皆さんこんにちは!
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
本日も当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。
今日も、
勉強熱心な理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師などセラピストの皆さんに向けて、
明日からの臨床ですぐ使える治療テクニックや介入のヒントをお伝えしていきます。
今回は、
【五十肩】結帯動作の疼痛・可動域制限で原因となりやすい筋は?
というテーマでお話していきます。
五十肩の患者様で、肩の屈曲・外転の痛み・可動域は改善したものの、
結帯動作の痛み・可動域がなかなか改善しない…。
といったところで介入に悩んでいる方が多いかと思います。
私自身もなかなか改善しきれずに悩んでいたことが多かったです。
そこで今回は、
「結帯動作」の痛み・可動域の改善に有効な筋・内臓について、
効果実証済みのものだけをお伝えしていきます。
まずは筋肉について紹介していきますが、
ポイントは、
上腕骨・肩甲骨の回旋の動きが結帯動作には要求されるという点です。
この回線の動きを制限している部分を診ていくことが重要です。
<筋>
・外側筋間中隔(上腕)
触診は、外側上顆から3横指上方の位置で触診ができます。
上腕の屈筋群と伸筋群を隔てている部分であり、
ここに硬結が出来ると、
屈筋群と伸筋群が癒着を起こし、
上腕骨内外旋の動きを制限します。
この部位の調整によって、ほとんどの場合は結帯動作の疼痛・可動域改善するので、
是非診てみてください。
また、三角筋の停止部(三角筋粗面)と筋間中隔の交点で硬結が出来やすいので、
そこもチェックしてみてください。
・内側筋間中隔(上腕)
触診は、内側上顆から3~4横指上方になります。
これも外側筋間中隔同様に、屈筋群と伸筋群を隔てている部位で硬結が出来やすく、
上腕骨内外旋の動きを制限しやすいので診ておくべき部位です。
・手掌腱膜
手の親指と小指の対立動作を行ったときに、谷になっている部分が手掌腱膜になります。
この谷を頂点にして手のアーチを作っていくように調整をしていくことで、
前弯回内外や手関節橈尺屈の可動域が向上し、
結帯動作時の痛みや可動域が大きく改善するケースが多いので、
是非介入してみてください。
・小胸筋
第3~5肋骨、肋軟骨連結部から起始し、
烏口突起に停止する筋です。
小胸筋は、肩甲骨を下制・肋骨を挙上させる筋であり、
この筋が収縮すると結帯動作の補助をしてくれます。
筋膜で言うと、
「ディープフロントアームライン(DFAL)」
の重要な筋でもあり、上肢帯の動きには大きく関与している筋なので、
診ておくべき筋ですね。
・小円筋
肩甲骨後面外側縁、棘下筋膜から起始し、
上腕骨大結節に停止する筋です。
小円筋は、肩甲上腕関節外旋に働く筋であり、
この筋がしっかりと伸びることが出来る状態だと、
上腕は内旋しやすくなり、結帯動作がしやすくなります。
筋膜で言うと、
「バックアームライン(BAL)」
に含まれ、上腕内側の筋筋膜の硬さに関与していることが多く、
上腕骨回旋の動きに大きく関与している筋のため、
チェックしてみてください。
<内臓>
・肺
肺の疲弊、硬さがあると、
鎖骨下筋が硬くなっていることが多く、
肋鎖関節の可動域が低下します。
結滞動作では、鎖骨が前方回旋方向に動く必要があるため、
肺の硬さ→鎖骨下筋の硬さ→肋鎖関節の制限→結帯動作の制限
へ繋がっているケースが多くありますので、
チェックしてみてください。
・心臓
特に右肩の結帯動作で改善するケースが多いです。
結帯動作では、肩甲骨下方回旋・外転・前傾という動きを伴います。
つまり、胸郭は肩甲骨に対して、左回旋・上方移動(体幹伸展方向)に動きます。
そのため、心臓の硬さにより縦郭や胸骨、前胸肋部の硬さ生じて、結果的に結帯動作の制限因子となるケースが多いです。
是非チェックして診てください。
<頭蓋>
・蝶形骨
心臓が原因の方は診ておく必要があります。
蝶形骨は、C1の直上にあり深い関係があります。
C1は環軸観閲で頸部回旋の動きを担っています。
首・手首・足首は構造類似性の関係で深いつながりがあります。
そのため、蝶形骨→C1→手関節→結帯動作といったつながりで、蝶形骨が結帯動作の制限因子となっている場合がありますので、チェックしてみてください。
まとめると、
<筋・筋膜>
・外側筋間中隔
・内側筋間中隔
・手掌腱膜
・小胸筋
・小円筋
<内臓>
・肺
・心臓
<頭蓋>
・蝶形骨
以上に対するアプローチで、
結果を出すことが出来ているので、
参考にしていただけたらと思います。
本日は以上になります。
最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也