いつもALLアプローチ協会のメルマガをご覧いただき有難うございます。
ALLアプローチ協会 代表 山口です。
本日は、「感情リリースのための身体アプローチ」というテーマでお伝えさせて頂きます。
皆さんは、ストレスに対してどのようにアプローチをしていますか?
数多くの患者さんが精神的ストレスから自律神経を崩し多くの問題を引き起こしてしまいます。
ストレスに対する考え方やアプローチをまとめましたので、ぜひ参考にして下さい・
【ストレスと交感神経について】
まずストレスがかかって最初の反応は、
ノルアドレナリンとアドレナリンが増加して交感神経の働きが活性化します。
それと同時でコルチゾールが増加して
H-P-A軸(視床下部・下垂体・副腎)が促進します。
そして、ストレスを対処すると恒常性を基本レベルに戻ります。
しかしストレスが持続的にかかっていると、恒常性が戻せず
交感神経優位となってしまいます。
それがあまりに長く続きすぎると
自己制御が働かずにずっと交感神経優位の状態となり
これを適応障害と言います。
そして、生理的機能や心理面にも影響し
自己免疫疾患や不安症、高血圧、うつ病、社会病的行動、睡眠障害、摂食障害など
様々な影響をもたらします。
【ストレスに対する視床下部について】
視床下部の主な役割は、生体の恒常性バランスと流動性の意地を助ける事です。
視床下部で最も重要なのは、ストレス反応全体の調整ですね。
視床下部は、まず情報を受け取ってから多くの領域の調整をします。
他にも内臓感覚や体性感覚も視床下部にインプットされます
この感覚のほとんどは、侵害受容器や痛覚受容器と関連しており
「脊髄視床下路」とも呼ばれてストレスとの関連が深いです。
なので、体制器官や内臓からくる侵害感覚も鬱や不安などを引き起こしやすくなります。
視床下部からの情報の受け取りとして
①大脳皮質から伝わる長期記憶
②海馬、側頭葉から短期記憶
③皮質から伝わる特殊感覚
④扁桃体から伝わる感情的記憶
⑤脊髄視床下路
上記から情報を視床下部が受け取り
①内分泌流の反応(セロトニンとエンドルフィン、コルチゾール)
②中枢神経系の反応(脳幹・青斑から自律神経のコントロール)
ここまでが視床下部の働きの流れになっています。
そのため、ストレスに対応するためには視床下部に対するアプローチが必須となります。
【ストレスとHPA軸(コルチゾール)について】
HPA軸は、視床下部ー下垂体ー副腎の軸のことです。
ストレス反応に密接に関与しています。
まず、体内や体外から危険を知らせる情報(ストレスなど)が入ると
視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン放出因子
が分泌されます。
ストレスが慢性的にかかり過ぎると上記のホルモン分泌を抑制できなくなってしまいます。
上記のホルモンは、下垂体に作用して副腎皮質刺激ホルモンの産生を促します。
このホルモンが血流にのって副腎へ到達すると
コルチゾールの分泌が始まります。
そのため、交感神経系を優位にさせて免疫系の活動を抑制させます。
高濃度のコルチゾールは、免疫不全を引き起こすので
極度のストレスやトラウマを抱えた人は
感染症などにかかりやすいのもHPA軸が関与しているからと言われています。
なので、コルチゾールの量を基準レベルにすることが重要となってきます。
他にもコルチゾールには重要な役割があり
血流にのって脳に入ったコルチゾールは海馬に到達します。
その後、海馬から視床下部にホルモン抑制するようにブレーキをかけるという
フォードバックループがあります。
しかし、高濃度のコルチゾールは海馬の受容器を疲弊させて抑制能力を弱らせてしまいます。
【ストレスと記憶の関係について】
ストレスには、記憶プロセスが関係しています。
記憶に関連しているのが
側頭葉、海馬、扁桃体、視床下部、前頭前野です。
例えば、扁桃体は潜在的な感情の記憶を司っています。
ここは、感情的な記憶を保存する場所です。
トラウマなど記憶に「意味」付けなどをしている場所でもあります。
【ソマトエモーショナルリリース(SER)について】
■ソマトエモーショナルリリースとは?
