栄養学

水分摂取について【水分問題点・水分指導について】

おはようございます。

all アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日も当協会のメルマガをご覧いただき、ありがとうございます。

本日は、理学療法士、作業療法士、柔道整復師の方々へ向けて「水分指導について(1万文字)」をお伝えしたいと思います。

【水をテーマに話す理由】

今回、水をテーマに話す理由は、

私が臨床で患者様と話をしながら一番実践してくださる体質改善であり、

問診をしていて、その水分摂取の少なさや水分摂取に対する知識のなさからくるリスクいついて

多くの人に知っていただく必要があると感じてこのテーマを選びました。

水分摂取に関して、その気になれば、たった0円で始められるが、

どのくらい必要か、

何を、いつ飲んだらいいのか

知らないがゆえに体に不調をきたしている人はかなり多いです。

実際臨床場面では一番リスクが少なく指導できますが、

かなりの効果を発揮してくれるのが水分摂取です。

きちんとリスクを知っていれば、

問題になるくことも少ないので栄養指導まで踏み込めなくても、

水分摂取に関しては医師から止められることも少ないです。

普段皆さんが患者様と話していて、よい提案・指導ができる情報を

まとめさせていただきます。

【脱水がもたらす身体への影響】

そもそも水の役割を理解できれば脱水がおきることでの影響が見えてくる。

◆体内の水分が担っている役割

・細胞や組織が求める酸素や栄養素を供給する。
・不要になった二酸化炭素や老廃物を運ぶ
・体に不必要な物質を溶かして運搬する
・体温を一定の範囲内に保っておく
・ホルモンを運んで効果を発揮させる
・免疫系が働くフィールドを提供する
・細胞のDNAとミトコンドリアを正しく働かせる
・体の水分は生命活動を根源から支えており、食事は数日間摂取しなくても

生きていられるが、水分を摂取しない方が人の体は耐えられない。

災害時でも3日が救命のボーダーラインとされており、3日を超えると生存率がどんどん低下してしまう。

◆脱水による体内で起こる異常として、

・細胞核内のDNAがダメージを受ける。

・DNA障害を治すシステム効率が下がり、細胞死の確立が上がる

・ホルモンの受容体に異常が起こりホルモンバランスが崩れる。

・免疫系に抑制が生じる。

→人の体は水分と酵素を使って三大栄養素を代謝し、

細胞の新陳代謝を促している。

栄養の代謝、細胞の新陳代謝が滞ると

体の中に十分にエネルギーを効率よく吸収できないだけではなく、

古い細胞や汚れた細胞を新しい細胞に置き換えることができずに

筋・神経では出力の低下や神経伝達能力が低下する。

腸内では、水分不足から便の排泄がうまくいかなくなることで

腸内環境が悪化し、体内毒素が増加することで肝臓への負担や、免疫機能への負担が増加してしまう。

【一体どれくらい飲んだらいいの?】

・体重20㎏に対して1ℓ(バトマンゲリジ)

・体重×40~50ml(馬渕知子)

・体重×30ml(森下克也)

様々なことが言われていますが、体から一日に出ていく水分が、

呼吸400ml  便100ml  尿1~1.5ℓ   汗600ml

の約2.5ℓ。最低でも2.5ℓは一日に水分を入れ替えなければいけません。

しかし、全てを水分で摂取する必要はありません。

直接水を飲んで水分を摂取するだけでなく、

普通に3食食事をしていれば800ml

体内で脂肪が分解され、エネルギーに変わるときに作られる代謝水が300ml

これらを加えると水で飲む水分量は最低でも1.5ℓ

コップ一杯が約200mlなので7杯から8杯飲めれば水分としては足りていると

考えられています。

実際患者様に、2ℓや体重の重い方に3ℓ飲むように指導しても

まず実践していただけません。

70代ぐらいの女性でも一日1.5ℓぐらいの提案であれば実践してくださる

方が多いのが現状です。

【何を飲んでもいいの?】

実際患者様に水分の問診をしてみると

・朝はいつもコーヒーだから

・毎日お茶を飲んでいるのでそれでいい?

・牛乳はどうですか?

・水道水でもいいですか?

