頭蓋仙骨療法

【頭蓋仙骨療法】蝶形骨の重要性や全身のつながり・影響について

いつも公式ブログ・メルマガを見て頂き誠に有難うございます。

ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。

本日の記事は、「蝶形骨の重要性や全身のつながり」というテーマでお伝えさせて頂きます。

皆さんは、蝶形骨がどれだけ重要か知っていますか?

蝶形骨をアプローチすべき理由が数多くあるので、臨床の参考にして頂ければと思います。

【頭蓋仙骨療法】

頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル)のテクニックに蝶形骨リリースがあります。

◆頭蓋仙骨療法について分からない人はこの動画をチェック↓

【蝶形骨について】

蝶形骨は、中央に位置している「体」と3つの突起(大翼、小翼、翼状突起)で構成されています。
幼少期は体、翼部、翼状突起などに分離していますが、成長するにつれて癒合し一つの骨となります。

蝶形骨は、頭蓋骨を形成する骨のうち9種類の骨と接合しています。

◆蝶形骨と連結する頭蓋骨
①鋤骨
②篩骨
③前頭骨
④後頭骨
⑤頭頂骨(左右)
⑥側頭骨(左右)
⑦頬骨(左右)
⑧口蓋骨(左右)
⑨上顎

頭蓋骨は、ギアの動きと同じで中心にある頭蓋骨は最後にやらなければいけません。

最初に蝶形骨をやってしまった場合、周りに連結している頭蓋骨が動いていないと蝶形骨の動きを阻害してしまいます。

【嚥下との関わり】

口蓋筋の一つである口蓋帆張筋も、蝶形骨翼状突起内側板を起始としています。

口蓋筋は、耳管を開放するための筋肉です。

耳管は耳の気圧を調節する働きがあり、嚥下時に耳管を開放することで外耳と中耳の空気圧を等しくします。また、食べ物を咽頭に送り込む際の圧を高める役割もあると言われています。

【脳神経との関わり】

12対ある脳神経の約半数は、蝶形骨の孔や蝶形骨と接している骨と骨との隙間を通っています。

①視神経:視覚、瞳孔調節。

②動眼神経:眼球運動

③三叉神経(眼神経・上顎神経・下顎神経):眼の感覚、顎の感覚など。

④外転神経:眼球運動

⑤滑車神経:眼球運動

左右で視力が大きく異なる場合は、蝶形骨のズレてしまい、視神経に影響が表れている可能性があります。

【顎関節症との関わり】

咀嚼筋の一部である外側翼突筋と内側翼突筋は、蝶形骨を起始部としています。

蝶形骨は顎関節の開閉や左右バランスを調整など、口の開閉に関して重要な役割を担っています。

【蝶形骨と下垂体の関係】

蝶形骨の一部であるトルコ鞍には脳下垂体を収納しており、下垂体からはさまざまなホルモンが分泌されるため、生体の機能維持を司っている非常に重要な役割を担っています。

脳下垂体の周りには硬膜静脈洞と呼ばれる穴が多数空いておりその穴を内頚動脈、脳神経などが通っていて、脳につながる血管、リンパ、神経の重要な交通路になっています。


蝶形骨が歪むとトルコ鞍ももちろん歪む。そうすると、脳下垂体の機能、脳血流量がおち、体には多大な影響が起こることが考えられます。

分泌されるホルモン
成長ホルモン
甲状腺刺激ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン
性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)
プロラクチン(催乳ホルモン)
抗利尿ホルモン
オキシトシン(射乳ホルモン)

【頭蓋リリースで痛みが減る?】

福島県立医科大学の発表によると、原因不明の腰痛患者の脳血流量を調べたところ、7割の腰痛患者の脳血流量が低下しているとされています。

この発表の後、米国、ノースウェスタン大学が更に研究を進め、その結果、慢性腰痛患者は脳の前頭前野部にある側坐核という部位の働きが低下しているという報告をしています。

通常、腰部で炎症などが起こると、その痛みは脳へと伝わり、側坐核はこの痛みを制御する働きがあります。つまり、側坐核が正常に機能することで人間は必要以上に痛みを感じない仕組みをもっているのです。

しかし、脳の血行が悪くなり、側坐核の機能が低下すると、本来抑えれるはずの痛みが抑えられなくなってしまうのです。

【蝶形骨ー脊椎ー仙骨ライン】

人間には、プラスチックやセラミックなどの人工物で代用できない骨が2つあります。

「蝶形骨」「仙骨」です。

そして、この2つの骨を繋いでいる形で脊椎が存在します。

身体の重心も仙骨にあるので、仙骨は人体の建物でいう土台(基礎)の役割を担っています。

蝶形骨には、全身のホルモンのバランスをつかさどる器官(脳下垂体)がぶら下がっているので、ホルモンのバランスに密接に関わっています。

この「仙骨-脊椎-蝶形骨」の関係は、互いに連動しており、仙骨が正しく動いているときは蝶形骨も正常な状態ですが、その動きに歪みが生じるとホルモンのバランスも崩れます。

仙骨という土台が正しい位置にないと、その上にある背骨や頭蓋骨などの骨格バランスが崩れ、重心の位置もズレていきます。

【筋膜ラインと蝶形骨の関係】

蝶形骨の筋膜はラップのように、気管、食道、心臓と包みながら体の中心にある横隔膜まで繋がっています。

なので、ディープフロントラインから蝶形骨のアライメントを崩すパターンもあります。

また、心臓との繋がりも深く心膜が硬くなっているとさらに蝶形骨が歪んでるパターンが多いです。

本日の記事は以上となります。

蝶形骨リリースの参考になったら非常に嬉しいです。

プレミアムコース2日目で蝶形骨リリースについてお伝えしているので、興味があったらセミナーページをチェックしてくれると嬉しいです。

最後までお読み頂き誠に有難うございました。

もし良ければ、FBやTwitterなどでシェアして下さると幸いです。

ALLアプローチ協会 代表 山口拓也

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