感情の影響が組織の記憶に結びついた状態で心身に残ってしまいます。
記憶が肉体と感情で結びつき心身に悪影響を及ぼしているので
この問題点である結びついた組織を緩める際に感情の解放を同時に行える現象の事をSERと呼んでいます。
■SERが起こりやすい部位
①胸骨
②前頸筋膜(鎖骨など含む)
③肋骨、胸椎
④内臓
⑤頭蓋骨
上記の5つは、起こりやすいエリアとされています。
身体のストレスの負担が溜まりやすい部位でもあります。
他にもクラニオセイクラル中に起こる現象でもあります。
(SERはクラニオでも意識する)
クラニオセイクラルのセッション中に自然に起こるヒーリングの状態でもあります。
無理のない状態で感情を解放できます。
クラニオセイクラルのセッションの中で、自然に起こるヒーリングの状態であり、無理のない状態で感情を解放することが可能です。
ぜひ、頭蓋仙骨療法できない人は学んでモノにしましょう。
【ストレスと血糖値】
人の体は環境的・精神的なストレスを感じると
コルチゾールを分泌して血糖値を上昇させることで
ストレスと戦う準備をします。
この時、脳の中では手っ取り早く血糖値を上げるために
自分の記憶の中から血糖値が上がる食べ物を要求します。
それが、「砂糖」です。
そういったストレスが
内臓疲労や自律神経系の不調
アドレナルファティーグ(副腎疲労症候群)
につながっていったりします。
(副腎の反応)
本来、副腎のストレス反応は
外敵から襲われて怪我をした時に
怪我を修復する、炎症を抑える為に
起きる反応です。
なので痛みや外傷で病院や整体院に来ている方は
ストレスを感じ、副腎が働いている
警告反応が出ている状態にあります。
このストレスだらけ状態が続くと起きるのが
「副腎疲労」です。
◆完全に副腎疲労になっていると以下の状態となります。
・朝がつらくて起きられない。
・睡眠時間は充分なのに疲れがとれない。
・倦怠感があり生活するだけでも疲れる。
・カフェインを摂らないと仕事ができない。
・慢性の便秘、あるいは下痢などおなかの調子が悪い。
・15~16時ごろにボンヤリするが、夜になるとなぜか元気になる。
・小さなことでもイライラし、キレてしまう・気持ちが落ち込む。
・うつっぽい気がする
・風邪にかかるとなかなか治らない
・思考力がうまく働かず、頭がぼーっとする。記憶があいまい。
・気力体力が衰えている。
・集中力も低下気味
・生理前に頭痛や下腹部の痛み、
というような症状が出てきます。
副腎を元気にするために最も必要なビタミンは
「ビタミンC」です。
ビタミンCは一日必要摂取量が200mg程度
しかしそれは病気にならないための量です。
副腎のストレスを減らすための量には個人差があります。
4時間以内に15分~30分おきに1000mgを繰り返し摂取すると
徐々に血中濃度が高まっていきます。
4時間無理やり飲み続けるのではなく、お腹が下ってきたら終了です。
人によって必要量は違いますが、副腎疲労が進んでいる人はなかなかお腹を下さないので
(必要量が増していると吸収できてしまう)量が必要になってきます。
セリエのストレス反応の実験でも
ビタミンCを摂取するとストレス負荷をかけても
副腎が腫大しなかったそうです。
【エンドルフィンとストレスの関係】
エンドルフィンは、脳内麻薬と呼ばれることもあります。
脳内麻薬は、モルヒネなどと似た効果を発揮しますが
モルヒネとは違い体内の脳内に自然と分泌されるのが脳内麻薬です。
代表的な脳内麻薬としては、エンドルフィンとドーパミンがありますね。
このエンドルフィンという言葉の由来は、「脳内モルヒネ」を略したものです。
分泌場所で言えば、視床下部弓状核のニューロンが分泌する。
下垂体前葉からの影響もある。
そして、驚くべきはストレスなどの侵害刺激により
産生されるのですが、鎮痛・鎮静の作用が
モルヒネの6、5倍の効果があるとされています。
鎮痛や鎮静に働くだけではなく、
精神的安定にも役立ち老化を防止し
思考力や記憶力などの学習能力の脳機能をあげる事もできます。
(エンドルフィンを出すためには)
①食欲に関与し好きなものを食べる
好きなものや美味しいものを食べるとエンドルフィンが出てきます。
ですが、油や糖質の取りすぎは内臓に負担をかけるので
あまりオススメしないですがね。
②運動
15分程度のジョギングなどは、
エンドルフィンの分泌を促進することが分かっています。
マラソンなどで現れる「ランナーズハイ」などは、
エンドルフィンによるものとも言われています。
③嬉しい事、楽しい事をイメージ、行動していく
その中でも食欲や睡眠欲、生存欲、性欲、
集団欲などが満足すると最も分泌されることが分かっています。
④目標を立ててイメージしたり、成長を実感してもらう
成長を実感した時や目標を立ててイメージした時も
エンドルフィンが分泌されます。
理想の自分に近づいた時ですね。
この時は、ドーパミンの分泌も多いとされています
【セロトニンの役割】
セロトニンは、体全体におよそ10mg存在し、そのうち腸などの消化器官に90%、血液中の血小板に8%、脳内に2%程度が分布します。
