ALLアプローチ協会

【症例報告】メンタルアプローチにより立ち上がり動作が改善した症例

皆さんこんにちは!

ALLアプローチ協会 テクニカルアドバイザー 渡会です。

本日も当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。

今日も、

理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師などセラピストの皆さんに向けて、

明日からの臨床ですぐ使える治療テクニックや介入のヒントをお伝えします。

 

今回は、

【症例報告】メンタルアプローチにより立ち上がり動作が改善した症例

というテーマでお話していきます。

 

<症例紹介>

80代女性

廃用症候群(大腸がんope後の廃用)

歩行:屋外シルバーカー歩行見守りレベル。屋内伝い歩き見守りレベル。

基本動作:ベッド柵、支持物があれば自立レベルで可能。

 

外来リハビリで担当している患者様です。

本人のご希望としては、

「今よりも歩けるようになりたい。」

「手放しでも歩けるようになりたい。」

でした。

現状は、

支持物がないと一人での歩行は困難であり、後方重心のため転倒リスクはかなり高い状態でした。

一番の問題点としては、

立ち上がりで後方に重心が残り、上手く足底に重心が移動できておらず、

その後の歩行も常に臀部が後方に引けたまま上肢の支持に依存しながら移動している状態でした。

リハビリの現場で働かれている皆なんであれば、よくこういった方は臨床上診ると思います。

さらに、

認知機能の低下があり、短期記憶が困難で、

運動学習もなかなか難しい状況。

そのため、

立ち上がりに必要な筋・関節の状態へ整えても、

離臀のタイミングが早くなってしまう動作パターンを修正できず難渋していました。

 

そんな立ち上がりがなかなか安定しない患者様に、

「ある気づき」

を与えたことで、

離臀が早まらずにしっかりと足底に重心移動させて行えるようになり、

フリーハンドでの立ち上がりが可能となり、

その後の歩行の安定へと繋げることが出来ました。

 

「ある気づき」

とは何か?

 

この方の表情を伺うと、

何か不安げな表情を浮かべていました。

そして、

「なぜ手放しで歩けるようになりたい。」

と思っているのか?

に焦点を当て、

 

「手放しで歩きたいとおっしゃっていましたが、どうしてそのように思うんでしょうかね?」

 

と質問を投げかけました。

患者様は戸惑いながらも、

「昔のように歩けるようになりたいから。」

と返事がきました。

傾聴し、続けて、

「伝いながら歩いている現状を良いと思いますか?それとも悪いと思いますか?」

と質問をすると、

「駄目ですね。」

と返事が、

傾聴し、続けて、

「どうして駄目だと感じるんですかね?」

と聞くと、

「何かに頼っていたらもっと歩けなくなっちゃうんじゃないかって思って。」

この返答から私は、

本当の悩みは、

「これ以上歩けなくなることへの不安。」

なのではないかと思い、

「まずは、これ以上悪くならないことを目標にしてみませんか?」

という提案をしました。

そうすると患者様は、不安げな表情からホッと和らいだ表情に変わりました。

そうです。

「昔のように歩けるようになること」

に固執していたのですが、

「まずは最低限これ以上悪くならないこと。」

これに患者様自身が気づいたことで、

少し肩の荷が下りたような様子に変わりました。

 

その後、再度立ち上がりを行うと、

しっかりと足底に重心移動を行い、フリーハンドで立ち上がりができるようになりました。

おそらく、

焦る気持ちが動作の性急さを招き、立ち上がりのパフォーマンスに影響を及ぼしていたのでしょう。

 

<まとめ>

この症例から分かることは、

不安を和らげていくような声掛けや接し方をするだけでも、基本動作やADLのパフォーマンスが変わる可能性があるということです。

今回は、

ご自身の本当の悩みや目的をご自身の中で気づいてもらうような声掛けによって導くとが出来ました。

患者様の本当に求めている事や悩んでいることを、できるだけ患者様自身で考えていただくように誘導し、患者様自身がそれに気づいていただくことはとても重要であることにこの体験から学びました。

是非皆様も臨床で患者様と関わる際の参考にしていただけたらと思います。

 

本日は以上になります。

最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございました。

それではまた!

渡会 賢太

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