ALLアプローチ協会

股関節内転症候群と坐骨神経痛の症状・機能障害・治療までのご紹介

【股関節内転症候群と坐骨神経痛について】

皆さん、こんにちは。

関西支部の井上です。

 

前回は骨盤に関係する筋肉やその評価方法についてご紹介しました。

ひとえに骨盤が歪んでいるからと言っても、様々な要因があります。

前回の記事に関しては、最後に取り切れない腰痛や肩の痛みなどに対してのアプローチとして参考してもらえると嬉しいです。

 

さて、今回ご紹介する内容は【股関節内転症候群】です。

あまり聞きなれない疾患かもしれませんが、簡単に言うと、股関節が常に内転、内旋している人のことを指します。

女性に見られるケースが多いですよね。

整体院、整骨院に来られる女性患者さんのほとんどが立位でも座位でも足が内側に入っている(股関節内転、内旋位)のではないでしょうか。

 

では、今からその【股関節内転症候群】、そしてそれに関係する坐骨神経痛について記載していきます。

 

目次

①概要

②症状

③運動機能障害

④治療

⑤まとめ

 

①概要

 

股関節内転症候群は股関節が内転位かつ過剰に内旋しているものを指します。

股関節内旋を伴う内転症候群では、中殿筋後部や外旋筋群の伸張性収縮が認められ、これらの筋肉が弱化しています。

発症因子は構造上幅の広い骨盤(女性)や側臥位での就寝です。

この状態では、股関節の外転筋群、外旋筋群、関節包の後外側全て伸張されてしまいます。

また、ランナーやサイクリング競技者などは、股関節屈筋群と内旋筋群の活動頻度が高いため、屈曲―内旋筋群、伸展―外旋筋群のアンバランスが生じ、より内転症候群が悪化してしまうケースがあります。

 

加えて、内転症候群は梨状筋症候群と深い関係があります。

立位でのアライメントが股関節内転、内旋位さらに骨盤が前傾している場合は梨状筋が伸張され、坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛を患う可能性があります。また腸脛靭帯炎にもなりやすくなります。

ですから、大殿筋、中殿筋や梨状筋を調整しても良くならない坐骨神経痛は、股関節内内転、内旋筋群を調整する必要があります。

具体的な筋肉名を挙げると、小殿筋や大腿筋膜張筋、大内転筋などで、触診していくとこれらの筋肉が硬くなっているはずです。

 

②症状

 

内転症候群では、股関節外転筋群が強く引っ張られるため、中殿筋付近に強く痛みが出ます。

また、股関節の深部痛、大転子滑液包炎と先ほど挙げた坐骨神経痛、腸脛靭帯炎もよくみられます。

私の臨床経験では、夜間痛、そして朝の痛みが強く、歩いていると楽になるケースが多いと感じますね。

 

さらに、炎症と筋肉の短縮は筋膜(ラテラルライン)を介して、腓骨筋まで及ぶことがあり、その際は腓骨頭で腓骨神経が圧迫され、神経症状を呈することもあります。

この症状はL4‐L5の神経根症状と類似しているため、病院でヘルニアから来ていると誤診されるケースが多いです。

 

余談ですが,世間一般では、ヘルニアがあるから痛み、しびれがあると言われています。

また、治すのには、手術しかないと思われています。

しかし、本当にヘルニアが原因で症状が出ているケースは1割満たないのです。

これは海外では普通の話だそうです…なんか悲しいですね。

要するに痛み、しびれの原因は他にあると言うことです。

ですから、皆さんの前にヘルニアで困っている患者さんが来られたら、新事実を伝えて、自信を持って対応してあげてくださいね。

 

③運動機能障害

 

立位では、患側の片脚立位を行っている間は、股関節内転、内旋、もしくは外転筋群(主に中殿筋)弱化により、立脚側に体幹の側屈が起こることがあります。

 

歩行時では、中殿筋に損傷、重度な弱化がある場合は、患側の立脚時に体幹が側屈していしまう中殿筋歩行となります。(トレンデレンブルグ徴候陽性)

ちなみに内転筋群や、大腿四頭筋、ハムストリングスの筋力が強い場合は、中殿筋歩行が認められない時があります。

 

また、中殿筋が弱化している場合は、代償として、縫工筋や大腿筋膜張筋が股関節外転の主要筋として作用します。

 

ですから、治療のステップとしては①股関節内転、内旋筋群の調整 ②代償している縫工筋や大腿筋膜張筋の調整 ③股関節外転・外旋筋群の筋出力UPの3ステップになります。

では次は具体的な治療方法ついて説明していきます。

 

④治療

 

股関節内転、内旋筋群、縫工筋の調整

 

内転筋の調整

内転筋は硬結に対して前腕や手掌を使って直接マッサージをしてもいいですが、かなり痛いです。(緩むスピードは速い)

