失。

痛みの再発も懸念されるためさらに4日間は痛めたメニューへの参加は見送り、

ダッシュ・ターン以外のメニューにはすべて参加。

痛みの戻りなかったため、セルフコンディショニングの指導を再度確認。

痛めたメニューに対する目的意識や痛みのでるポイントを確認して終了。

 

【まとめ】

最初は3ヶ月痛みが悪化し続けているのでもっと時間がかかると思いましたが、

痛みが出た背景や練習への意識、

自分の体の特徴を知ってもい、セルフコンディショニングをすることで

1週間で回復できることができました。

歩行でも痛みがでるまで悪化していたため、

歩行で普段からかかっているストレスを解消することで、

練習を休む中で、回復できる状態に整えれば

短時間で回復できることが良く分かります。

テーピングの効果はとても実感しますが、

我慢させるテーピングでは症状が悪化することも経験できました。

テーピングも一つの手段ですが、

選手の身体的特徴や練習メニューへの意識

無理をする時期なのかどうかまで考慮する必要があると思います。

 

本日も最後までメルマガをご覧いただきありがとうございました。

今日も一日良い時間をお過ごし下さい。

鈴木 正道

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