解剖学

血流と内臓から股関節を考える話

おはようございます。

all アプローチ協会 鈴木 正道です。

今日は理学療法士・作業療法士・柔道整復師の方々へ向けて

「血流から考える股関節」

についてお伝えしたいと思います。

普段、筋・骨格系のアプローチをする時、

人の体をどこまでイメージして問題点を抽出できるかによって、

自分の手の力の入り具合や方向性に変化がでてくると思います。

筋・内臓とイメージできるようになったら、

今度はそこにある血管・血流に目を向けてみてください。

股関節に影響を与える血管の流れ、特に骨盤腔内の生殖器や膀胱と影響の強い血管についてお伝えします。

◆腹腔内臓器と血流の関連が強い股関節後面(臀部・深層外旋筋)の血流に関して

腹大動脈⇒総腸骨動脈→内腸骨動脈→上殿動脈・下臀動脈に分岐

【内腸骨動脈】

前枝

・臍動脈索(臍動脈)

・上膀胱動脈

・閉鎖動脈

・子宮動脈(女性のみ)

・膣動脈(女性のみ)

・下膀胱動脈(男性のみ)

・中直腸動脈

・内陰部動脈

・下殿動脈

後枝

・腸腰動脈

・外側仙骨動脈

・上殿動脈

上殿動脈:

浅枝:大殿筋、殿部の皮膚

深枝:中殿筋、小殿筋

走行(後枝):

内腸骨動脈の後枝から連続し、骨盤内で、腸骨筋、梨状筋、内閉鎖筋、腸骨に数本の枝を送る。

梨状筋の上を通って骨盤の外に出て、浅枝と深枝とに分かれる。

浅枝は大殿筋に深部から入り、この筋に分布し、下殿動脈と吻合する。

そして、大殿筋を貫通して殿部の皮膚に分布する。

深枝は中殿筋と小殿筋の間を通って、これらの筋に分布する。

下殿動脈:大殿筋・殿部と大腿後面上部の皮膚

・走行(前枝):

内腸骨動脈前枝は下殿動脈と内陰部動脈に分かれる。

下殿動脈は梨状筋の下方、尾骨筋の上方を通って骨盤を出る。

大殿筋の深部で坐骨神経と並走し、大腿後面の上部へと伸びる。

大腿深動脈の枝である貫通動脈と吻合する。

上記の内腸骨動脈・上殿動脈・下殿動脈の血管の知識を生理するだけでも血流のどこにアプローチすればいいか治療のイメージが膨らんできますね!

私は上殿・下殿動脈の走行を知ってからは梨状筋と腸骨アライメントの評価を細かくするだけではなく

子宮や膀胱の固さや循環、腹部大動脈、内腸骨動脈周囲の固さも、股関節の評価や腰痛の評価で意識するようにしてから評価の視野が広がりました。

みなさんも是非もう一度興味をもった血管を調べてみると、手の中でイメージする血流と筋のイメージが深まると思いますので参考にしてみてください。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日も一日良い時間をお過ごしください。

allアプローチ協会  鈴木 正道

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