こんにちは ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
今回の記事は、「不定愁訴に対するアプローチ」について解説していこうと思います。
皆さんは、不定愁訴をどのように評価して治療へとつなげていますか?
セラピストであれば、
「頭が重い」、「なんとなく体調が悪い感じがする」、
「よく眠れない」など様々な主訴を聞くと思います。
しかし、悩みが抽象的すぎてなかなかどうアプローチすれば良いか悩むと思いますので
オススメのテクニックや考え方について解説していこうと思います。
【不定愁訴とは?】
そもそも不定愁訴は、
ある会社の広告文章の言葉で1960年代に流行となった言葉で、用は造語ですね。
それが、臨床に定着しよく使われる言葉となりました。
症状としては、「頭が思い」「イライラ」「体の疲れが取れない」
「深く眠れない」「なんとなく体調が悪い」など多くの主観的な状態を言います。
実際の臨床では、原因が分からず自律神経失調症や精神障害と診断される事が多い状況です。
【不定愁訴の原因について】
まず、西洋医学の世界では不定愁訴についてよく分かっていません。
しかし、東洋医学や代替医療として評価した場合について解説させて頂きます。
まず、不定愁訴の症状は全て自律神経の乱れによるものです。
ただ、自律神経失調症という言葉を用いると心の病気からくる自律神経の乱れとなってしまいます。
不定愁訴の場合、メンタルからくる人もいれば食生活や姿勢などからくる場合もあるので様々な原因が考えられます。
そのため、自律神経の乱れを修正する事が不定愁訴を治す一番の近道となります。
【不定愁訴を治すアプローチ】
不定愁訴は、先ほど自律神経の乱れが一番の原因と話しました。
そして、自律神経を乱している原因が呼吸の問題が多いです。
呼吸は、2つあるのですが「1次呼吸」・「2次呼吸」の改善が重要になってきます。
なぜ呼吸を整える事が重要かというと、不定愁訴(自律神経の乱れ)を引き起こす要因が呼吸と密接に関係しているからです。
自律神経の乱れ=呼吸の異常
人が自律神経を乱す要因は、いくつもありますが代表的な例として↓
・精神的ストレス
・睡眠不足
・食生活(食べ過ぎ・糖質の取りすぎ・資質の問題など)
・不良姿勢
・運動不足
上記のような問題が自律神経を乱します。
自律神経が乱れると内臓をコントロールする副交感神経がうまく働かず内臓の機能が低下・呼吸も浅くなり体液循環も悪化し1次呼吸・2次呼吸共に悪化します。
1次呼吸は、2次呼吸と相関しているためどちらか片方が崩れると両方崩れてしまいます。
「イライラする」「頭が重い」「なんとなく体調が悪い」「深く眠れない」などの症状は、1次呼吸・2次呼吸➕内臓・ストレスに関連する筋・骨格調整が必要となります。
【具体的なアプローチとは?】
正直、不定愁訴も様々なので人によって主要問題点が違い
1次呼吸・2次呼吸➕αで何か調整が必要な場合が多いですが
臨床で調整する事が多いアプローチのみを書かせて頂きます。
①1次呼吸の調整について
1次呼吸とは、頭蓋仙骨リズムの事で頭蓋骨と仙骨までの
脳脊髄液の産出・吸収・循環の事をさします。そのため、頭蓋骨だけじゃなく
仙骨や硬膜管、脊柱の調整も必要となってきます。
・頭蓋骨のテクニック
(前頭骨・側頭骨・頭頂骨・後頭骨・頬骨・篩骨・蝶形骨・顎関節・下顎骨・上顎骨・鼻骨・脳脊髄液増産テクニック)
・硬膜管のリリース
・脊柱のアライメント調整
・仙骨・仙腸関節の調整テクニック
・頭蓋骨周囲の筋膜・骨盤周囲の筋膜調整
(前頭筋・側頭筋・胸鎖乳突筋・後頭筋・臀筋群・咀嚼筋・頬骨筋など)
・時間があれば、頭蓋骨に関連する内臓調整
(頭蓋骨と内臓は、リンクしているため内臓調整から1次呼吸を最大化させます)
※頭蓋仙骨リズムの動きを筋肉が止めているケースがあるので、筋膜調整から行うのがセオリーです。
②2次呼吸の調整について
浅い呼吸になると24時間働いている自律神経は常に乱れてしまいます。
呼吸を最大化するアプローチ➕セルフメンテナンス が重要です。
・胸郭リリース
(胸骨・胸椎・肩甲骨・肋骨)
・横隔膜リリース
(横隔膜をリリースする際は、大腰筋上部・肝臓・心臓・胃などと癒着している
ケースがあるのでそれらのアプローチも同時に行えると理想です。
プレミアムコースに参加している人は横隔膜と内臓セットで
アプローチをしていきましょう。)
・胸郭、頸部前面の筋膜リリース:小胸筋・鎖骨下筋・斜角筋・胸鎖乳突筋・広背筋など
(猫背のようなアライメントは、胸郭を圧迫するため
胸郭前面のアプローチを行いましょう)
・肺経、DFAL(ディープフロントアームライン)
肺に関連する経絡と筋膜ラインです。
③副腎・子宮・視床下部・肝臓
不定愁訴のアプローチで重要なテクニックです。
・副腎
(抗ストレスホルモンを出すため、ストレスから
自律神経を崩していたり食事の問題で血糖値から副腎のホルモンが枯渇している場合)
・子宮
(女性ホルモンに関与し女性でPMS,生理痛などの症状と
不定愁訴が重なっているケースの場合は必要)
・視床下部、下垂体
(自律神経の最高中枢であるためアプローチ必須)
・肝臓
(糖質や解毒、子宮を圧迫に関連したりするため欠かせないアプローチの一つ)
■まとめ
不定愁訴を治すには、自律神経を整える必要がある。
自律神経を整えるには、2つの呼吸を整える必要がある。
以上が不定愁訴に対するアプローチです。
ぜひ臨床に生かしていただければと思います。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也