等、様々です。

非常に多いパターンが、

・朝はコーヒー

・水は薬を飲むときに少し飲んでいる

・そのまま午前中は水分をとらずにお昼を迎える

・昼食後にお茶を一杯

・夕方までに1~2杯

・夕食時にお茶を一杯

・寝る前は夜起きたくないので飲まない

といったパターンです。

約800ml~1.2ℓぐらいの水分摂取の方が多いです。

みなさん、お茶・コーヒー・紅茶の方が多いです。

では水分摂取の指導をするときには何を伝えるべきか?

まず目標とする摂取量

そして避けるべき成分です。

目標とする水分摂取量は1.5ℓ

そして避けるべき成分はカフェインです。

カフェインは利尿作用があり、水分を摂取しても尿量が増えてしまうため

摂取効率が悪い。

また、カフェインは肝臓で毒素として代謝されるため肝臓に負担になる。

覚醒効果や、パニック障害の方にはパニックの誘発になるため注意。

水分補給をするのではれば利尿作用のないお茶を選ぶとよいです。

◆100ml中のカフェインの量

・玉露:120ml

・抹茶・紅茶:30ml

・ほうじ茶・緑茶・ウーロン茶:20ml

・コーヒー90ml

◆カフェインの入っていないお茶

麦茶、そば(茶アレルギーに注意)、ルイボスティー、黒豆茶

タンポポ茶、甜茶、ゴーヤ茶など

お茶は体に良いから!と言われることも多々あります。

緑茶に含まれるカテキンには抗酸化・抗菌作用や、血糖値の上昇を抑えたり

健康的な作用も多くあります。

私も指導をする時には水しか飲んではいけないとは言いません。

しかし、頻尿で困るから水分を取らないとおっしゃる方には

コーヒーとお茶だけ飲んでいれば尿量が増えるのは当たり前なので、

カフェインの摂取を減らせるように提案をしていきます。

食後や、一息つく時、仲間と楽しむ時には好きなものを飲むように伝えています。

私が提案する軽めのルールは、コーヒーは午前中までにして、

夜寝る前と朝起きてすぐの水分はなるべく常温の水にするよう提案しています。

吸収率や体の負担を考えれば水が一番ですが、長年ジュースの砂糖に依存している方や、

カフェインに依存している方は、最初は一気に手放すことはできない方が多いです。

よく言われるのは、水は美味しくないからと言われます。

みなさんいろいろ言っては自分の生活スタイルは間違っていないと

言いたい気持ちが伝わってきます・・・

相手のマイナスを減らし、プラスになれることを増やしていく提案が相手に合わせて提案できる必要がありますね。

蛇足ですが、知っている方だけ伝われば…

スラムダンクという漫画で試合に負けている時、

相手のオフェンスリバウンドを取れると2点取られるリスクが消失し、

自分達に2点取れるチャンスが生まれる。

つまり、リバウンドをとることは自分のチームに4点の価値ある。

という安西先生のアドバイスがあります。

栄養・水分摂取でも一緒です。マイナスをそのままにプラスを考えるのではなく、

マイナスの水分を減らし、プラスの水分を増やすことができれば、

体に与える影響もより大きくなります。

丁寧にマイナスのリスクの説明と、水分摂取をキチンとやれれば体に得られる恩恵をプレゼンしてみましょう。

【水と腸】

これまで、腸・腸内細菌の重要性については何度かお伝えさせていただいてきました。

腸の重要な役割として「免疫」があります。

腸の免疫機能は免疫の機能全体の7割を占めているとも言われ、

腸を元気にするには食物繊維・発酵食品を摂取するようにお伝えしてきました。

これらに加えて腸粘膜を健康にする水を与えることを忘れてはいけません。

腸を元気にする水の条件は天然の生きた水であることであり、お店で売られている水がすべて天然水とは限りません。

実際水を選ぶときには必ずラベルを確認する必要があります。

腸を元気にする水は、「ナチュラルミネラルウォーター」と記載された物です。

※農林水産省が発表している水の品質表示ガイドラインによれば、ナチュラルミネラルウォーターとは特定の水源あら採取され、地下水を原水とし、地層中のミネラルが溶け出している水のことです。

