栄養学

【栄養指導・たんぱく質 パートⅠ】セラピストに必要なタンパク質指導の知識

いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は、「セラピストのタンパク質指導(お肉を食べるべきか?)」にお応えする指導内容についてお伝えしたいと思います。

なぜこういった記事を書こうと思ったかと言うと、

最近メディアで「肉食え肉食え肉食え」と「お肉で健康長寿」といったテーマのテレビがとても多いのです。


当然患者さんと会話をしていると

「お肉お肉、お肉食べなきゃ」そういった話になります。


テレビの影響力ってすごいですね。

私が見たテレビでは、瀬戸内寂聴さんが肉をバクバク食べる映像やご高齢の元気な双子?の姉妹の
片方が朝からステーキを焼いて食べる映像でした。


朝から健康番組で肉を食べないからたんぱく質不足になる。

だから肉を食べなさいと言った番組。

肉押しが始まると次々に有名人や健康番組を使った肉を食べましょうキャンペーンです。

さて、みなさんは専門職です。

みなさんなら、その質問にどう返しますか?

また、どのように提案しますか?


文献的な、たんぱく質の推奨摂取量、大体約体重1キロに対してたんぱく質1gが必要になりますね、

高齢になるにつれて必要摂取量が増えていきますね。

さあタンパク質の指導をしましょう。

何をまず考えますか?

なんでもそうですが、まずリスクです。

効果も大切ですが、まずリスク。

あなたの指導で健康を損なう恐れもあります。


タンパク質の多量摂取でリスクとなるのが脱灰と腎機能障害です。

【脱灰と否定意見】

脱灰とは酸性であるたんぱく質が体内を酸性に傾けてしまうため、

骨の中にあるカルシウムを使って体内をアルカリ化しようとする。

普通はカルシウムは再吸収されますが、慢性的な高たんぱく状態が続くと骨がもろくなるといった内容です。

しかし、本によっては、そもそも胃酸が強酸性のため

胃の中で酸性・アルカリ性といったことはあまり意味をなさない。

胆汁・膵液がアルカリ性に中和していくことが重要となります。

食品の酸性・アルカリ性という分類法が考案されたのは100年以上前で

栄養学が未発達の時代の研究になるので現在はあまり重要視されていないようです。

【腎機能障害について】

高たんぱく食は腎臓に悪いと言われています。


実際、2g/kg体重/日の多量蛋白質の摂取により、健康な高齢者の腎障害のリスクが上昇すると報告されています。

しかし、腎機能障害の本質は、糖質の過剰摂取による【糖化】です。

国内人工透析人口は約32万人・そのうち糖尿病性腎症が約11万人と最も多く、透析患者の48%を占めています。

糖化→酸化→炎症サイクルの中で腎臓の糸球体ろ過機能が低下し、腎機能が低下します。


この状態でたんぱく質を多量摂取すれば当然腎臓に負担をかけるので、医師の指示通りにたんぱく質制限食をとる必要があります。

しかし、たんぱく質が原因で腎機能を低下させているわけではないようです。

つまり原因と結果は別ということです。

糖化による原因です。

結果、たんぱく質処理ができなくなる。

正常な腎機能を持っていれば、たんぱく質摂取は推奨されます。

では何が問題になるかというと、

問題①カロリーオーバー

タンパク質が豊富な食品、特に肉や卵は比較的カロリーが高いです。

タンパク質をもっと多く摂りたい一心で、

たくさん食べてしまうと結果的にカロリーオーバーとなり

肥満を招くということにもなりかねません。

カロリーをおさえつつ高タンパクを意識することはとても大切。

そのためには脂肪分の少ない食品を選ぶ、油を必要以上に使わない・食材や調理法を工夫して、高タンパク低カロリーの食事を意識する必要があります。

痛み・痺れ・炎症、不定愁訴で病院に通院される患者様のほとんどが

糖質過剰摂取の状態でさらに運動不足です。

こういった方に肉でたんぱく質を積極的に摂取してください。

そんな指導が有効だと思いますか?

問題②内臓疲労

摂取したタンパク質は、体内で合成と分解を繰り返します。

その過程において、食事から摂ったタンパク質のうち

余った(過剰な)ものは分解され窒素となります。

窒素を体外に排泄するためには、肝臓・腎臓の働きが必要です。

体内の分解過程で必要なくなった窒素はアンモニアに変わります。

アンモニアは私たちの体にとって有害な物質であるため、肝臓で無害な尿素に変換されたのち腎臓で尿として排出されます。

このときにタンパク質を過剰に摂取してしまうと、

その分多くの窒素を尿に変換しなければならなくなります。

そのため肝臓や腎臓にかかる負担が普段よりも大きくなり、内臓疲労を引き起こしてしまう可能性があります。

また、消化困難なたんぱく質を多量に摂取すると加齢による

消化酵素の減少によってたんぱく質が分解されず、食べて内臓を疲労させた割には、吸収できていないといったこともあり得ます。

消化機能に見合った食事内容でタンパク質を摂取できることが必要ですね。


たんぱく質摂取は、栄養指導においてとても重要事項です。

タンパク質摂取のリスクに関しては、次回のメルマガで続きを書かせていただきます。

本日は以上です。

最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、

誠にありがとうございました!

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道

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