その他

【内臓整体】胆汁酸の働き・胆嚢からインナーアプローチ

おはようございます

ALL アプローチ協会 鈴木正道です

本日もメルマガをご覧頂きありがとうございます。

今日は胆汁酸アプロ―チの効果に関して

皆さんにお伝えいたします!

内臓アプローチを行うにあたって内臓の解剖学的構造を理解すると

動きを改善することができますが、内臓の生理学的な働きを理解すると体質を改善することができます。

そもそも私は胆汁酸の勉強をするまで、胆汁と胆汁酸がごっちゃになっていました。

皆さんもそもそも

胆嚢?胆汁?胆汁酸?

といった感じの方も多いかと思いますので

順を追って説明させて頂きます。

【胆嚢の位置・解剖】

まずは、胆嚢という臓器の位置に関して

肝臓の真下に位置し、肝臓で作られた胆汁は胆嚢へ蓄えられて濃縮される。

【胆汁とは】
胆汁は1日に約600ml分泌される。

胆汁酸と胆汁色素を含み、

胆汁酸は界面活性剤として食物中の脂肪を乳化して

細かい粒とし、リパーゼ(膵臓から分泌される脂質の消化酵素)と

反応しやすくすることで

脂肪の消化吸収に重要な役割を果たすが

胆汁自体に消化酵素は含まれない。



【胆汁酸の主な働き】

脂肪を乳化して消化酵素の働きを助ける。

更に脂肪の分解産物に作用して

小腸から吸収されやすく変化させる。

また腸内に分泌された胆汁酸の殆どは

小腸(回腸)で再吸収され、

肝臓に戻される(腸肝循環)。



【胆汁酸の注目されている働き】

体からコレステロールを排出すること、

肝臓から異化生成物を胆汁分泌の際に排出すること、

乳化した脂質と脂溶性ビタミンを腸内でミセル化して

乳糜管系から吸収させること、

界面活性剤として細菌の細胞膜を溶解する作用によって

小腸内や胆管での腸内細菌叢の形成を妨げること(殺菌作用)

などが挙げられます。

小腸内は本来胆汁酸の殺菌作用もあり、

小腸には腸内細菌がいないようになっている。



小腸の末端部で胆汁酸は吸収されるため

大腸においては細菌が増殖しやすい環境となっている。



胆汁酸の分泌低下を起こすと小腸内細菌増殖症(SIBO)を

引き起こす原因となるため注意が必要。


【胆汁酸の生産】
胆汁酸は、肝臓にてシトクロムP450の作用で

コレステロールを酸化することにより産生される。


胆汁酸は、タウリン、アミノ酸である

グリシンと結びついて、

あるいは硫酸塩、グルクロン酸として、

脱水により塩にまで濃縮されて胆嚢に蓄えられる。


肝臓で生合成されたものを一次胆汁酸という。

また一部は腸管で微生物による変換を受け、

その代謝物は二次胆汁酸と言う。



【胆汁色素】


破壊された赤血球から遊離したヘモグロビンのタンパク質部分から切り離されたヘムが、

肝臓の細胞で代謝されヘムの鉄以外の部分が黄色のビリルビンに変化する。


ビリルビンは肝臓でグルクロン酸抱合を受けて

水溶性が高められて胆汁色素として胆汁とともに分泌される。

ビリルビンの大半は腸内で

腸内細菌によりウロビリノーゲンに還元され、

その一部が体内に再度吸収される。



ウロビリノーゲンは抗酸化作用を有し、これが体内で酸化を受けると

黄色のウロビリンに変化する。

通常の尿の黄色はウロビリンによるものである。


これらの循環は腸肝ウロビリノーゲンサイクルと呼ばれている。


一方、腸内に残ったウロビリノーゲンは

腸内細菌によりステルコビリノーゲンに還元される。

ステルコビリノーゲンが酸化を受けると

茶色のステルコビリンに変化する。

ステルコビリンは大便とともに排泄され、大便の茶色の元となる。



【腸管循環】

食事をとると脂質栄養分の消化吸収のため消化管に排出され
回腸下部より一時胆汁酸は再吸収される。


再吸収されなかった物は、腸内細菌によって二次胆汁酸に代謝され、大腸粘膜から吸収される。

腸管で吸収されなかった約5%の胆汁酸は

糞便により排出される。

95%は再吸収され再利用されている。

その回数は一日に4~12回と言われている。



二次胆汁酸とは、

本来胆汁酸は、細菌の細胞膜を破壊して、最近の増殖を予防していますが、

大腸まで来ると、腸内細菌が自分に不都合な胆汁酸を変性させて自分に影響の少ない物質へと

変換してしまうってことです。

【簡単にまとめ】


まずはこの肝臓から胆汁が作られて胆嚢にたまる

胆嚢にたまった胆汁は食べ物を食べ胃から十二指腸に

食べ物が入ってきた刺激で膵液とともに十二指腸に分泌されて脂質の消化を助ける。

胆汁には胆汁酸と胆汁色素がある。


胆汁≠胆汁酸

胆汁=胆汁酸+胆汁色素

注目されているのは胆汁酸の

脂質消化といった有名な作用以外の作用。

それは何か?

胆汁酸のシグナル伝達効果シグナル伝達とはホルモンのように

働いているということ、

どういったシグナルかというと

糖代謝・脂質代謝・エネルギー代謝

にかかわるものであり、胆汁酸がこれらの代謝を制御していること、

活性化を促すことが研究で明らかになっています。



これらの作用により

①血糖値の改善

②ダイエット効果

③アンチエイジング効果

④腸内細菌叢への影響

が期待されます。

次回のメルマガでは

この①~④のメカニズムに関して

お伝えさせていただきます。


こうして

胆嚢・胆汁というものがわかってくると

内臓アプローチで肝臓にアプローチする意義や、

胆嚢・胆管への負荷がかかる状態の改善をする目的が明確になりますね。



是非次回のメルマガの内容も理解して頂き、

体質改善や美容・ダイエットの効果を高める

きっかけにしていただければ幸いです。

本日もありがとうございました。

ALLアプローチ協会 鈴木 正道

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