皆さん こんにちはALLアプローチ協会 ブル と申します。
本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など
新人セラピストの先生方に向けて
「肩運動時の肘周囲の痛み、鈍痛、しびれ 筋皮神経×烏口腕筋」
というテーマでお伝えしたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
肩挙上時や結滞動作で
肘関節周囲の痛みや鈍痛を訴える患者さんっていらっしゃいませんか??
もしかしたら筋皮神経が絞扼されることで生じる症状かもしれません。
症状周囲の圧痛所見を確認して原因が見つからないときは、
筋皮神経の圧迫絞扼による症状を疑う必要があるかもしれません。
そこで、
今回は筋皮神経絞扼障害による症状や、
絞扼ポイント、アプローチについてお伝えしたいと思います。
新人セラピストの方は必見の内容となっていますよ♪
復習としてもご活用頂ければ幸いです(^^)
【筋皮神経の基礎知識】
〇支配筋:烏口腕筋 上腕二頭筋 上腕筋
〇知覚:前腕外側(橈側)の感覚を支配
〇走行: C5C6頸神経により構成されています。
腕神経叢となり、鎖骨の下を通過した後で烏口腕筋を貫通しています。
ちなみにここが絞扼ポイントです!!
その後、上腕筋と上腕二頭筋の筋間を走行し、
この2つの筋を支配しています。
上腕二頭筋腱橈側のあたりで外側前腕皮神経となり、
前腕の外側(橈側)の皮膚感覚を支配しています。
〇絞扼ポイント:烏口腕筋の筋腹を貫通する場所
―神経障害を考える上で抑えておきたい考え方―
神経障害を考える際には頸椎疾患との関連を考慮しながら
評価をすすめていく必要があります。
これはどういう事かと言いますと
筋皮神経は主にC5C6由来でしたね。
仮に根本から障害を受けてしまうと、
C5C6から枝分かれしている各末梢神経への伝導が止まるため、
広範囲に筋力低下や感覚障害を伴うことが考えられます。
一方、より遠位で各末梢神経単体で圧迫・絞扼が生じると
その神経の支配筋や感覚領域のみにトラブルが生じるという事になります。
今回のブログでは筋皮神経単体で絞扼圧迫された場合について、
そしてその好発部位と言われる烏口腕筋についてみていきますよ♪
神経が解剖学的に絞扼されやすい部位でトラブルが生じている場合は
その部位がどのような構造になっているのかを知ると、
評価やアプローチが腑に落ちてきます。
では後発部位である烏口腕筋の基礎知識をみていきたいと思います。
【烏口腕筋の基礎知識】
〇起始:烏口突起
〇停止:上腕骨骨幹部中央内側
〇神経支配:筋皮神経(C5C6)
〇作用:肩関節屈曲 内転 水平内転
肩関節下垂位では屈曲に作用し、肩関節外転90°では内転に作用します。
肩関節最終屈曲位では伸展方向へ作用します。
どのような状況で烏口腕筋は筋皮神経を絞扼するのか、
という疑問が出てきますよね。
烏口腕筋の作用は
肩屈曲、内転、水平内転というのは先ほどもお伝えしました。
反対に
烏口腕筋が引き伸ばされるのは、上肢を外転、外旋、伸展位ですよね。
つまりこの肢位で烏口腕筋と筋皮神経がストレッチされたときに
筋皮神経障害が生じることがあります。
また 烏口腕筋の収縮時に肘を強制的に伸展させられたときや、
他にも、烏口腕筋の収縮時に頭部を反対側へと倒すことで
筋皮神経にけん引力が加わりストレスがかかったりもします。
つまり、
烏口腕筋の硬さによる原因と、
烏口腕筋の硬さ+頸部や上肢の動きによる牽引で
症状が引き起こされることが多いです。
これらの事からも
烏口腕筋の伸張性や癒着を改善することは
解決策の1つになりそうですね♪