内臓治療

【内臓治療】胃の解剖的特徴(膜と立体感)

おはようございます。

All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日も当協会のメルマガをご覧いただきありがとうございます。

今日も、

理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師などセラピストの皆さんに向けて、

明日からの臨床ですぐ使える治療テクニックや介入のヒントをお伝えします。

 

今回は、

 

胃の内臓治療に必要な解剖・構造・生理知識

 

をみなさんにお伝えしたいと思います。

いつもセミナーでは構造に対してどう手を置くか、

どの方向に圧をかけるか

どれくらいの深度で触れるべきか

何を目的に、何をイメージして触るべきか

どう変位しているのかできるだけ

イメージをお伝えさせていただいております。

 

今回は胃の構造を理解していただき、

胃の運動や症状に対する考え方

胃と他の臓器の連結を考慮したアプローチ

反射点を利用した胃のアプローチを

理解していただければと思います。

 

【胃の構造的特徴、付着・固定】

・臓器の圧

・ツルゴール(膨満)

・胃横隔間膜

・小網

・大網

・胃結腸間膜

・胃脾間膜

・左横隔結腸ひだ

 

胃に関しては多くの膜を介して他の臓器とつながり、

その位置関係から肝臓・横隔膜への影響が特徴的です。

 

肝臓と胃は横隔膜とつながる膜を多く持ち、

横隔膜の上下動で肝臓・胃の循環は促通されますが、

胃が下垂する胃下垂になってくると、肝臓と胃をつないでいる

小網という膜が肝臓を尾側へ引き下げる張力を作ってしまう。

 

肝臓の循環不全や肥大による下方変位によっても胃・十二指腸も

一緒に下方へ変位し、横行結腸へも影響を出しやすい。

 

胃・結腸間膜は、深部で膵臓と結腸を結ぶ膜とも合流するが、

元々横行結腸は下方に大きく変位する構造をしていて、

ある程度尾側に横行結腸がたわんでいても正常範囲とされるが、

横行結腸がたわんで下がっていると、胃の大弯部分も引き下げられる

張力が働くため、胃の緊張が強い方には

横行結腸を頭側に整復するような圧をかけると胃の緊張が緩和され、

横隔膜の上下動が改善することがあるので試してみてください。

 

 

【胃の構造とポイント】

胃の入り口は食道から噴門に連結しているが、

この下部食道部分には、下部食道括約筋(平滑筋)

迷走神経に支配されており、胃の内容物の逆流を防ぐ静止圧を作っている。

この静止圧は、下部食道括約筋だけでなく、

横隔膜の右脚部分でも圧を作り出している。

 

胃の内容物の逆流を防ぐためには胃のアライメントや

緊張を調整するだけではなく、

横隔膜の緊張状態や腹圧のコントロールが

必要となってきます。

 

【胃の生理学:胃液・ホルモンについて】

〈胃液〉

  • 粘液・重炭酸イオン

胃液を構成する成分のうち、

粘液と重炭酸イオンは胃壁を塩酸から守る役割をしている。

  • ペプシノゲン

ペプシノゲンは、

pHが3より大きいとペプシンになり、たんぱく質を分解するが、

pHが3未満となると胃を消化しないために

たんぱく質分解能力が低下する。

  • 塩酸(胃酸)

強酸性の消化液 

細菌を殺す

  • 胃内因子

胃で作られる糖たんぱく質で、

腸におけるビタミンB12の吸収に不可欠

欠乏するとDNAの合成が障害され、

異常な巨赤芽球ができるため悪性貧血が起きる。

 

 

〈胃液の分泌調整〉

胃液の分泌の引き金となるメカニズムは複数存在する。

  • 脳相

胃液の分泌は、嗅覚、味覚、脳内のブドウ糖の欠乏により、

迷走神経を経由して刺激される。

  • 胃相

胃の拡張、アミノ酸(特にトリプトファンとフェニルアラニン)

Ca²⁺イオンにより、胃液の分泌量が増える

  • 腸相

糜汁(粥上になった食べ物)を十二指腸に送り出すと腸相が刺激される。

胃のpHバランスが強酸性に傾いているために胃液の分泌は抑制され、

このときガストリン(ホルモン)の放出も抑制される。

すると、壁細胞からの塩酸の分泌が抑制される。

 

〈胃に関与するホルモン〉

  • ガストリン

機能:胃運動の促進

   胃酸分泌

   幽門部の弛緩

   食道下部括約筋の収縮、

細胞壁における塩酸の分泌を刺激する

   洞の蠕動の強度と頻度を高める

   胃と十二指腸における上皮の成長を促す

   膵腺房、胆汁の分泌、胆嚢の収縮を刺激する。

 

放出の刺激:ペプチドまたはアミノ酸の存在

      遠心性の迷走神経   

      血漿中のカテコールアミン濃度が高いこと

 

放出の抑制:胃液のpHが3未満であること。(強酸性)

 

  • コレシストキニン

膵腺房細胞を刺激(塩化物の豊富な中性の液体)

膵液の分泌を刺激(アルカリ性)

胃を刺激しペプシノゲンの放出を促進

塩酸分泌を抑制

胆のうの収縮を刺激しオッディ括約筋を開く

満腹ホルモン

 

放出の刺激:

十二指腸に遊離脂肪酸、ペプチド、アミノ酸、ブドウ糖が存在すること

 

放出の抑制:

腸内空のトリプシン(膵臓で合成されるたんぱく質分解酵素)

 

  • セクレチン

機能:アルカリ性の膵液の分泌を促進

   胆嚢における水分と塩の再吸収を抑制

   胃の筋を抑制し、胃を空にする動きを遅くする。

 

放出の刺激:酸性の糜汁

 

【解剖・生理学まとめ】

生理学をまとめてみると、

食べ物が入るとその刺激で胃酸と胃を保護する粘液が分泌される。

胃酸で消化された糜汁が十二指腸に入ると

セクレチンとコレシストキニンが胆汁・膵液を出して

胃酸を薄めると同時に胃の運動を抑制する。

実際胃のトラブルは胃の運動がうまく行かない、

もしくは胃酸分泌過多が問題となることが多い。

今回胃の運動には構造の問題として

胃と連結している膜の構造をご紹介したが、

胃自体の運動はガストリンの分泌がキーになっている。

ガストリンが効果的に働き、

そして十二指腸から抑制作用が

バランスよく働くことが必要となるため、

胃のアプローチを生理的に考えると

十二指腸・膵臓・胆嚢までアプローチして、

胃の抑制機構を正常に働かせることも

重要となると考えられる。

また自律神経にコントロールされるため、

ストレスやメンタル面のケアも

胃酸分泌には重要な因子となる。

 

胃症状に関する内容は、

疾患別アプローチをメルマガでご紹介したいと思います。

 

本日も最後までメルマガをご覧いただきありがとうございました。

 

今日も一日良い時間をお過ごしください。

 

鈴木 正道

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