体・腸を元気にしてくれる重要なポイントは、この地層中から溶け出したミネラルにあります。

また、日本でナチュラルミネラルウォーターと名乗れる水は、

抗菌を目的とした処理の方法も規定されています。

沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理的・科学的な処理を行うと、

ナチュラルミネラルウォーターとは名乗れません。

もう一つ注意が必要な点は、加熱殺菌をしていないこと

加熱殺菌をすると、水の組成が変わり、

生理活性が失われ、酸素や炭酸ガスが失われてしまいます。

非加熱の生きた水こそ腸には必要です。

◆生きた水に含まれている重要ミネラル

・カルシウム
カルシウムには腸の蠕動運動を活発化する働きがあります。

蠕動運動が活発になり、腸の動きが改善され、腸の排毒作用や、

免疫機能も活性かしてきます。

・マグネシウム
マグネシウムは大便を柔らかくする作用があります。

排便力を高めることで、

腐敗菌である悪玉菌が腸で増殖するのを抑え、

腸内毒素が腸内にとどまることで腸内環境が悪化し、

免疫力の低下を招くことを防いでくれます。

【水道水と腸内環境】

日本の水道水の塩素注入量を世界の国々と比べてみると、極端に高いことがわかります。

殺菌を目的として注入する塩素の量が多く、

WHOがヨーロッパにおいて定めた規制では、

水道中の一般細菌数に規制を定めていいないのに対し、

日本では1ml中100以下と厳しい制限があります。

大腸菌に関してはさらに厳重で、海外では100回検査して5回以内の検出なら合格。

対して日本では「検出されないこと」

すなわち、ゼロでなければいけないのです。

そのため、日本の水道水には塩素が大量に使用されています。

この水道水に含まれる塩素、腸内細菌にも影響し、

腸内細菌を荒らしてしまうので注意が必要です。

大腸菌も腸内細菌も同じ菌、腸に入り込んだ病原菌の排除や、

食物繊維の分解、ビタミンの合成、大便形成・排毒など

大腸菌は大切な働きを担っているので、水道水の塩素のリスクを知っておくことは腸内環境にとって重要です。

【水道水って大丈夫なの?】

日本の水道水は世界で一番安全

大腸菌は0。

蛇口をひねった時に出てくる水に、1ℓ当たり、

0.1㎎以上の塩素が残るように義務付けられています。

日本の水道水が安全で飲んでもお腹を壊さないのは

塩素でしっかり消毒されているからです。

東京の水道棘では基準を満たすために途中の給水所で

塩素を追加して加えているほどです。

しかし、腸と水で話したように、水道水を常飲していると

腸内細菌への影響も懸念されるので注意です。

水道水が不安視される理由の中に塩素だけでなく、

塩素が、原水中の有機物に由来するフミン質やフラボン酸と反応して、

トリハロメタンが生じるためです。

トリハロメタンは発ガン性物質であるため、国も基準を設けています。

厚生労働省では総トリハロメタンは1ℓ当たり、0.1mg以下と定め、

これはWHOの基準よりも厳しくなっており、

健康被害はないとされています。

塩素も時間の経過とともに分解されるため害はないとされています。

ただ、水道水を時間を置いて使いますか?

私は水道水を使うときは料理が多く、すぐ火にかけてしまいます。

しかし、水道水を火にかけると、

トリハロメタンが一時的に増えてしまうという

特徴があります。

3分間煮沸してようやくトリハロメタンは半分になり、

10分間煮沸してようやく0になるといわれています。

毎回煮沸するのは大変なので浄水器を使いましょう。

浄水器にはいろいろなタイプがありますが、

一般的に言うなら蛇口に取り付けるコンパクトタイプより、

据え置き型の方が高性能な物が多いです。

◆ちなみに家庭用品質表示法による除去対象物質

・遊離残留塩素

・濁り(雑菌、固形鉛など)