痛みが苦手な方は、筋膜の繋がりを使って治療します。

私の場合はディープフロントラインを意識した後脛骨筋を使った調整をよくします。

 

大腿筋膜張筋の調整

スパイラルラインを意識した腹斜筋使う調整と、ラテラルラインを意識した腓骨筋を使う調整が有効です。

また私は鍼灸師のライセンスを持っていますから、ASIS(上前腸骨棘)付近のある硬結を直接鍼で刺激することもあります。

 

※ディープフロントライン、スパイラルラインが分からない方は「アナトミートレイン」というワードで調べてみてください。

 

 

小殿筋の調整

小殿筋は大転子付近のありますから、伏臥位、股関節約90度外転、膝関節約90度屈曲肢位(カエル足)で、大転子付近の硬結をマッサージしていきます。

なお、股関節の軸圧をかけた状態で行うと緩むスピードが早くなります。

 

縫工筋の調整

縫工筋の硬結は起始部と停止部に硬結ができやすいです。

縫工筋は筋肉自体が細いので直接マッサージしても緩んでいきます。

 

 

股関節外転・外旋筋群の筋出力UP

 

中殿筋の調整

小殿筋の調整と同様の姿勢を取り、直接マッサージしていきます。

またバックラインを意識したハムストリングスを使う調整も行います。

 

外旋筋群筋力UP

伏臥位で股関節外転肢位をキープ(15秒×3)

側臥位で股関節外転肢位をキープ(15秒×3)

 

⑤まとめ

 

女性のほとんどが股関節内転、内旋肢位になっています。

また女性は股関節に痛みが生じやすく、人口関節の割合も男性と比べれば多いです。

 

しかし、今日お伝えした内容を読んでいただき、股関節内転、内旋肢位になっているアライメントを整えてあげれば、股関節の痛みも軽減し、将来人口関節に…という事態を防ぐことができるでしょう。

また、今回のことで分からないことがあれば遠慮なく聞いてくださいね。

 

では、本日の記事はこれで以上となります。

本日もありがとうございました。

 

LINE@登録はこちらから LINE@限定の治療テクニックプレゼント

追伸
特典盛りだくさんのメルマガ登録はこちらから↓

理学療法士-作業療法士-セミナー

心理学×筋膜・経絡・内臓セミナーはこちらから↓

自律神経障害セミナーのご案内はこちらから↓

自律神経障害セミナー

ピックアップ記事

  1. 【膝OA・TKA】膝伸展可動域改善に有効な筋ランキング ベスト5
  2. 【筋膜・内臓】立ち上がり・起き上がりの初動時の痛みはここを診ろ!
  3. 冷え性に対する筋膜治療アプローチ紹介
  4. 【五十肩】筋膜・経絡・内臓のつながりから治療効果を高める思考法とは?
  5. 「成功」にとらわれるな、「成長」にとらわれろ!

関連記事

  1. ALLアプローチ協会

    【腰痛治療 パートⅢ】腰痛に対して、運動連鎖を理解して筋膜を治療する

    おはようございます。All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道…

  2. ALLアプローチ協会

    【大腿骨頸部骨折】筋膜リリース なぜ足部と下腿を治療する必要があるのか?

    いつも当協会の公式ブログ読みいただき、本当にありがとうございます。…

  3. ALLアプローチ協会

    痛みの原因と分類を基礎から学び臨床に活かす(末梢神経・脊髄・脳)

    痛みの原因と分類を基礎から学び臨床に活かすfrom 山口拓也整…

  4. 内臓治療

    頭痛に対する基礎・基本と筋膜・内臓・頭蓋仙骨療法

    頭痛に対する基礎・基本と筋膜・内臓・頭蓋仙骨療法from 山口拓也…

  5. ALLアプローチ協会

    【内臓治療】逆流性食道炎に対するアプローチと思考方法

    おはようございます。All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道…

  6. ALLアプローチ協会

    体液循環に最も関与する筋膜アプローチ 8つの隔膜のご紹介

    みなさん こんにちはALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


公式メルマガ

LINE@登録

セミナー案内

セミナー案内

最近の記事

Facebookページ

2019年5月
« 4月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

YouTubeチャンネル

17種31個以上の治療テクニックを公開

公式メルマガ

ALLアプローチ協会

セミナー案内

セミナー案内

  1. 内臓治療

    生理痛に対する内臓・筋骨格・頭蓋治療について
  2. セルフメンテナンス

    赤血球の質と冷え性・血流障害
  3. ALLアプローチ協会

    【内臓治療】胸骨・縦隔・胸膜にアプローチ(肺・心臓のつながり)
  4. ALLアプローチ協会

    内臓治療に活用できる脊柱内臓反射点を全公開
  5. ALLアプローチ協会

    【筋膜×内臓】筋膜治療で膵臓を調整する方法とは?
PAGE TOP