内臓調整

【内臓調整】胸骨・縦隔・胸膜にアプローチ(肺・心臓のつながり)

おはようございます。

いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は、「胸腔と縦隔・胸膜を理解して、胸腔内臓器にアプローチ」についてお伝えいたします。

胸腔内は心臓や動脈・静脈肺、リンパなど循環系に関与する臓器が詰まっています。

また自律神経の神経管・神経節も多く存在し、胸郭の循環や可動域は、腹腔の内臓にも影響を及ぼします。


胸腔内は肋骨・胸骨に囲まれた空間になっているため直接的なアプローチが困難ですが

膜のつながりや筋膜のつながり、循環を通してアプローチが可能となります。

今回その中でも、縦隔と胸骨に対してのアプローチをお伝えいたします。

胸骨は胸腔内外から多くの筋や膜の付着があり

呼吸・循環・可動性のキーポイントになっています。

最近アプローチしていて、胸骨から左右にのびる大胸筋が

骨盤の大殿筋の逆バージョンのように思えてきました。

これはアプローチしていてという感じです。


大胸筋の胸骨付着部は左右の大胸筋を結ぶように胸骨上で繊維がクロスする。

この構造は、仙骨後面で大殿筋の繊維が腸骨を超えて仙骨上まで伸びて繊維が連結するようなイメージと重なります。

胸骨上は、東洋医学的には任脈の経絡が通り、

壇中というツボが有名でチャクラでは第四チャクラ

(→ハートチャクラとも呼ばれ)の開くポイントになります。


どちらもメンタルに関する場所とされています。


実際筋膜では胸骨上には筋膜の中心点があり筋硬結を作りやすく、

特にメンタル面で不安を抱えている人に圧痛・硬結が多いです。

実際メンタル面で落ち込んでいたり不安を抱えていると

この部分を開いた姿勢をとっている人はほとんどいませんね。

認知症などで、常に状況を把握できずに不安を抱えている

高齢な女性ではこの部分で手を組んで不安そうに話しをする方が多い印象です。

胸腔内からみた胸骨には胸横筋や胸内筋膜が付着し、

さらに内側には壁側胸膜が癒着するとともに前縦隔が付着しています。

ここで縦隔の構成要素をお伝えします。


縦隔は解剖学上、上下の縦隔に分けられており、下縦隔がさらに前・中・後の縦隔に区分けされている。

【縦隔の構成要素】

〈上縦隔〉

・大動脈弓

・腕頭動脈・静脈

・左総頚動脈と左鎖骨下動脈の始部

・上大静脈(上部)

・胸腺(高齢者では胸骨後脂肪組織)

・迷走神経

・左反回神経

・心臓神経

・横隔神経

・気道・食道・胸管

〈下縦隔〉

①前縦隔

・リンパ管とリンパ節

・微小血管

②中縦隔

・心臓と心膜

・上行大動脈

・上大静脈の終末部と奇静脈

・肺動脈幹とその枝

・肺静脈

・心膜横隔動脈静脈と横隔神経

③後縦隔

・食道と迷走神経

・胸大動脈とその枝

・胸管

・奇静脈と半奇静脈

・交感神経幹と大小内臓神経



この縦隔、私は縦隔って名前だけで横隔膜みたいな一枚の膜があると

勘違いしていましたが、解剖の教科書上はブロックで分かれています。


発達の過程では、たしかに胸腔に対して

真ん中から心・肺が胸腔を二つに割って発生してくるので

縦に隔てて出てきた組織になります。

私がいつも施術するときに、大切にする縦隔のイメージは

胸骨から脊柱までつながる列車のような組織のつながりです。

一つ目は、胸骨→胸横筋→脂肪層→心臓(心膜)→脊柱

胸骨と心臓、心臓と脊椎をつなぐ靭帯性の組織が

つながっているのでその組織をゆらすイメージで胸腔内にアプローチをしていきます。

二つ目は、壁側胸膜→臓側胸膜→壁側胸膜

胸膜の中でも臓側の胸膜は縦隔を矢状面上で縦に区切っているので、

両側の臓側胸膜もイメージしてアプローチしています。

右は胸骨後面まで臓側胸膜が広がっていますが、左は胸肋関節もしくは胸横筋までしか

臓側胸膜が付着してこないので左右のイメージは使い分けています。

三つ目は、横隔膜を介した胸郭下部の連続性です。

とても柔軟性の必要部分になり、とても多くのつながりがある膜になります。

横隔膜は実際解剖で見ると、筋と言うよりほんと膜な組織ですが、

その膜に肝臓がぶら下がり、胃が貫いてぶら下がり、

横隔膜の上には心臓が靭帯性に連結し、

壁側胸膜横隔部が癒着し、肺の重さも乗っかっているので

正直あの膜の動きだけで

あれだけの臓器を上下に動かせている気がしないので、

内臓の自動力・可動力は横隔膜の動きにとって重要だと考えて内臓にアプローチしています。

他にも肋骨一本一本のアライメントも胸骨と脊柱をつなぐラインと考えて

アプローチしてくと壁側胸膜全体のアライメントや癒着に対応していくことができます。

実際内臓だけに着目すると胸腔内の内臓はアプローチしにくい

イメージですが、連結・膜を介してアプローチしていくとイメージもしやすくなっていきます。

是非参考にしていただければ幸いです。

本日は以上になります。

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道

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