頭蓋仙骨療法

【筋膜・隔膜リリース】ボウストリングの構造・頭蓋骨〜仙骨

いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は、「ボウストリングスの構造・治療概念」についてお伝えしたいと思います。

今まで内臓関係で様々な連結を作る膜や靭帯を紹介させていただいてきました。

なぜ内臓にアプローチするかは、

イネイトインテリジェンスを上げるため

=排泄(解毒)、同化(吸収)、適応(免疫)、生殖、成長=自然治癒力を上げるためでしたが、

私はそれを呼吸・内臓循環を改善することで血液・リンパ液・脳脊髄液の流れを整えるという簡略した説明にしていました。

これは生理学的な観点で説明した考えです。



今回お伝えするボウストリングスという構造は、筋膜・靭帯・内臓の結合組織の集合体で、
構造の治療に関する内容となります。

機能的観点・構造的観点を最終的には、つなげて考えられるようになっていきましょう。

ボウストリングスとは、身体の前方を縦に連結している筋膜を指し、身体の前後バランスの維持に関与しています。

さらにボウストリングスは、以前循環の観点でお伝えさせていただいた

8つの隔膜構造を結び付け、それらの動きを調整している構造です。

これは、硬膜が頭蓋骨と仙骨を結び、 隔膜の動きを調整しているのと同じような考え方です。

ボウストリングスは大後頭孔の部分で、実際に硬膜へ連結し、足の足底筋膜までずっと下方へ連続していく。

全身へ連結するその構造が隔膜構造、全身のテンセグリティー

循環機能に影響するため全身のどこをアプローチしていてもボウストリングスの機能障害に対するアプローチは必要になってきます。

【ボウストリングス】

頭蓋から足の足底筋膜まで筋膜は連続しており、ボウストリングスとして説明される物を構成するのはこれらの連続した組織のつながりです。

ボウストリングは、身体の前を下方へ向かい、全てのものをつないでいます。

脊柱を「弓」(ボウ)と思ってみてください。

良く見れば脊柱は反曲した弓に大変良く似ています。

弓の「弦」(ストリング)には、前方の筋膜が相当します。

このストリングスは頭蓋底に付着し、鎖骨の内側を下り、縦隔に接続し、肝鎌状間膜、肝冠状間膜、白線、臍、正中臍索、膀胱を覆っている筋膜に沿って、骨盤隔膜まで続いています。

弓の弦には、椎体の前を下方へ伸びて横隔膜を通過する椎前筋膜も含まれる。

この組織は仙骨前筋膜として下方へ伸び、仙骨前面のカーブに沿い、第2仙椎に付着する。

骨膜として、仙骨前筋膜を形成する筋膜は骨盤隔膜へ続き、次に下方へ進んで膝や足に達する。

したがって、ボウストリングスを治せば、以下の相互接続により、他の構造や器官にも影響を及ぼすことが可能となります。

1、縦隔は横隔膜上部に付着した後、

肝鎌状間膜にしたがって肝臓の中に至り、今度は肝円索を経由して臍まで効果する。


2、尿膜管の名残である正中臍索は、

臍から下方へ走行し、膀胱上部に付着する。

正中臍索は膀胱を覆う筋膜へと連続し、次に暴行を覆う筋膜は骨盤隔膜に付着する。

3、臍動脈索は臍で始まり、骨盤の内部を下って

仙骨前筋膜に付着する。

次に仙骨前筋膜は下後方の第2仙椎に付着した後骨盤隔膜に至る。

4、椎前筋膜は頭蓋底にある大後頭孔のすぐ前から

下降し、椎体の前を下って仙骨に至り、仙骨前筋膜を形成する。

その後、下方へ第2仙椎まで連続し、そこから骨盤隔膜へ至る。

ボウストリングは頭蓋底から身体の前をはるばる下方へ走行し、骨盤隔膜に付着し、

さらに膝や足底筋膜まで続いていく。


結果として、ボウストリングに制限がある場合、背部のみの治療では曲がっている背部をまっすぐに伸ばすことはできない。

ボウストリングが緊張していれば、患者は腰をかがめ、頭部が前方突出した姿勢で歩くことになります。

垂直軸で安定した姿勢を作るには、ボウストリングの制限部分を開放し、まっすぐ立てるようにする必要があります。

身体各部位を治療しながら、同時にボウストリングス・隔膜の制限に注意していきましょう。

【ボウストリングスの評価治療部位】

1.頬筋と咬筋

2.顎下筋膜と顎二腹筋

3.前頚筋膜

4.胸骨

5.肝冠状間膜

6.肝鎌状間膜

7.上部白線

8.臍

9.正中臍索

10.仙骨前筋膜

11.骨盤隔膜

12.腸脛靭帯

13.腓骨頭


一つ一つの張力や緊張具合アライメントのズレ、圧痛を丁寧にリリースしていくことで

隔膜構造への影響や正中軸形成を楽にしてくれます。

是非考え方やこういったつながりや構造があることも知識の一つとひて持っておいてください。

本日は以上です。

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道

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