栄養学

【体質アプローチ】腸活の落とし穴〜小腸内細菌増殖症(SIBO)〜について

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は、腸内細菌ブームの落とし穴!? 小腸内細菌増殖症(SIBO)について

お伝えさせていただきます。

SIBOとは:小腸内細菌増殖症(Small Intestinal Bacterial Overgrowth)の略で、

小腸の中で爆発的に腸内細菌が増えてしまう病気のことです。

腸内細菌が我々の健康に大きく貢献していることは、

メルマガでも何度かご紹介させていただいてきていますが、

SIBOは大腸にあるべきバクテリアが小腸の中に張り込み、小腸に停滞し、本来の居場所である大腸に移動しない時に起こります。

その腸内細菌が、善玉でも悪玉でも過剰になったり、不適切な場所で増殖すれば、非常に危険な状態になってしまいます。

SIBOにかかると、増えすぎたバクテリアによって大量のガスが小腸で発生します。

ほんの少ししか食べていないのにすぐにお腹がパンパンに張ってしまって、

妊娠したようなお腹になってしまうという症状を訴える人も増えています。

このSIBOという病気は日本では、まだその存在があまり認知されてないので

適切な対処がされないケースが多いようです。

SIBOにかかると、頑固な便秘、腹痛、おなら、お腹の違和感などに悩まされます。

そして病院に行くと、便秘には下剤、下痢には整腸剤など、単純な処方で効果が出ないのが特徴です。

過敏性腸症候群と考えられてきた患者の多くは、良く調べていくとSIBOであることが分かってきています。

論文レベルでも、過敏性腸症候群の36~85%はSIBOを合併しているというデータが発表されています。

つまり、過敏性腸症候群がなかなか治らない方には、SIBOではないか、検査する必要もあります。

今まで腸内細菌は、NHKでも何度も取り上げられ、体に対する様々な有効な効果が伝えられてきましたが、腸内細菌が過剰増殖すると炎症が起きてしまうことがわかってきています。


腸内細菌の悪玉菌が、体に悪影響をもたらす分泌物を出し、

体内に毒素を増やすくことは、今までの話でお伝えさせて頂きましたが、

善玉菌でも悪玉菌でも過剰増殖は、腸の炎症を引き起こしてしまいます。

SIBOになると腹痛や便秘・下痢だけでなく、逆流性食道炎にも悪影響があります。

逆流性食道炎は従来、胃酸が多いためにいから食道に胃酸が逆流性起こると考えられてきました。

実際消化器内科では胃酸を抑える薬がたくさん処方されています。

しかし、これで症状が良くならない患者さんがいるばかりか、

胃酸を抑える薬を飲むと、かえって症状が悪化する人がいます。

これは、消化管は一本の管であるため、

SIBOによって過剰な細菌が発酵によって起こすガスが、十二指腸から胃へと逆流していきます。

そして胃の中は過剰なガスで圧迫され、ガスと一緒に胃酸は食道に逆流していくといった具合でSIBOから逆流性食道炎を起こすケースもあります。

胃酸を抑える薬を飲むと胃酸には本来、

小腸の中で細菌が増えすぎないよう

調節する大切な働きがあるので、胃酸を抑えてしまうと

小腸内の雑菌を殺すことができなくなり、小腸の中で細菌が爆発的に増えてしまいます。




胃酸を抑える薬で逆流性食道炎がさらにひどくなるなんて

考えたことがなかったですね….

本来小腸にはガスはたまらず、大腸でガスが発生するのが普通です。

レントゲンで小腸ガスが溜まっている場合、

腸に何らかの不具合(腸閉塞や小腸炎、通貨障害)が起きていることが示唆されます。

小腸は本来ガスが、溜まる場所ではないため

想定外のストレスで不調を起こしやすいので注意が必要です。

こういった小腸の炎症など、腸粘膜にダメージが

蓄積していくことで起きるのが、腸粘膜の透過性亢進状態(リッキーガット症候群)です。

この状態に陥ると、腸粘膜はダダ漏れ状態になり、

本来は通してはいけない細菌の作った毒素や未消化の栄養分を通してしまい、血液の状態や

赤血球の栄養運搬能力を低下させる原因になり、自己治癒力を低下させてしまいます。

SIBOの患者の腸内では、腸内環境が乱れ、正常では抑えられている

カビ(真菌)、カンジダ、イーストの増加が約50%に見られるのが特徴です。



本来、腸内細菌は体内で人間と共生する関係にありますが、

過剰に増えすぎた細菌は、体に良い影響を与えることを通り過ぎて、私たちの体と栄養を奪い合う「敵」になります。

私の患者でもお腹のガスや張りがひどくてといいながら、だんだん痩せていくひとがいました。

要は、腸の細菌に栄養を奪われてしまっている状態ですね。

この状態は危険で、もし腸の状態を良くしようと

ヨーグルトや腸まで届く系の乳酸菌などを摂取するとかえって小腸内の筋を増やす結果になり、

症状を悪化させることがあるので注意が必要です。


腸活や美腸などのブームもとても健康によくてみなさんに知識として広がることもうれしいことですが、落とし穴に注意して腸の状態、血液の状態を良好に保っていきたいですね。

最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、有難うございました。

Allアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道

【自然治癒力】自分の施術効果を120%引き出す3つのポイント前のページ

【咀嚼筋アプローチ】なぜ「咬筋」の施術が頭痛改善に繋がるのか?次のページ



関連記事

  1. 栄養学

    筋挫傷・筋障害を回復する魔法の栄養素一覧

    from 山口拓也整体院 デスク よりいつもALLアプローチ…

  2. 栄養学

    セラピストのための体質改善してもらう考え方・アプローチ・指導

    体質改善アプローチの考察from 山口拓也横浜 スタバ より…

  3. 栄養学

    蛋白質の選び方と注意点(動物VS植物)

    蛋白質の選び方と注意点(動物VS植物)おはようございます。…

  4. 栄養学

    元リハビリセラピストがおススメするミネラル特集【栄養学】

    皆さん こんにちは ALLアプローチ協会代表 山口拓也です。…

  5. その他

    体温のリズムと体温の重要性について

    おはようございます、all アプローチ協会 関東支部長の鈴木…

  6. 栄養学

    【内臓治療】【身体感覚】ファスティングをすることで得られる感覚

    おはようございます。All アプローチ協会 関東支部長 鈴木…



公式メルマガ


治療セミナーのご案内


公式ライン@

img src=" https://www.fastinglead.com/wp-content/uploads/2022/04/IMG_4606.jpg

公式YouTube


ツイッター

プレミアムコース


栄養プロフェッショナルコース


1日アロマテラピー講座

SNS攻略100大特典配布中

  1. 解剖学

    癒着を阻止!!中間広筋×膝関節筋×膝蓋上嚢の解剖学と触診
  2. 経絡アプローチ

    経絡治療の圧倒的メリットとは?
  3. 内臓調整

    大腸、小腸アプローチについて!経絡治療・役割・内臓治療の話
  4. ヒーリング

    内臓治療・感情との関連とは?(上級者向き)ヒーリングから考えた内臓と感情のつなが…
  5. 五十肩テクニック・原因・リリース

    肩甲胸郭関節リリースによる3つの効果・役割とは?
PAGE TOP