・総トリハロメタン

・クロロホルム

・ブロモジクロロメタン

・ブロモホルム

・溶解性鉛

・農薬

・カビ臭

・テトラクロロエチレン

・トリクロロエチレン

・トリクロロエタン

塩素やトリハロメタンはまだマシです。

今問題になっているのが水道管の老朽化

元々水道管の耐用年数は40年と定められている。

日本の水道管の総延長距離は66万163㎞

そのうち全国平均で12%が対応年数を超えているそうです。

水道事業を担っているのは市町村などの地方自治体。

人口の減少している自治体では、さらに水道管の更新が遅れているようです。

すべての水道管が即座に危険になるというわけではありませんが、

古く、初期の水道管は腐食して錆が溶け出したり

集合住宅などの古い内部配管から重金属が溶け出す恐れがあります。

微量でも、毎日飲んで入れば体内に蓄積するリスクもありので

注意が必要です。

【スポーツドリンクはどうでしょうか?】

脱水症、熱中症の予防は真水ではなく、

スポーツドリンクや経口補水泳が有効です。

これらには、水分に加え、体から失われる、

ナトリウムなどの電解質が含まれています。

脱水時に電解質を含まない真水で水分補給をすると、

脱水が一層進む場合があります。

これを「自発的脱水」といいます。

汗には水分以外にもナトリウムなどの電解質が含まれています。

体は酸塩基平衡によりホメオスタシスを保つ為に

体液の濃度もコントロールしています。

汗で電解質を失っているのに真水で水分摂取をすると

体液の濃度がより薄くなってしまいます。

すると、体液がこれ以上薄まらないように、

のどの渇きが減り、

尿量が増え、

濃度を基に戻そうとします。

これでは脱水は改善していきません。

じゃあ、スポーツドリンク飲めばいいのか?

スポーツドリンクはスポーツシーンでの水分補給を意識しており、

ナトリウムなどの電解質以外にも、

エネルギー源となる砂糖などの糖質を多く含んでいます。

運動時はそのまま飲んでもいいと思いますが、

日常生活で飲むときには水で薄めて飲むのがおすすめです。

スポーツドリンクには2つの種類があります。

・アイソトニックタイプ

アイソトニックタイプとは、等張性とうい意味で、

体液と浸透圧が等しくなっているものです。

日常生活での脱水症予防には体液と浸透圧が同じで、

胃から小腸への移行スピードが速い、

アイソトニックタイプが適しています。

・ハイポトニックタイプ

ハイポトニックとは低調性とうい意味であり、

体液よりも浸透圧が低くなっています。

運動時には、胃から水分だけが先に

少量吸収されてしまうため、

アイソトニックタイプを飲むと

内容物の浸透圧が高くなり、

胃から小腸への移行スピードが低下してしまう。

そのため、運動時にはハイポトニックタイプを飲むと、

胃で水分が先に吸収され、

程よいアイソトニックになり、

胃から小腸への移行スピードが速くなり水分補給につながります。

そして、経口補水液に関して

経口補水液はスポーツドリンク程は糖質が少なく、

ナトリウムを多く含むために塩分濃度が高くなっています。

味で言えば美味しいものではありませんが、

脱水症に対する対応には向いています。

スポーツドリンクを常飲していると、

砂糖を摂取しすぎて糖化や糖尿病のリスクになります。

売っているスポーツドリンクには正直、余計なものが多く入っています。

なので作っちゃいましょう。

【簡単スポーツドリンクレシピ】

①水1ℓ

②レモン1/4個

③きび砂糖 大さじ2~3

④塩小さじ1/2

塩は出来れば上質な物がよい。

藻塩はミネラル豊富でおすすめ

たまに、なんでもスポーツドリンクや、CCレ○ンなど

イメージだけですべての水分を糖質たっぷりの飲み物で過ごしている人がいるので必ず水分の問診では、患者様の水に対する知識まで含めて何を飲んでいるのか

確認する必要があります。

一度病院で、CCレ○ンがいいから

一日2本は頑張って飲んでいると

満足そうに話している患者様にお会いして、

丁寧に説明してご理解いただいたことがあります。

病院では何を飲んでいるかのチェックも、

摂取量や尿量もある程度把握できるので

リハビリ前にチェックしてみるのも必要かと思います。

【天然水の基礎知識】

日本では天然水は4つに分類されます。

1:ナチュラルウォーター

特定の水源より採水された地下水が原水。

沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理を行っていないもの。

2:ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルウォーターのなかで、ミネラル分が天然の状態で溶け込んでいる物。

