筋膜リリース

後頭下筋群の解剖学・触診が不安な方へ(解剖学・触診を解説してます)

ALLアプローチ協会 触診大好きセラピスト ブル と申します。

本日は1~3年目の新人セラピストの先生方に向けて

「ここで再確認!頭頸部後面ランドマーク・後頭下筋群の触診」

というテーマでお伝えしたいと思います。

もう知っているという方は復習にご活用頂ければ幸いです♪

前回の動画では頭痛と後頭下筋群との関係を

解剖学の視点からお伝えさせて頂きました。

今回は後頭下筋群を評価アプローチしていくために必要な触診についてです。

頭頚部後面のランドマークと後頭下筋群の触診方法

についてお伝えしたいと思います。


前回の動画やブログと併せて読んで頂くと

より理解が深まるかと思いますのでぜひ♪

本日の目次

1、 頭頚部後面のランドマーク触診手順

2、 後頭下筋群の位置・深さ(後方・側方から確認)

3、 後頭下筋群の触診手順

筋の触診をするときはランドマークが確認できると

より早く正確に目的とした筋にたどり着くことができます。

ですので、

まずは頭頸部後面のランドマークの触診について確認していきますね。

【頭頸部ランドマークの触診】

〇頭頸部後面ランドマーク

乳様突起

第1頸椎の横突起

外後頭隆起棘

第2頸椎の突起

〇乳様突起

ここはわかりやすいです。

耳の穴のすぐ後ろやや下にボコッと出ている

親指くらいの隆起が乳様突起です。

ちなみに乳様突起は側頭骨♪

ここに停止をもつ胸鎖乳突筋は有名ですね。

〇外後頭隆起

これもわかりやすいです。でも言葉では少し伝えづらい・・・

後ろからみて正中線上 かつ 両耳の穴の高さが交わる点にある

後尾方に突出している隆起が外後頭隆起です。

正中線上に尾方から頭方に向かって圧迫していくと触知しやすいですよ♪

〇第1頸椎の横突起

まず乳様突起を触診します。

そこからほんの少し下方(1横指)かつ、やや前方に位置しています。

痛みが出やすい場所なので優しく触ってください。

胸鎖乳突筋の下に位置しているので、

探すのに必死でついつい強く押してしまいがちなのですが

ここは「待ち」です。ゆっくり指が受け入れられるのを待ちます。

そうすると外側に向かって突出している隆起が確認できると思います。

〇第2頸椎の棘突起

外後頭隆起を下にたどっていくと、中心部で次に触れる隆起がそれです。

他の頸椎棘突起に比べて比較的大きく触知しやすいです。

ちなみに第1頸椎の後結節を触診するときは、この第2頸椎の棘突起をランドマークにして

その一つ上の突起を触察します。


ただし、第1頸椎の後結節は触知できないことも多いですので、

そういったときは第2頚椎の棘突起のすぐ頭方にある窪みを

仮の指標にしてもよいと言われています。

以上がランドマークの確認方法ですのでぜひ参考にしてみて下さいね♪

では次に後頭下筋群の触診についてです。

【後頭下筋群の位置・深さ(後方・側方から確認)】

後頭下筋群は後頭筋の深層に位置しています。

表層には頭半棘筋 僧帽筋が位置していますので

その深さをイメージしながら触診することが重要です。

また横からみると、面白いですよ♪

お手元の解剖学書やアプリでみてほしいのですが、

上頭斜筋と下頭斜筋は前後方向に向かって走行しているのが

わかるかと思います。


後からだとこの走行のイメージは捉えにくいですよね。


こういった3Dでイメージできると、

触診やアプローチの際に触れる場所や圧迫する方向が

自分なりに工夫できるようになります♪

ここでしっかりイメージできるようにしておいてくださいね!

それでは次に触診の手順に移りますね

【後頭下筋群の触診手順】

〇ランドマーク

乳様突起

外後頭隆起

第1頸椎の横突起

第2頚椎の棘突起

〇後頭下筋群の触診手順

まず補助線を想定します。

この補助線は

側頭骨の乳様突起の下端から3横指頭方の部位から外後頭隆起を結ぶ線です。

後頭骨の上項線の位置にあたります。

上項線部は山になっているので、

指を当てて上下に触察すると確認できます。

この補助線を指標にして以下の筋を触察していきます。

〇大後頭直筋の触察

起始:第2頸椎棘突起

停止:後頭骨(下項線の中央1/3)

補助線1の中央1/3の領域と第2頸椎の棘突起を結ぶ三角形の領域

を確認します。

この領域の上部の一部を除いた領域が大後頭直筋の位置になります。

大後頭直筋は厚い頭半棘筋に覆われています。

〇小後頭直筋の触察

起始:C1(後結節)

停止:後頭骨(下項線の内側1/3)

補助線1の内側1/3の領域と第1頸椎の横突起を結ぶ三角形の領域

を確認します。

この領域の上部の一部を除いた領域が小後頭直筋の位置に相当します。

小後頭直筋は、厚い頭半棘筋に覆われています。

また余談ですが、

この小後頭直筋は結合組織を介して脊髄硬膜とのつながりがある

との報告もあります。

つまり小後頭直筋から硬膜へ間接的にアプローチできる可能性が示唆されています。

〇上頭斜筋の触察

起始:C1(横突起)

停止:後頭骨(下項線の中央1/3、大後頭直筋の停止の上方)

補助線1の中央1/3の領域と第1頸椎の横突起を結ぶ領域を確認します。

この領域の上部の一部を除いた領域が上頭斜筋の位置にあたります。

前後方向に走行するイメージをもって触察してくださいね。

〇下頭斜筋

起始:C2(棘突起)

停止:C1(横突起)

新たな補助線を想定します。

この補助線は第1頸椎の横突起と第2頸椎の棘突起を結ぶ線です。

この補助線が下頭斜筋の位置にあたりますので、

これを指標にして前内側に圧迫して触察します。

ちなみに大頭後直筋 上頭斜筋 下頭斜筋に囲まれた三角形の間隙は

後頭下三角といい

ここから椎骨動脈と後頭下神経が観察できます。

重要な部位なのでココでイメージできるようにして下さいね♪


本日は

頭頚部後面のランドマーク触診・後頭下筋群の触診方法

についてお伝えしました。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

本日は以上になります。

最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

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