いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、本当にありがとうございます。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
今回は、
【変形性膝関節症】【膝OA】膝の屈伸制限に圧倒的な結果を出せる筋について
というテーマでお話していきます。
「変形性膝関節症」や「人工膝関節置換術後」の患者様を、に診させていただく機会が多くあります。
皆さんも病院や接骨院で働いていると、かなりの頻度で遭遇すると思います。
皆さんは、「変形性膝関節症」の患者様に対してどのような介入をしていますか?
今回の記事では、
・膝屈曲・伸展の可動域
・膝屈曲・伸展の筋出力
・荷重時痛、膝屈伸時痛
にとても有効なアプローチ方法を見つけることが出来たので、皆さんとシェアさせていただきます。
これは、ほとんどの膝の患者様で結果を出すことが出来る、再現性が非常に高い内容になりますので、必見です!
① 長内転筋×内側広筋の交点
良く膝の伸展可動域や筋力強化を目的に、
「クアドセッティング」を行うと思います。
確かに、膝の伸展や荷重時には、
「内側広筋」の働きはとても重要です。
しかし、ただ単にタオルを膝の下に入れてグイグイ膝で押すだけのトレーニングで、
内側広筋が正常に機能するほど、臨床は甘くないです。
筋の収縮を入れるエクササイズの前に、「内側広筋が機能しやすい状態に調整する」必要があります。
内側上顆から大隊内側中央線上を3~4横指上方にあたる部分は、長内転筋と内側広筋が筋膜を介して癒着を起こしやすい部位になります。
つまり、この癒着がある限りは、内側広筋は十分に収縮・弛緩が行えない状態。
滑走性が悪い状態のため、いくら内側広筋を鍛えても出力は上がっていきません。
こんな患者さんはいませんか?
クアドセッティングをやっている最中に、
「先生、力の入れ方が全然わかんないわよ~」
と訴える患者さんです。
昔は、
「なんでわからないんだろ~?弱いからかな~?」
と思っていましたが、筋力以前に、筋自体が収縮・弛緩が出来る状態ではないため、ゴルジ腱器官が反応せず、筋の状態が脳に認識されず収縮感覚が入りません。
だから、力が入らない。そもそも力の入れ方が分からないという訴えを患者様はされるのです。
まとめると、
・まず内側広筋が収縮、弛緩が出来る状態にコンディショニングする事
・そのために、内側広筋と長内転筋の癒着部位をリリースすること
がとても重要です。
ここの調整により、内側広筋が収縮力と伸張力が上がり、
・膝の伸展と屈曲の可動域向上。
・膝屈伸の円滑性向上、出力向上。
・荷重時痛軽減、支持性向上
といったたくさんの治療効果へと繋がりやすいです。
② 後脛骨筋
後脛骨筋は、「ディープ・フロント・ライン」で内転筋と筋膜上のつながりがあります。
そのため、後脛骨筋の調整により、
長内転筋の滑走性が上がり、それに伴い、
内側広筋の滑走性も向上し、
① で述べた治療効果へと繋がっていきやすいです。
③ 立方骨、舟状骨、第5中足骨
この部位は、「後脛骨筋」が付着する部位でもあります。
そのため、これらの骨のアライメント不良や可動性低下により、膝の制限、出力低下に影響します。
特に意識していただきたいのが、「横アーチ」、「外側縦アーチ」です。
この2つのアーチが崩れているケースが多く、アーチの形成を意識しながら足部の骨のアライメント調整をしていくことで、より大きな治療効果を出せます。
<まとめ>
・膝屈伸の可動域制限
・膝屈伸の円滑性低下、出力低下、疼痛
・膝荷重時痛、支持性低下(歩行、階段など)
このような問題点がある患者さんがいた場合に、
① 長内転筋×内側広筋の交点
② 後脛骨筋
③ 立方骨、舟状骨、第5中足骨(横アーチ、外側縦アーチ)
に対してアプローチが出来ると、
・膝屈伸の可動域改善
・膝屈伸の円滑性、出力向上。疼痛改善。
・膝荷重時痛の改善、支持性向上(歩行・階段昇降の安定性向上)。
といった結果を高確率で出すことが出来ますので、
是非参考にしていただけたらと思います。
本日は以上になります。
最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也