処理の方法はナチュラルウォーターと同じ。

3:ミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターのなかで、品質の安定のために、

ミネラル分の調整を行ったもの。

複数の原水の混合、紫外線やオゾンによる殺菌を行ったもの。

4:ボトルドウォーター

他の3種類の飲料水以外で、処理方法の限定がなく、

飲用に適した水。

純水、蒸留水、水道水など

◆軟水と硬水の違い

水の硬度はカルシウム・マグネシウムの含有量によって決定します。

◆硬度の算出方法

硬度(mg/ℓ)=カルシウム濃度(mg/ℓ)×2.5+マグネシウム濃度(mg/ℓ)×4.1

この計算式によって、

・硬度100mg/ℓ以下が軟水

・101~300mg/ℓが中硬水

・301㎎/ℓ以上を硬水

・50mg/ℓ以下は超軟水、

・1001㎎/ℓ以上は超硬水

軟水は口当たりがまろやかで、飲みやすく

出汁をとったり、コーヒーや緑茶を入れたりするのに適しています。

体に吸収されやすく、子供から高齢者まで無理なく飲めます。

硬水はミネラルが多めに摂取できますし、肉料理に使うと臭みや灰汁が取れやすく

パスタをゆでると独特のコシが出ます。

この他、天然水の評価ポイントとして

PH(ペーハー)・酸化還元電位があります。

PHは、水の中の水素イオン濃度を示したもの。

液体などの酸性、中性、アルカリ性の尺度となっています。

中性はpH値7.0

7.0未満を酸性

7.01以上をがアルカリ性

アルカリ性の水には細胞を膨らませたり、汚れを落とす作用があり、

酸性の水には殺菌作用や肌などを引きしめる作用があります。

酸化還元電位とは、酸化させる力と還元させる力を電位差で示したもの。

酸化とは物質が電子を失う反応で、還元とは物質が電子を得る反応です。

酸化還元電位の単位は(mv)。

プラスなら酸化力が強く、マイナスなら還元力が強くなります。

体に有益なのは酸化還元電位が低く還元力が高い水、

その代表が水素水であり、活性酸素を還元して無力化してくれます。

◆食品の還元電位(単位:mv)

水道水779

紅茶466

コーラ484

スポーツドリンク294

緑茶200

コンビニで売っている天然水で200~300

なかなか酸化還元電位がマイナスの水は売っていませんが、

特殊な製法で作られた塩など、水に入れることで

酸化還元電位を下げてくれる塩もあるので使ってみるのも良いかと思います。

【アルカリイオン水】

健康効果の高さは、天然の生水にあると話してきましたが、

人の手を加えることで健康効果を高めた水があります。

厚生労働省が認めている機能水は一つ。

それはアルカリイオン水です。

アルカリイオン水だけは、体によい機能水だと国がみとめているのです。

アルカリイオン水とは、

水を電気分解してできるアルカリ性の水です。

アルカリイオン水に対し、厚生省が認めた効能は、慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多

整水器を使って人工的につくるアルカリイオン水の利点は、

人工的にイオン化されているので粒子が細かく、

体内に吸収されやすい点です。

また、アルカリ性の水には

酸化されたものをもとに戻す効果、

酸化還元作用があります。

アルカリイオン水に対しては一通り否定的な意見もありましたが、

それをきっかけに1990年代から多くの研究がされてきており、

効果は確認されているようです。

アルカリ性の水は、現代のストレス社会で生きていく上では、

活性酸素を中和し、酸化・老化を防いでくれるため

大切なことかと思われます。

【水素水】

水素を飲んでも大丈夫なのだろうか?

人の腸内に住む腸内細菌によって、

水素は体内でも作られており、

体内を循環して抗酸化作用を発揮しています。

水素は無害であり、体内で作られる水素を

補うのが水素水というわけです。

2007年に日本医科大学のグループが

水素の抗酸化作用について論文を発表して以来、

注目をあびるようになりました。

水素水ってなんか怪しいって聞いたことがある、

水素水ってエビデンスないんじゃないの?

と話を聞いたことがありますね。

研究はちゃんと行われており、

活性酸素の除去に効果はあるようです。

しかし、水素水の水素は抜けやすいのです。

炭酸が抜けてしまうのと一緒です。

なので水素水を選ぶのにもポイントがあります。

1.容器の材質

水素は極小なので製造直後は水素が含まれていても

通常のペットボトルに入れると透過して抜けてしまいます。

アルミパウチやアルミ缶を選びましょう。

2.水素濃度

抗酸化作用を期待するなら、水素濃度

0.8ppm以上が一つの目安になります。

3.酸化還元電位

マイナスのものを選びましょう。

4.自分の感覚も大切に

状態の悪いものもあるので、しばらく使って

実感を得られないものはやめましょう。

【炭酸水】

炭酸水に含まれている炭酸ガスは

胃の粘膜を適度に刺激して胃酸の分泌を促し、

食欲を高めてくれる。

また、量を飲めば満腹感が高まって食べすぎの予防にもなります。

炭酸水の効果として有名なのは結構促進作用。

炭酸ガス=二酸化炭素は、体内では老廃物。

血液中の二酸化炭素が増えると、

素早く肺へ送って体外へ出そうと血流が促通されます。

二酸化炭素と一緒に老廃物も除去されるため

炭酸水は運動後などの疲労回復も期待されます。

【水分摂取に関するリスク管理】

水分の勉強や栄養の勉強をすると誰でも患者様や大切な人に伝えたくなります。

しかし、何かを摂取する場合、何事も良いことばかりではありません。

水分摂取でもリスクはありますので、きちんと既往歴・現病歴の確認・問診をしましょう。

●水分摂取にリスクがある疾患

・腎不全、腎機能障害のある患者、(腎臓疾患だけでなく、糖尿病の合併症にも注意)