腸は、セロトニンその物が生産さる場所であり、小腸にあるクロム親和細胞とうい細胞でセロトニンは生成される。
(セロトニンの部位別役割)
・消化器官におけるセロトニンの役割:蠕動運動の促進
・血液中のセロトニンの役割:血液凝固・血管収縮、疼痛閾値の調節、脳血管の収縮活動の調節などに働く
・脳内のセロトニンの役割:神経伝達物質やホルモンとして、精神の安定や食欲、体内時計の調整に働く。
(セロトニンの作り方)
脳内のセロトニンは別名「幸せホルモン」と言われている
→精神の安定させることで幸せを感じやすくさせてくれる。
脳内のセロトニンは脳内で直接合成されます。
合成するには様々な材料が必要で、それらの材料は腸から血液脳関門を通過出来る形で供給されます。
セロトニンの前駆体は5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)という物質で、腸内でタンパク質から分解された必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されます。
脳内のセロトニンを増やすにはトリプトファン材料であるタンパク質(肉、魚、乳製品、豆類)をとるようにするとよい。
まだ合成を促進するビタミンB6(鶏肉、サツマイモ、カリフラワーなど)やビタミンCをとることが大切。
→ビタミンCはたんぱく質からトリプトファンを取りだすのに必要なビタミン
→ビタミンB6はトリプトファンからセロトニンの前駆体である5-HTPを合成する際に必要
セロトニンはストレスから体を守る役割と同時に、ストレスをコントロールすることで自律神経系を介して消化器をコントロールしている。
消化能力が低下することで腸内環境の悪化を招き、悪玉菌の増殖の原因を作る。
(セロトニンとメラトニンの関係)
・メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計を調整する働きがある
・暗くなると体内でメラトニンの量が増加し、睡眠を誘う作用がある
・メラトニンは、日中太陽の光を浴びて作られたセロトニンを材料にして分泌される
・メラトニンの分泌を調整するにはビタミンB12が有効(牛、レバー、さんま、卵、プロセスチーズなど)
(セロトニンを出すために)
①朝太陽の光を浴びることでセロトニンの分泌を促す。(9時前までに太陽の光を浴びると有効)
②たんぱく質、ビタミンC、ビタミンB6を摂取することで脳内セロトニンの生産を促す。
③日中太陽の光を浴びて活動することでセロトニンを生産し、夜睡眠を促すメラトニンの材料を増やすことで夜間の睡眠の質を上げる。
①~③を実行することで体内時計を正常に働かせ、自律神経・メンタルのコントロールと体質を改善するきっかけにする。
【朝起きてすぐの不調・不眠からのストレスについて】
・夜間から明け方の血圧上昇に伴う腎臓への負担の増加→腰痛
・夜間の自律神経異常(スマホの光やカフェイン、コンビニなどの強い証明)→交感神経の働きが夜間落ちず、不眠で脊柱の可動性低下。
・夜の暴飲・暴食による内臓疲労・夜間の脱水→起床時の痛みや倦怠感、関節の強張り
・昼間の日光不足により、夜間にメラトニンの生成ができず睡眠への切り替えができず、自律神経も、内分泌系も整わない。
【ストレスと迷走神経の関連】
最近注目されているトピックスとしては
「脳腸相関」といって迷走神経を介して
脳から腸だけではなく、腸から脳に影響を
及ぼしていることが徐々に分かり始めている。
迷走神経が支配する小腸と肝臓には
解毒に関するフィードバック機構があり、
肝臓の解毒システムが働かないと
神経伝達物質の代謝もうまくいかなくなり、
神経系に影響を与えることも分かってきています。
それだけ迷走神経が及ぼす影響は多岐に渡ります。
頸部や胸骨の動きが硬い人は、迷走神経の機能が落ちにくい印象です。
【マグネシウムとストレスについて】
マグネシウムは、カルシウムとバランスをとりながら体の機能を陰から支えるミネラルです。
エネルギー代謝を始め、300以上の酵素系に関与していると言われています。
マグネシウムは、骨に50〜60パーセント 脳や神経に40パーセント存在します‼︎
筋肉の収縮を助けたり、精神を正常に維持するためのミネラルでもあります。
【ストレスに対するアプローチ一覧】
①副腎アプローチ(血糖値ホルモン・抗ストレスホルモン)
②膵臓アプローチ(感情の臓器・血糖値調整)
③心臓・肺アプローチ(第4チャクラ)
④肝臓・腎臓・胃・脾臓アプローチ(消化・解毒システムのアップ・怒り・免疫)
⑤下垂体・蝶形骨
⑥視床下部
⑦小腸・大腸・腸間膜
⑧大脳皮質〜大脳辺縁系〜脳幹
⑨SER(体性感情組織)の部分(胸骨・前頚筋膜・肋骨・胸椎・頭蓋骨)
⑩松果体
以上がストレスに対応する内容となってます。
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最後までお読み頂き有難うございました。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也