All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。
今日は、「内臓由来の関連痛背部の痛み」に関してお伝えいたします。
「臨床で背中が夕方になると痛むんです」
「お昼過ぎごろになってくると背中が痺れるんです」
「不定期でいつも同じ場所が痛むんです」
など、背中に痛みや痺れを訴えるケースに出会うことは少なくありません。
「中には明け方腰が痛むんです」
「朝になると肩が痛む」
なども大きな枠では、原因は一緒になってくるかもしれません。
もちろん関節運動や筋の収縮・伸長で再現性のある痛みや痺れは、筋骨格系が原因であることが多いです。
しかし、再現性が低く、いつも同じ時間で症状が出たり、筋・関節の動きで再現性はないが、
不定期で出現する痛みや痺れに関しては、内臓・自律神経系の痛みや痺れであることが多いです。
私自身、その症状を持っているのでいつも敏感です。
私はカフェイン(特にアイスカフェラテ)を摂取すると
その後、背中の肝臓の関連痛領域に痺れが出現します。
実際水分摂取をしっかりして、体温上げて代謝を上げていくと
痺れは改善していきますし、肝臓の自己調整をしても症状を改善することができます。
人それぞれ、体に負担がかかる臓器や負担をかける食材や添加物も違いますが、
問診をしていくと、一定の時間で一定の生活スタイルをしていることが多くあります。
ここで内臓に関する痛みを整理します。
【内臓痛】
管腔臓器の筋層や漿膜が過伸展、異常収縮することで生じる。
実質臓器の急激な腫大で皮膜が伸展された場合にも生じる。
症状としては、どこが痛いのかはっきりしない。
重苦しい鈍痛、締め付けられるような感覚。
悪心、冷汗などを伴うこともある。
【体性痛】
壁側腹膜、腸間膜、横隔膜に炎症や刺激が及んで生じる。
症状としては、局在がはっきりした鋭い持続痛。
腹膜刺激症状が出現することがある。
体を動かすと痛みが増強することも。
【関連痛(放散痛)】
強い内臓痛が脊髄内で隣接する神経線維を刺激し、対応する皮膚分節に痛みが投影される。
腹部以外に生じることもある。
また、皮膚分節に対応して痺れや痛みが出現する場合は
内臓を支配している神経を知る必要があります。
【腹腔神経節】
T5-T12(交感神経系)
支配臓器:
胃 肝臓 胆嚢 十二指腸 膵臓 脾臓 腎臓 副腎
【上腸管膜動脈神経叢】
T10-T12(交感神経系)
支配臓器:
小腸 上行結腸 横行結腸の近位2/3
【下腸管膜動脈神経叢】
L1-L2(交感神経系)
S2-S4(副交感神経系)
横行結腸遠位1/3 下降結腸 S状結腸 直腸
これら神経節と対応臓器・皮膚分節から痛みや痺れの関連を推察することができるので、
筋骨格系のアプローチで変化がみられない場合は、食生活・胃腸症状
手術・癌の既往やたばこ・酒などの嗜好品などの問診を積極的に行っていきましょう。
【内臓の触診】
反射点の硬結など、内臓の評価で自動力・可動力・循環が
低下している場合は、内臓にアプローチをして循環が改善することで症状が改善するケースも多くあります。
しかし、来院時に症状がないケースも多くあるため、エラーを出している
生活習慣を特定することはインナーアプローチの面ではとても重要となります。
水分摂取で代謝を上げても、食後の消化器系には逆効果になって症状を悪化させることもあります。
【臓器が働く時間】
午前中は代謝→肝臓
昼食後は胃・十二指腸・膵臓・胆嚢の順に負荷がかかり、
夕方から腎臓の排泄機能が高まってくることを考慮しておく必要があります。
また東洋医学的視点で、経絡ごとの時間も参考になります。
心経:AM11-PM1
小腸経:PM1-3
膀胱経:PM3-5
腎経:PM5-7
心包経:PM7-9
三焦経:PM9-11
胆経:PM11-AM1
肝経:AM1-3
肺経:AM3-5
大腸経:AM5-7
胃経:AM7-9
脾経:AM9-11
それぞれ弱い経絡の時間に症状が出やすくなります。
これら神経支配や対応臓器・関連痛部位を見ていくと
慢性の肩こりや腰痛に対して内臓アプローチが有効になってくる理由も理屈がわかってきますね。
実際ファスティング後には、背部痛や、肩こり、腰痛など不調がまとめて改善するケースも多くあります。
繰り返し内臓にアプローチしても症状の戻りが強い場合は
食生活や生活習慣の改善が必要になるケースもあります。
整形外科検査や、運動ストレス検査等で原因が特定できないしつこい症状には
内臓のアプローチ・頭蓋のアプローチも試してみてください。
本日も最後までメルマガを読んでいただき
ありがとうございました。
今日も一日良い時間をお過ごしください。
鈴木 正道