→腎臓は血液をろ過することで毒素を対外へ排出している他に、酸塩基平衡を保ち、PHのコントロールをしている。必要によってホルモンを分泌して血圧を調整し、ろ過する水分量をコントロールしている。

腎機能障害を起こしている人は、水分の排泄能力が低下しているだけでなく、カリウム・ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのPH調整も困難になっているため注意が必要。医師にカリウム制限をされている場合もあるため必ず医師の指示を確認する必要あり。

人工透析をされている場合は、より明確に水分量を支持されているため水分指導は避けるのが賢明です。

・心不全を含めた心疾患全般

狭心症、心筋梗塞などの心疾患によって心拍出量が低下していたり、心筋のポンプ作用が低下していると腎臓のろ過がうまく行かなくなることで全身に浮腫が起きることがあります。

心不全による浮腫は、脱水・結構不良による浮腫とは違うので浮腫の原因の評価、診察、診断が必要になります。

また、水に含まれるカリウムは欠乏すると頻脈や心拡張症を招きますが、取りすぎることで腎機能障害や不整脈を招くため注意が必要です。

心疾患をお持ちの患者様は医師から指導を受けているケースが多いので確認するか、主治医に水分摂取に関してリスクがないか確認するのが安全です。

◆脱水のリスク                                                 

・疲労感、だるさ

軽度の脱水症状や老廃物のため込みが原因となる

・便秘

腸の動きが鈍り、体内水のバランスも崩れる。

水をとることでマグネシウム・カルシウムで便を柔らかく、蠕動運動も促しましょう。

・肥満

水の中に含まれるミネラルを摂取することで代謝を上げて痩せやすい状態を整えましょう。

空腹時の水分摂取は空腹を紛らわせてくれる効果もあり。

・むくみ

むくみの種類によっては水分補給による血流改善が有効

・肌あれ

水分摂取により新陳代謝を促進。

血液中の毒素を排出しシミを予防

・耳鳴り、めまい

頭部のむくみが内耳にも影響する。

・高血圧

水分摂取でミネラルバランスを整えることで

動脈硬化の予防や、PHバランスを調整する必要あり。

・糖尿病

糖尿病は高血糖によって浸透圧が上がり、水分排泄が促されるため

喉が渇きやすい。こまめに水分補給を。腎機能障害に注意

・認知機能低下

老化現象に加えて、脱水で脳神経の栄養不足が続くと認知機能の低下を招く。

・イライラ

ミネラル不足によるイライラを予防しましょう。不安やストレスも姿勢を悪くし、

より循環を悪くする負のスパイラルに陥ってしまいます。

・関節痛

関節内組織や関節液、脂肪組織の水分循環が低下することで炎症が起きやすくなり、

組織も損傷しやすい状態になる。

・筋力低下

血流低下による筋力低下、筋量の低下による体温低下に注意。

・骨粗鬆症

水分摂取プラスミネラルバランスの改善により骨代謝を健全に。

【まとめ】

水分摂取の必要最低限の量は1.5ℓ。

これは出る水分と体で作られる水分を計算すると採点1.5ℓとういことです。

運動量や気温によって調整する必要がありますが、

体重・体格を考慮した計算式も有効なので指導する相手を考えて調整しましょう。

脱水のリスクだけでなく、取りすぎたらまずい疾患も理解して問診しましょう。

水を摂取することで達成したい目標に合わせて飲む水の種類も指導しましょう。

目的に対する利点・欠点を整理することが必要です。

意外と大切なのが酸塩基平衡、

体内のPH調整を意識できればより効果が高く、

リスクを回避することができます。

水について多くの知識をおつたえしてきましたが、

体質を改善するための基本なので、

是非患者様の指導にお役立ててくだされば幸いです。

FB・Twitterなどでシェアよろしくお願いします。

今日も一日良い時間をお過ごしください。

all アプローチ協会 鈴木 正道

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