こんにちは、TOTALCAREアプローチ協会講師の北爪です。
今回は、『むくみとアルブミンの関係性』というテーマでお伝えしていきます。
今回の記事の内容を理解することで、むくみに対する内臓治療に何故、肝臓治療や脾臓治療が有効とされるのかがご理解頂けると思います。
「血液の質」「リンパ液の質」
この2つの視点から解説していきますので宜しくお願い致します。
【そもそも『アルブミン』とは】
病院勤務のセラピストにとっては聞きなれたアルブミンですが、
美容サロンで活躍されている先生の中には、ご存知ない方もいらっしゃるかと思います。
アルブミンとは血液の中を流れるタンパク質の一種です。
肝臓で合成されています。
このアルブミンの働きにフォーカスすることで、むくみ改善に繋がる重要なヒントを得ることが出来ます。
【アルブミンの働きについて】
アルブミンの重要な働きの1つが『栄養素の運搬』です。
アルブミンは細静脈を通って、カルシウムやビタミンなど様々なビタミンを運びます。
それらの栄養素を1つ1つの細胞に届けます。
そして、細胞に栄養を届けると同時に、細胞から出た老廃物を回収します。
つまり、アルブミンの2つ目の働きは『老廃物の回収』です。
この老廃物を回収したアルブミンは、リンパ管を通って最終的には静脈へと流れていきます。
上記の「栄養供給→老廃物回収」の流れ。
実は、以前に解説した細胞間液の働きと同じです。
【アルブミンとむくみの関係性】
このアルブミンというタンパク質は、浸透圧が非常に高いという特徴があります。
浸透圧という言葉は「濃度」と言い換えても差し支えありません。
濃度の高い物質は、水分吸収に優れています。
塩分濃度の高い梅干しを食べると喉が渇きます。
これは、濃度の高い梅干しに身体の水分が吸収されているからです。
浸透圧が高いアルブミンもそれと同様に周囲の水分をよく吸収します。
新品のスポンジのようなイメージですかね。
そして、アルブミンは身体を循環する過程で、余計な水分と一緒に疲労物質や老廃物を回収することが出来ます。
血液中にあるアルブミンの基準量は、1デシリットルあたり4グラムほどです。
私たちの体には5リットルほどの血液が流れているので、約200グラムほどのアルブミンを保有していることになります。
このアルブミンがしっかりと機能する環境を整えてあげれば、身体の細胞周辺の内部環境を清潔に保つことが出来ます。
では、アルブミンがしっかりと機能する環境とは、どんな環境かなのか?
それは、リンパ液の循環が適切に行われている環境です。
【リンパを流すと健康になると言われる理由】
「リンパ(液)を流すと健康になります」
多くのサロンでそのように言われていますが、
意外とそのメカニズムをしっかりと把握している人は少数派のような気がします。
しかし、ここまで読んでくださった方はそのメカニズムが既にご理解頂けているのではないかと思います。
アルブミンの老廃物回収作用がうまく機能しなくなれば
身体には疲労物質や細胞を傷つける有害物質が蓄積してしまいます。
余計な水分も運搬できないので、むくみも発生してきてしまいますね。
リンパ液は老廃物を回収したアルブミンの運搬ルートです。
いくらアルブミンの水分・老廃物回収機能が優れていたとしても、
リンパ液がしっかりと循環していなければ、回収した不要物質を運搬することができません。
また、アルブミンが不足していても、当然身体には悪影響が生じます。
アルブミンが足りなくなれば、疲労物質や細胞周囲の余計な水分が溜まってしまいます。
なので、アルブミンは常に作り続けなければなりません。
アルブミンを合成する場所は肝臓です。
そして、アルブミンの材料となるのは食べ物から摂取したタンパク質です。
お肉や魚、大豆のタンパク質を肝臓が分解・合成してアルブミンを作るのです。
無理なダイエットでタンパク質が不足している場合などは、
アルブミンを十分に合成できずに、顔や足がむくんでしまうケースがあります。
また、肝臓そのものの機能が低下していてもアルブミンが不足してしまいます。
材料はあるけど、製造段階に問題があるケースですね。
こういった症例には肝臓治療や栄養指導が非常に重要になります。
リンパ液の話だったのに、いつの間にかアルブミン主体の話になってしまいましたね。
それくらいリンパとアルブミンは密接に関係しているということです。
是非、本質的な理論を理解した上で内臓治療やリンパドレナージュを提供して頂ければと思います。
本日のメールは以上となります!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
今日も良い1日をお過ごし下さい♪