ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
今回は、「どうしても取れない腹部の硬さを取りきる3つのポイントとは?」
というテーマでお話していきます。
腰痛治療などで、大腰筋や横隔膜など、腹部の深部筋に対してアプローチをすることで、
腰痛が改善する方は、臨床上多いと思います。
しかし、この筋にアプローチがしたくても、腹部があまりにも硬すぎて、筋腹まで指が届かない!
と困ってしまうことってあると思います。
無理に力を入れて指を押し込んでも、患者さんが痛がってしまったり、
なんとか筋腹まで触れても、力み過ぎて触診の感覚が分かりづらくなり、
治療の精度が落ちてしまう。
原因が大腰筋だと分かっていても、
十分に治療が出来ていないので、
治療の成果がイマイチ出てこないといったことになってしまいます。
そこで今回は、どうしようもないくらいに、
硬くなってしまっている腹部を改善させるアイデアとヒントをお伝えします。
それは、ある3つの部位に対してアプローチすることで、
ほとんどの患者様で、驚くほどに腹部がゆるゆるに緩めることができます。
「では、その3つの部位とはなにか?」
解剖学的な特徴と私の臨床経験を基にシェアしていきます。
① 小腸
大腰筋などの深部筋を触診していく際に小腸を介して触れていることになります。
そのため、小腸自体が硬くなってしまうとなかなか大腰筋など深部筋に触れるのは困難になってしまいます。
つまり、腸に対してアプローチを行うことで腹部の硬さが緩和し触診や治療がしやすくなります。
また、小腸は後腹膜と筋膜を介して繋がっているので、
小腸の動きを出すことで、「後腹膜の緊張も緩和され深部筋が触診しやすくなる」といった面もあります。
なので、小腸をしっかりと緩めておくことは、
大腰筋などの深部筋にアプローチする上で、とても有効であると思います。
② 後頭骨
頭蓋骨が、腹部の硬さに影響していることが、
臨床上非常に多いです。
特に、「後頭骨」の動きを出していくことで、一気に腹部が緩むなんてことがよく診られます。
また、右の後頭骨と小腸は、頭蓋×内臓の関連性のつながりがあるので、
後頭骨の調整で小腸の硬さが改善されて、
その結果、腹部の硬さの緩和に繋がるというわけですね。
特に右後頭骨に関しては、腹部の硬さを取り除きたいときにはチェックしておくことをおススメします!
③ 硬膜
硬膜はまず、「後頭骨」に付着するので、
⓶で説明したように、後頭骨の硬さから小腸の硬さを作り、
その結果、腹部の硬さを作ることに繋がってしまう。ということです。
さらに、硬膜は脊柱から仙骨まで付着しているので腹部だけではなく、骨盤や胸郭の硬さにも影響します。
横隔膜や腸腰筋など、深部筋は胸郭や骨盤に付着する筋が多いので、
硬膜が柔軟であることは、非常に重要であることが分かると思います。
また、硬膜は後腹膜ともつながりがあるので、後腹膜の緊張緩和により腹部の硬さも和らぐといった結果が得られることが考えられます。
【まとめ】
今回は、「どうしようもない腹部の硬さを取りきる3つのポイントとは?」
というテーマでお話していきました。
腹部が硬すぎて、腸腰筋や横隔膜なdの深部筋のアプローチが難しい場合は、
「小腸」
「後頭骨」
「硬膜」
の状態を評価し、問題があれば治療していくことで驚くほどに腹部がユルユルに緩むことがあります。
筋骨格系だけでは難しい問題も、頭蓋骨や内臓に対してのアプローチによって、
簡単に解決してしまうケースは、この腹部の硬さだけに限らないので、
様々な分野にも視野を広げて、治療を展開していくことは重要ではないかというのも、
今回の記事で伝えたいことの一つでもあります。
本日は以上になります
最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、
本当にありがとうございました!
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也