解剖学

癒着を阻止!!中間広筋×膝関節筋×膝蓋上嚢の解剖学と触診

皆さん こんにちはALLアプローチ協会 触診大好きセラピスト ブル と申します。

本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など

新人セラピストの皆さんに向けて

「中間広筋×膝関節筋×膝蓋上嚢の解剖学と触診」

というテーマについてお伝えしたいと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

本日もイメージを持って触診をして頂くために、

① 中間広筋の走行と作用

② 中間広筋と周辺組織との位置関係

③ 膝蓋上嚢と膝関節筋の機能

④ 触診手順

の4ステップでお伝えしたいと思います。

【基礎知識】

起始:大腿骨前面近位2/3

停止:膝蓋骨を介して脛骨粗面

支配神経:大腿神経(L2~L4)

栄養血管:大腿動脈

作用:膝関節伸展

【中間広筋の走行と作用

中間広筋は大腿骨前面の近位2/3より起始し大腿骨に沿って下方へと走り、

膝蓋骨を介して脛骨粗面に停止します。

中間広筋の一番深いところからは膝関節筋が起こり、膝蓋上嚢に付着しています。

筋の走行から中間広筋は膝関節伸展に作用しています

※膝蓋上嚢:大腿骨と膝蓋骨をつなぐ滑液包で、膝蓋大腿関節の動きの効率に関与している

【中間広筋と大腿四頭筋の位置関係】

大腿直筋の深層に内側広筋と外側広筋があり、

その内外側広筋の間から中間広筋の筋腹の一部が観察できます。

これは内側広筋と外側広筋は中間広筋の一部を覆っているということです。

中間広筋の遠位では共同腱の深層を走行しています。

中間広筋は大腿直筋より幅が広いというのもポイントです。

遠位部ではだいたい膝蓋骨と同じくらいの幅です。(4~5㎝程度)

大腿の中央部付近では幅7~8㎝程度です。(大腿直筋は5㎝程度)

※あくまでも目安です

これらの位置関係は触診をしていく上で重要な知識ですので、

しっかりイメージできるようにしておきたいですね♪

【膝蓋上嚢と膝関節筋の機能】

中間広筋の深いところから起こる膝関節筋は幅広く膝蓋上嚢に付着しています。

膝関節筋は膝関節伸展にともない膝蓋上嚢を引っ張って挟み込むのを防止しています。

膝蓋上嚢は膝関節の屈曲伸展にともなって、

キャタピラのような動きをしているとよく言われますが、

これは膝蓋骨の移動をスムーズにするために機能しています。

具体的には膝伸展では膝関節筋に引っ張られて膝蓋上嚢は近位へ引き込まれていきます。

この時、二重構造になります。

反対に屈曲では膝蓋骨が下方への滑ることで少しづつ単膜構造に変化していきます。

これらの機能を知っておくと、

膝蓋上嚢の癒着によって膝蓋骨の動きを制限してしまう

ということがわかります。

つまり可動域制限や痛みの原因になってしまうということです。

癒着を予防するためにも、中間広筋をはじめとした大腿四頭筋の柔軟性を保つことが重要ですね♪

次に触診手順についてお伝えしますね♪

【触診手順】

ここでは「中間広筋の触診」と「膝蓋上嚢の触診」についてお伝えします。

◆中間広筋の触診

〇被検者肢位:端坐位・長座位・背臥位

〇ランドマーク:大腿骨内側顆 外側顆

〇準備:大腿直筋の幅を確認した上で行うと触察しやすい

    ※中間広筋は大腿直筋より幅が広いため

〇触診の手順(遠位から触察していく方法)

  1. 中間広筋の筋腹を触察する   共同腱の筋腱移行部あたりで左右から指を深くあてて筋腹を触診します。  共同腱の幅よりやや広く、目安は幅4~5㎝程度あります。 (膝蓋骨の横幅と同じくらい)
  2. 筋腹を近位に向かって触察していく。   筋腹を左右から押すことで移動する様子を感じながら近位に向かって触察します。   大腿中央部付近では中間広筋の幅は7~8㎝程度に感じ大腿直筋より広いのが特徴です。

〇触診のコツ

 膝伸展の収縮を感じながら行うと触知しやすいですが、

 内外側広筋も同時に収縮してしまうため、ゆっくりと収縮を促すよう声掛けをします。

 声掛け:「ゆっくりと膝裏を床につけるようにして下さい」など

◆膝蓋上嚢の触診

 膝蓋骨のすぐ上方に指を当て軽く圧迫し上下左右、円を描くように移動させると、

 膝蓋上嚢特有の感触を感じます。

 他の部位を動揺に圧迫して指を移動して確認してみて下さい。

 他の部位ではなんとなく重いような感じがするのではないかと思います。

 膝蓋上嚢が癒着しかけている場合は特有の低摩擦感が感じられなくなります。

いかがでしたか?うまく触る事ができましたでしょうか??

家族や友人、同僚と練習してみて下さいね♪

中間広筋×膝関節筋×膝蓋上嚢の解剖学と触診手順についてお伝えさせて頂きました。

本日は以上になります。

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最後までブログをご覧頂き、本当にありがとうございました。

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