血管アプローチ

血管が増えるのに血流が低下する理由!?(慢性腰痛・アキレス腱炎など)

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は、

「血管が増えるのに血流が低下するってどうして!?(慢性腰痛・アキレス腱炎など)」

についてお伝えさせていただきます。

今回は、長引く痛みの原因、もやもや血管が痛みも引き起こす原因

について説明の続きをお伝えいたします。


前回の内容としては、

【もやもや血管がなぜ痛みの原因になるのか?】を解説しました。

3つのポイントとして、

1.もやもや血管は漏れやすい

もやもや血管は炎症によって増殖した病的血管で、血管の構造が漏れやすい構造になっています。

その理由は漏れることで炎症細胞である白血球を炎症部位に運ぶため。

この炎症細胞は痛み物質を放出するため炎症部位には痛みが生じています。

2.血管とともに増える疼痛神経細胞

人の毛管は発生の過程で、血管の周りに神経も増殖していきます。

このことは多くの論文でも報告されているようで、疼痛部位に異常神経が増殖しているか調べたら

異常血管が先に出来て、あとから異常神経が増殖していたようです。

このもやもや血管と一緒に増殖する異常神経は「裸の神経細胞=ミエリンがない神経」

であることが知られています。

長引く痛みは「ジンジン」「ズキズキ」「チクチク」「重い」などと表現されることが多く

裸の神経線維から信号がおくられることで起きる痛みの感じ方です。

そして今回は3つめの重要なポイントとして

酸素の盗み取られ状態→血管はあるのに酸素が行きわたらない状態

について説明します。


(欠陥があるのに酸素が行かない理由)

長引くアキレス腱炎で、もやもや血管ができているケースでは、

アキレス腱にもやもや血管ができています。

こういった方のアキレス腱周囲の成分を

調べていくと、低酸素状態の時に作られる乳酸という物質の濃度が高いそうです。

血管があるのに低酸素状態・・・。

こうなってしまう原因には、もやもや血管がぐちゃぐちゃしていて

秩序がないため、栄養や酸素を届けるパイプとしての役目を果たしていないために起きています。

もやもや血管が長く居座る原因が、このこととつながってきます。

この病的血管が増えている状態は、

正常な血流に対して、意味もなく側副路ができてしまうことで、

本来であれば、末梢毛細血管に栄養を届ける血管の役割が、

途中で血管が増えて動脈から静脈へ血液を流してしまい、

本来末梢に届けるはずの栄養が届くことなく静脈に流れてしまうといったことが起きてしまいます。



そうなると動脈血は、本来の役目を果たすことなく

静脈に流れてしまい、末梢の毛細血管は低酸素状態、ということが起きてしまいます。

このように動脈から静脈に直接流れ込むような血管を「動静脈短絡」といいます。

このように酸素を奪われた末梢組織は、血管が少ないと勘違いして、

新しい血管を作るように指令を出す「VEGF」という物質を作り出します。

VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が作り出す新しい血管も、もやもや血管なので

悪循環が続き、長い期間に渡って痛みが残存するケースが多くなるようです。



特に炎症によって急増される血管はもやもや血管になりやすいようです。

このようにしてもやもや血管が増殖していくと

酸素不足から発生する乳酸による慢性的な痛みが引き起こされやすくなるので、

もやもや血管は慢性疼痛の原因となりやすくなっています。


【なぜ血管新生するともやもや血管になるのか?】

もやもや血管は、40代を過ぎると増加してくる傾向にあります。

その理由には、もやもや血管を作らないようにする

システムが本来は体に備わっていて軟骨や靭帯、腱に

余計な血管を作らないようにコントロールしています。

その防御システムが40代を過ぎるあたりから

低下してくる傾向にあるため四十肩や中高年の腰痛・膝痛が増えてくるということです。

この血管シリーズでも、様々な理由で末梢毛細血管の血流が低下し、

細胞が機能を落とす流れをお伝えしてきましたが、

・毛細血管が活性酸素で壊れて消失する

・赤血球の質が低下して毛細血管を流れない

に加えて、

・もやもや血管が末梢の栄養を盗み取る

という新しい血管機能を低下させる原因が追加されてきます。

次回のメルマガでは

「もやもや血管を作り出しやすい生活習慣や特徴について」

説明させていただきます。

最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、誠にありがとうございました!

鈴木正道

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