頭蓋仙骨療法による治療のための頭蓋内外膜知識とは…?
From 山口拓也
埼玉 越谷 治療院より
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ありがとうございます!
今回は、理学療法士、作業療法士、柔道整復師に向けて
頭蓋仙骨療法による治療のための頭蓋内外膜知識とは…?
というテーマでお伝えしていきます。
頭蓋仙骨療法は以下のようなアプローチをしていきます↓
- 脳脊髄液の産出と吸収促進
- 頭蓋アライメントの調整
- 統合張力膜の調整(脳硬膜:大脳鎌、小脳鎌、小脳テント、脊髄硬膜)
最後に統合張力膜の調整を行わなければいけないのですが、あまり皆さん膜の知識やイメージがない人がほとんどですので膜についての情報を書かせて頂きたいと思います。
【頭蓋内膜系について】
まずは、頭蓋内膜の①軟膜 ②クモ膜 ③硬膜について解説させて頂きたいと思います。
(軟膜について)
・3層の髄膜の中で最も内側の膜です。
・血管が通る髄膜でもあります
・脈絡叢を形成します。この脈絡層は脳内へ突出しており脳脊髄液を作ります。
(クモ膜について)
・3叢の中で中間の膜です。
・外膜と内膜に分かれている
※クモ膜下腔とは?
クモ膜下腔は、クモ膜と軟膜の間にある。
クモ膜下腔は脳脊髄液で満たされており、外側の液腔を形成する。
頭蓋冠と頭蓋底で脳脊髄液の量が違う。頭蓋冠は、クモ膜下腔が狭く脳脊髄液量も少ない。頭蓋底では、クモ膜下腔は広く脳脊髄液で満たされる。
(硬膜について)
・3層の髄膜の中で最も外側の膜
・張りがあり脳脊髄液を透過しない
・骨膜と髄膜に分かれる
■注意
なぜ、硬膜系を意識しなければいけないのか?
硬膜系の膜は、全て構造的に繋がっている。硬膜系は、頭蓋仙骨リズムの運動を制御する事が分かっている。
そのため、全体のリズムの制御を無くすために硬膜系の治療が必要です。
(垂直方向および水平方向の硬膜系について)
①大脳鎌
・左右の脳半球を分ける
・大脳鎌は、直静脈洞で二つに中隔に分かれ小脳テントに移行する
・大脳鎌は、頭頂骨で直静脈洞を形成し下縁で下矢状洞を形成する
②小脳テント
・小脳テントは、小脳と大脳を分ける
・小脳の上でテント上に張っている
・小脳テントの緊張により外転神経が障害される場合がある
③小脳鎌
・2つの小脳半球に分ける
・直静脈洞の形成にも加わる
・脊髄硬膜と連続して脊髄に入る
④鞍隔膜
・トルコ鞍を覆っていてその側縁に固定されている。
※トルコ鞍とは…?
脳下垂体直下の骨性部の名称です。
・鞍隔膜は、下垂体を包み、これをトルコ鞍と結合させる
・小脳テントが蝶形骨に付着する部分の上で鞍隔膜も蝶形骨に結合する
【頭蓋外膜系について】
■脊髄軟膜について
・血管と神経が通る
・終糸を通って尾骨に至り内側で尾骨を包み込む
■脊髄クモ膜について
・脊髄クモ膜には、わずかな毛細血管が存在しない
・脊髄硬膜に随行して脊髄根を覆う
・クモ膜は、脊髄神経の神経周膜と連続している
■脊髄硬膜について
・後頭骨の大孔に固定され、大孔から仙骨管にのびます
・S2まで伸びている S3以降は、脊髄硬膜糸に移行する。
・脊柱管の曲がりに沿って曲がるため脊柱が変形している患者様は、脳脊髄液の循環に悪影響を及ぼす
【相互張力膜とは?】
・相互張力膜とは、硬膜系、髄膜の呼び名
・硬膜は、頭蓋骨の靭帯です
・大脳鎌や小脳テント、小脳鎌、鞍隔膜などの張力は、項筋や胸鎖乳突筋の持続的緊張により調整されている。そのため、膜へのアプローチする際は胸鎖乳突筋へのアプローチも必要
・役割として、頭蓋骨および仙骨の制御をする
・相互張力膜系は、頭蓋骨と仙骨の構造的つながりを表す
【硬膜系の異常を起こすとどうなるのか?】
・筋膜の連結を通じての筋痙攣
・感情的緊張
・脳の静脈からの血液排出や脳脊髄液吸収、産生、頭蓋仙骨リズム阻害
などなど
【まとめ】
治療では、常に硬膜の意識を持ちつつリフトや相反テクニックによる硬膜アプローチをしていただければと思います。
重要なのは、環椎後頭関節へのアプローチも必要なので是非実践していただければと思います。
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ALLアプローチ協会 代表 山口拓也
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