その他

【内臓テクニック】便秘に対する内臓アプローチ(大腸の奇形や変形パターン含め)

おはようございます。

All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は、

「便秘と大腸アプローチ・大腸の奇形や変形のパターン」

お伝えしたいと思います。

前回便秘についてお伝えした内容では、

便秘の種類についてお伝えしました。

【便秘の種類】

①機能性便秘

〈原因〉運動不足 長期臥床 不規則な食事 摂食不足

繊維摂取不足 過剰な暖房 厚着など

〈種類〉

1:弛緩性便秘

蠕動運動が弱くなり、

結腸より先に便を送り出せなくなることで起こる便秘。

2:痙攣性便秘 

蠕動運動が強くなり過ぎて腸痙攣を起こし、

便がスムーズに送られなくなる便秘。

3:直腸性便秘

便が直腸にたどり着いているにも関わらず、

便意が起こらず、直腸で便が停滞する便秘。

②薬剤性便秘

〈原因〉

下痢止め 麻薬 抗コリン剤 抗ガン剤 利尿薬 鎮痛剤

制酸剤 抗パーキンソン薬 向精神薬

③器質性便秘

〈原因〉

腸疾患(ガン・炎症) 腹腔内腫瘤  腹膜炎など

④症候性便秘

〈原因〉

加齢 全身衰弱

神経疾患(CVA パーキンソン病 脊髄疾患 精神疾患)

糖尿病 甲状腺機能低下 電解質異常 脱水 肝硬変など

上記の便秘の種類の中で

内臓治療として介入できる部分は

・大腸のアライメントの修正

・大腸の位置の修正

・他の臓器と大腸の関係性

・回盲弁のリリース

・大腸の過緊張のリリース

・骨盤底筋のリリース

・腹腔内圧の調整

・消化液分泌支援

インナーアプローチとして介入できる部分

・大腸自体の伸縮性・緊張・固さの改善

・腸内環境の改善

・便の性状の改善

・自律神経系の調整(大腸から脳への刺激伝導系)

・大腸炎症の予防

・腸粘膜の保護(血質の改善)

【大腸における奇形・変形の種類】

・下垂

・大腸炎

・S状結腸の膨満

・狭窄

・痙攣

・捻転(S状結腸)

・憩室

・虫垂の位置や大腸の発達・形成不全

【大腸に対するアプローチ】

◆可動域評価:体幹の側屈・回旋・肩関節の屈曲

・外転可動域 頸椎の回旋

◆内臓触診:回盲弁→上行結腸→右結腸曲→横行結腸→左結腸曲→下降結腸→S状結腸の順に内臓の緊張具合や圧痛、張りを触診してきます。

【反射点評価】

回盲弁:

右母指球の近位部、第三肋骨外側(右)

C3~C5の頸椎(支配神経)

S状結腸:

左母趾球近位部

第3肋骨外側(左)

それぞれ圧痛や硬結の有無を評価

経絡評価:

大腸経↔肺経(陰陽)

合谷の圧痛や大腸の井穴の痛みや爪の状態のチェック

【大腸アプローチ】

大腸アプローチとしてまず前提として

強い炎症や、癌、出血がないこと、

重篤な内臓疾患がないことを確認するためにも

消化器内科の受診も患者様と話し合う必要があります。

今まで便秘の種類や奇形や変形の話をしてきたのはすべて、

リスクを知っていただくためにお伝えしています。

たとえ整体院でも、接骨院でも

消化器の画像診断による検討も必要です。

全て薬で解決という流れになるのであれば患者の意志を

確認しながら病院・医師と折り合いをつけていきましょう。

〈回盲弁・虫垂の位置に関して〉

大腸は胚子気における腸管の回転により、

自分の体における反時計回りで

回転しながら右の腸骨内側に収まってくるが、

発達における回転が不十分だと

虫垂の位置が必ずマックバーニー点

(臍とASISを結ぶ線の腸骨から1/3)や

ランツ点(左右のASIAを結んで右腸骨から1/3)に

来るとは限らないので注意。

〈回盲弁の治療に関しては〉

右腸骨内側で臍とASISを結ぶ線上で回盲弁を触診し、

硬結や圧痛が強いようであれば、優しく圧を加え、

調和しながらリリースすることで小腸・大腸への運搬機能を高める。

必要に応じて反射点を使ってリリースや、

大腸経を使ってリリース

腸骨筋(腸骨筋と大腸の関係性)や

筋膜張筋、中殿筋後部(インフレア・アウトフレアの調整)

の調整をすることで回盲弁周囲の緊張状態をアプローチしていきます。

〈上行・下降結腸に関して〉

上行結腸は背側に位置し、

後腹壁とトルツ筋膜を介して癒着していますが、

内側への偏倚によって

腰部の緊張が高まっていることがあります。

上行結腸を腹壁へ優しく押し当てることで緊張を緩和し、

循環を改善していきましょう。

〈結腸曲と横行結腸に関して〉

横行結腸は正常範囲でも下垂する可動域が大きく、

上行結腸・下降結腸と違い、

腹壁への癒着も弱いため、下垂が重度になると

子宮の位置まで下垂して

卵巣の圧迫し、

卵管の通りを悪くすることもあるため注意が必要です。

腹部に妙な位置に塊を感じるときは

下垂した横行結腸に便が溜まっていることで感じる

腹部の固さもあります。

この下垂した横行結腸は

左右の結腸曲に伸長ストレスを作り、

周辺臓器の腎臓や脾臓、肝臓への影響が

出てくるので注意が必要。

下がった横行結腸を胃・膵臓に近づけるように

徒手的に圧を加えると

鳩尾周囲の緊張が緩む場合は

横行結腸の下垂があるかもしれません。

重度な場合は下垂した横行結腸が

とぐろを巻いているケースもあるので

消化器内科で診察、画像診断も必要となります。

〈S状結腸・直腸に関して〉

S状結腸には便をためることで

自律神経を介して脳に排便の指令を

出させる役割があるが、

S状結腸の循環不全や

腸骨筋・大腰筋の固さによって

便の排泄能力が低下するため

硬結が強い場合は骨盤のアライメント

周囲の筋の柔軟性を整えてから

S状結腸のリリースをしていく必要がある。

S状結腸から直腸にかけて膀胱や

子宮・仙骨のアライメント、

骨盤底筋の柔軟性が排便へ影響するので

腸だけに問題を求めないことも重要。

【まとめ】

大腸に発達に関する回転方向や、

奇形や変形の種類、大腸自体の機能に、隣接臓器・連結筋の影響。

大腸は伸縮性もあり、その走行は立体感が強くイメージできていないとアプローチが困難です。

自分にアプローチできるものと、できないものは区別しながら

患者様の悩みや症状の原因を考えていきましょう。

本日も最後までメルマガをご覧いただき

ありがとうございました。

今日も一日良い時間をお過ごしください。

鈴木 正道

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