筋膜リリース

緊張性頭痛に対するアプローチポイント・思考方法

おはようございます。

All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日も当協会のメルマガをご覧いただきありがとうございます。

今日は

理学療法士、作業療法士、柔道整復師の方々へ向けて

頭痛と本気で戦うシリーズ【アプローチ編】について

お伝えしたいと思います。

【緊張性頭痛】

◆アプローチポイント

・筋骨格系

・頭蓋仙骨リズムの調整

・バックラインの筋・筋膜調整

→特に後頭下筋群と仙骨レベルで多裂筋、大殿筋の筋連結部分

筋硬結があると頭蓋仙骨リズムを阻害しやすいため注意が必要。

・ポイント1:ディープフロントラインとバックラインの分離

ハムストリングスの短縮があるケースでは、

骨盤は後傾アライメントを取りやすく

胸椎の屈曲に対して頭部の前方変位

頸椎前湾を増強しやすく、

後頭下筋に対して緊張状態を作りやすい。

特にデスクワーカーでハムストリングスの伸長性が低い場合は、仙骨座りを取りやすい。

ディープフロントラインである内転筋・大腰筋は

バックラインである内側ハムストリングスの影響を受けやすい。

→大内転筋は内側ハムストリングスと癒着を起こしやすいためチェックが必要。

→大腰筋はハムストリングス近位部と協調関係にあるため大腰筋の固さはハムストリングスの伸長性低下につながり、反対に、ハムストリングスの伸長性の低下は大腰筋の機能低下につながりやすい。

結果、仙骨座りを作りやすい。

このハムストリングスの不調を起こすという部分に着目すると、ディープフロントラインに含まれる膝窩筋にポイントがあります。

膝窩筋は下腿で後脛骨筋と連結し、膝関節包を介して内転筋に連結していきます。

下腿の回旋に関与するという意味ではハムストリングスとの協調関係もありますが、内転筋との緊張関係もディープフロントラインの可動性に影響しやすくなります。

膝窩筋は忘れられやすく(私の感覚かもしれませんが)、下肢のディープフロントラインに影響しやすい部分なので、

歩容や膝の症状と一緒に緊張性頭痛が改善しない方も多いので下腿後面・膝関節後面の緊張や痛みを緊張性頭痛と一緒に持っている方はチェックが必要となりますので覚えておいてください。

ポイント2:DFLと頭部筋

頭痛を訴える部位は様々ですが、

主に後頭部痛・前頭部痛・側頭部痛がありますが、

後頭部痛・前頭部痛にはバックラインの調整、側頭部痛にはディープフロントラインとラテラルラインの調整が必要となります。

中でも咬筋・内側翼突筋・側頭筋・顎二腹筋が、ディープフロントラインというのは注目ポイントです。

緊張性頭痛だけでなく、片頭痛も併発する方にはこの側頭筋や咬筋・内側翼突筋が三叉神経に影響を与えやすいため体幹・頚部・頭部のアライメントを整えることが重要となります。

先ほども、バックラインとディープフロントラインの癒着による姿勢変化の話をさせていただきましたが、

頭部や顎関節・舌骨のアライメント異常は上行性運動連鎖の結果であることが多いため頭部だけの修正にならないよう全身的な評価が必要となります。

あえて頭部で必要性を上げるのであれば、側頭骨に付着している筋の筋硬結を丁寧にアプローチしてみましょう、

緊張性頭痛でも片頭痛でも側頭骨内側に三叉神経節がある関係もあり、

側頭部痛を発症しやすい方には効果を出しやすいです。

ポイント3:経絡ライン

腎経:ディープフロントラインの柔軟性だけでなく、

胸肋関節・胸鎖関節の柔軟性に関わり、心臓・リンパ系の循環に関わる。

膀胱経:バックラインの柔軟性だけでなく、

肋椎関節の柔軟性に関わり、交感神経節の循環・柔軟性に関与

胃経:フロントラインの柔軟性に関与し、

頚部前面筋の柔軟性、顎関節・上顎骨のアライメントに関与。

後頭下筋群の短縮に対して前方で

アライメントを崩しやすいためチェックが必要。

④内臓アプローチ

肝臓:肝臓は腹腔内で主に右に位置し、その容積から循環不全によって重量を増し、

体幹を右側屈・胸椎右回旋させ頭部・肩甲帯のアライメントへ影響する。

心臓:心臓はディープフロントラインを介して蝶形骨・後頭骨への影響が強い。

左の頚部・肩甲帯のアライメント・筋緊張にも影響する。

【緊張型頭痛まとめ】

緊張型頭痛に関しては姿勢、筋骨格系・内臓系の影響が強くなると症状が出現しやすくなります。

姿勢に関してはメンタル面の影響も受けやすいため

メンタル面に対して経絡調整や内臓調整も必要となってきます。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

今日も一日良い時間をお過ごしください。

鈴木 正道

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