その他

「大胸筋の解剖学×触診×リリースポイント」

おはようございます(^▽^)/

ALLアプローチ協会 触診大好きセラピスト ブル と申します。

本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など

新人セラピストの先生方に向けて

「大胸筋の解剖学×触診×リリースポイント」

というテーマについてお伝えしたいと思います。

どうぞよろしくお願い致しますm(__)m

それでは本日もイメージを持って触診をして頂くために

目次

1 筋の走行と作用

2 大胸筋と周辺組織との関わり

3 触診手順

4 大胸筋リリースポイント

4ステップでお伝えしたいと思います。

【基礎知識】

大胸筋の筋腹はその起始の違いによって以下の3つに分けられます。

〇大胸筋鎖骨部

起始:鎖骨内側1/2

停止:上腕骨大結節稜

作用:肩関節下垂位:屈曲と内旋

   90°屈曲位:水平内転

   90°外転位:水平内転

   吸気の補助

〇大胸筋胸肋部

起始:胸骨膜 第2~6肋軟骨

停止:上腕骨大結節稜

作用:肩関節下垂位:内旋

   90°屈曲位:伸展・内転・内旋

   90°外転位:内転・内旋

   吸気の補助

〇大胸筋腹部

起始:腹直筋鞘最上部の前葉

停止:大結節稜

作用:肩下垂位:ほとんど機能しない

   90°屈曲位:伸展

   90°外転位:内転 内旋

   吸気の補助

支配神経:胸筋神経(C5~T1)

栄養血管:胸肩峰動脈 前肋間動脈 内胸動脈貫通枝

アナトミートレイン:スーパーフィシャルフロントアームライン(SFAL)

大胸筋は起始の違いによって3つに分けられていますが、

停止部は全て上腕骨大結節稜です。

支配神経も全て胸筋神経になります。

それぞれ作用が変わるし・・・

肩関節の肢位によっても作用が変わるからややこしい・・・

と思われるかもしれません。



筋の走行によって作用は決まるという大原則がありますので、

起始と停止をイメージするとその作用もイメージしやすいですよ♪

吸気の補助をすることも重要です。

これは肋骨に付着していて肋骨を挙上する作用があるためです。



【大胸筋と周辺組織との関わり】

〇三角筋前部繊維と大胸筋鎖骨部繊維

上記筋の間は三角筋大胸筋溝をつくります。

ここを静脈とリンパが走行しています。

ですので、仮にこの部位に滑走不全や硬さなんかが起きてしまうと・・・

そうですよね!リンパの流れや血流が滞ってしまって

上肢のむくみの原因になったりもしそうですよね!

三角筋大胸筋溝 大事ですね♪

ちなみに三角筋大胸筋溝は上端付近で広くなっていて、

この部分は

三角筋大胸筋三角(モーレンハイム三角)と呼ばれています。

ここは大胸筋の外側上縁を触察していく目印になりますので、

しっかりイメージできるようにしておくといいですよ♪



〇大胸筋との筋連結

胸鎖乳突筋の胸骨頭は胸骨の前方で大胸筋の前面から起始腱があります。

大胸筋の硬さが胸鎖乳突筋に影響を与えて

頸部の動きや痛みなどに影響を与えることも考えられます。

〇左右大胸筋のつながり

大胸筋の胸肋部は胸骨の前面を覆っているので

左右の大胸筋はつながりがあります。

他にも三角筋や腹直筋との筋連結もあります。

上記のように

大胸筋は前面の筋ではとても大きい面積ですし、

鎖骨や肋骨、胸骨、腹直筋などに付着しているので、

その周囲の筋に影響を与えますし、

巻き方や猫背など姿勢への影響も大きい筋です。



ですので、

その起始停止から考えると肩関節の動きや痛みだけに影響しそうですが、

そうではなく、

頸部や背部、胸椎などにも影響を与える事も重要なポイントです♪

では次に触診についてです♪

【触診方法】

〇被検者肢位:背臥位

〇ランドマーク:上腕骨の大結節稜  肋骨弓

〇触診の手順

大胸筋の外側上縁を触察する
鎖骨の中央のすぐ下(尾方)にある窪み(モーレンハイム三角)

を触察します。

この窪みから溝(三角筋大胸筋三角)をたどりながら

大結節稜まで触察します。

この溝の内側尾方にある筋腹の縁が大胸筋の外側上縁です。

大胸筋の外側下縁を触察する。
腋窩の前壁を触察します。この外側下縁に沿って肋骨弓まで触察します。

ここは筋腹が薄いので触知が難しいです。

下記の「確認の方法」をみながら触察見て下さいね。

1の「外側上縁」 2の「外側下縁」、鎖骨、胸骨、肋骨弓に囲まれた領域にあるのが大胸筋です。ちなみに大胸筋は胸骨の前面にもあります!


〇確認の方法

<大胸筋鎖骨部>

肩関節を約40°外転します。

(鎖骨繊維の走行と上腕骨を一致させる)

起始部に向かって屈曲内転運動を反復させて収縮を確認します。

<大胸筋胸肋部>

肩関節を約80~120°外転します。

(胸肋部に向かう繊維と上腕骨を一致させる)

起始部に向かって水平内転運動を反復させて収縮を確認します。

<大胸筋腹部繊維>

肩関節を約150°外転します。

(腹直筋鞘最上部前葉に向かう繊維と上腕骨を一致させる)

起始部に向かって内転気味に伸展運動を反復して収縮を確認します。

ただし、肩関節150°外転難しい方もいらっしゃいますよね。

そういった場合は肩下垂位で肘伸展位を開始肢位として、尾方に向かって腕を伸ばすよう自動運動を促すと腹部繊維の収縮が確認しやすいので試してみて下さい♪

【大胸筋リリースポイント】

腋窩前壁から各繊維に向かって指を入れていきます。

上(鎖骨部)・中(胸肋部)・下(腹部)と指を入れて

硬い部分を重点的にリリースしていきます。

リリース方法は何でも良いのですが、

おススメは上記の硬い部分を押圧しながら肩を回す運動

をして頂くとほぐれてきますよ♪

また、

大胸筋停止部付近は鎖骨部・胸肋部・腹部の繊維が重なりながら、

かつ捻じれながら大結節稜に停止しています。

また、広背筋の停止部とも近く

いかにも滑走不全が起きやすそうです。

ここもリリースポイントです♪

私は腕橈骨筋とのつながりを利用してリリースしたりもしますね♪

いかがでしたでしょうか??

家族や友人、同僚と練習してみて下さいね♪

本日は以上になります。

最後までブログをご覧頂き、本当にありがとうございました。

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