いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、本当にありがとうございます!
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です!
今回は、
【経絡治療】内転筋の過緊張を一気に緩和させる経絡アプローチとは?
というテーマでお話していきます。
臨床上、けっこうこの内転筋が過緊張になることで、
「股関節の可動性、柔軟性の低下」を引き起こしているケースが多いです。
また、内転筋の拮抗筋である、中殿筋や大殿筋上部繊維などの収縮が入りづらくなり、
殿筋の機能不全を引き起こしてしまい、立ち上がり・立位・歩行などでのバランス能力の低下につながってしまう・・・といったケースも多々あります。
あとは、内転筋の近くには、太い血管やリンパなどが通っているために、
内転筋の過緊張によって、血流やリンパの流れが悪くなり「循環不全」が引き起こされます。
それによって、「冷え性」や「浮腫」などに繋がったり、
または、「夜間のこむらがえり」などを引き起こすことに繋がるケースもあります。
以上に挙げたように、内転筋の過緊張によって身体に及ぼす影響は多岐にわたっており、
内転筋の緊張を抑えることはかなり臨床上重要だと言えます。
その内転筋に対して、
「経絡」という視点からアプローチすることで、アッと驚くスピードで、
緊張の緩和を図ることが出来ます。
では実際にどういった経絡にアプローチしたらよいのか?
それは、「脾経」になります。
脾経の井穴(せいけつ)は、「足の母趾の内側の爪のきわ」の部分になります。
そこから、下肢の内側を通って腹部の深部を通っていく経絡になります。
筋膜で言うと、「ディープ・フロント・ライン(DFL)」に類似した位置を流れています。
※1 井穴とは、経絡の期の流れの出入り口の部分のこと。
特に、内転筋の過緊張に関与が深い、経絡上のツボ(経穴)が、2つあります。
それは、
「三陰交(さんいんこう)」と、「血海(けっかい)」という経穴になります。
では、触診部位・触診の仕方についてお伝えします。
<触診方法>
① 三陰交(さんいんこう)
足の内くるぶし(脛骨の内果)から、
脛骨と腓腹筋の間のところ沿いに4横指上方に位置した部分です。
ここは、解剖学的に言うと、
「後脛骨筋」、「長母趾屈筋」、「長趾屈筋」
の3つの筋肉の繊維が重なっている部分でもあります。
経絡では「脾経」、「肝経」、「腎経」
が3つの経絡が通っている部分でもあります。この部位へアプローチすることで、一気に内転筋の緊張緩和を図ることが出来ます。
② 血海(けっかい)
大腿骨内側上顆から大腿骨内側の鼠径部方向に2~4横指程度のところで、ゴリっとした部分です。
ここは、解剖学的に言うと、
「内側広筋」、「長内転筋」
の2つの筋肉の繊維が重なっている部位になります。
この部位へのアプローチによって、劇的に内転筋の過緊張緩和に繋がっていきます。
※触診部位に関しては動画で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
では具体的にどのようにアプローチしていけばよいのか?
経絡アプローチの方法を3つお伝えします。
<経絡アプローチ3つの方法>
① 経穴マッサージ
上記で示した触診部位を参考に、
しっかりと硬結部位を捉えていただき、
緩めていくようにマッサージしていきます。
② 経絡リリース
経穴または井穴をしっかりと押さえていただき、
経絡の流れをイメージしていただき、
下肢から全身に波及するように揺らしていき、振動刺激を与えていきます。
③ エネルギー調整
エネルギー療法が出来る方は、
経絡上のエネルギーが滞っている部分を感じ取り、
エネルギーを利用して流したり、流れを整えていくことを目的に、
経絡上にエネルギーを流していきます。
基本的には、①の方法だけでもしっかりと硬結を捉えていくことで効果は出ますので試してみてください。
<まとめ>
今回は、「内転筋の緊張緩和」
に有効な「経絡アプローチ」をご紹介しました。
アプローチすべき経絡は、「脾経」であり
特に「三陰交(さんいんこう)」・「血海(けっかい)」
という経穴にアプローチすることで、大きな治療効果を出すことができます。
経穴をしっかりと触診できれば、マッサージだけでも十分治療効果を出すことが出来ます。
大腿骨頸部骨折や変形性股関節症の方など、けっこうこの内転筋が過緊張になっていることが多いので、そういった方には有効なアプローチになりますので、
是非明日からの臨床で活用していただけたらと思います。
本日は以上になります。
最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました!
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也