血管アプローチ

病的血管にアプローチする考え方と方法(五十肩、脊柱管狭窄症)

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。


今回は、「病的血管にアプローチする考え方と方法とは!?」

についてお伝えさせていただきます。

【運動療法におけるポイント】

その方法はシンプルにストレッチです。

もともと論文的にも腰痛でもエビデンスが報告されているストレッチですが、

組織学的にも研究がされています。

腱の細胞を取ってシャーレの中で培養。

この腱組織に対して特殊な装置で伸長刺激を加えた結果、

どんな物質や遺伝子が活性されるか調べるといった研究をしました。

結果は、血管を新しく作らせないようにする

物質の一つであるエンドスタチンが豊富にでることがわかりました。

簡単にまとめると腱の細胞を引き延ばすことで

血管を減らす物質が分泌することがわかっています。

他にもストレッチをしている瞬間は、異常血管の血流が低下していることや

ストレッチでアキレス腱炎の痛みが改善したケースは、

異常血管が減少していることがわかっています。

こういったストレッチ効果は、とくに肘や膝、腰での効果が報告されており、

他にも腱がある部位にはストレッチによる病的血管へのアプローチは有効です。

そうなると長引く痛みを抱えている人には

・動かした方がいい?

・動かさない方がいい?

という疑問の答えが出てきます。



私の臨床でも経験的に感じていることですが、

慢性疼痛に関しては、なるべく痛みの無い範囲で動かした方がいいと感じています。

細かい施術も必要ですが、シンプルに不動が続けば血流も低下し、

血管を増やすための体のシステムが働いてきてしまいます。

私がよく使う方法は、特に膝や腰に痛みがある方は

歩きで運動を積み重ねようとして余計に疼痛部位を痛めてしまう

悪循環に入ってしまうので、本人に痛まない有酸素運動を体験していただくと

運動後にすぐ楽になってきたと実感していただけるぐらいの変化があることも多くあります。


それほど痛みがある方は、痛みからの安静癖がついている方が多いので

そこから病的血管の増加につながっていることを実感します。

注意点として、痛い場所への中途半端なマッサージは危険。

もやもや血管のある疼痛部位は、血流が増加している部位になっているので、

痛みのある場所は血流が低下しているという固定概念でマッサージをすると

余計に病的血管への血流を助長し、痛みを悪化させることもあるので注意が必要となります。


【医療的なもやもや血管への対処方法】

医療機関で医師と相談の上行ってください。

注射を使った治療法もうまく使えば、もやもや血管に効果があるそうです。

実際私の患者様からもあの先生に注射をうってもらうと効果があるといった声を良く聴きます。

ということは、同じ注射でも効果が出ないこともあるということです。

薬の成分ももちろんですが、打つ場所も触診によって評価しなければ

単純に関節内に注射をしても効果が出ないこともあるようです。

・ステロイド製剤

ステロイドという薬は副作用のイメージが強くあまり使いたがらない方も多いですが、

もやもや血管を消退させる作用があるため

もやもや血管の位置をピンポイントで注射を打てると痛みが改善するケースあります。

実際私も医師に相談して、
医師が診察診断をして打つ場所をカンファで話し合って
注射を打っていただいて効果が出たケースが多くあります。


副作用もあり、回数は打てず腱や靭帯に
使用を控えるべきですが脂肪体や骨膜には使用できます。

・ヒアルロン酸製剤

ヒアルロン酸製剤にも血管を退縮させる効果があり、

うつ場所を工夫すれば、痛みの改善させる治療法となります。

ヒアルロン酸は腱や靭帯にも使用可能ですが、ステロイド程の血管消退作用はありません。

いずれにしても医師とどれだけ細かい話し合いができるかが重要になってきます。

病院勤務の方は、診察に出向いて医師と診察室で患者を交えて

討論することも勉強になるので、できる環境であれば挑戦してみてください。

鈴木正道

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