内臓調整

内臓・経絡・経穴と大腰筋の調整について

おはようございます。

All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日も当協会のメルマガをご覧いただきありがとうございます。

今回は理学療法士、作業療法士、柔道整復師の方々へ向けて

経穴と大腰筋の調整

についてお伝えしたいと思います。

普段経絡や経穴の観点を臨床で使われない方には

なじみの無い内容になるかもしれませんが、

理学療法士の私が、なぜその経穴で大腰筋の調整ができるか

解剖学・運動学的に説明して、

東洋医学としてではなく、西洋医学としてご活用いただいても

大丈夫です。

なぜ大腰筋の調整を直接大腰筋を触ってしないのか?

理由は簡単です。

いままで多くのセミナー団体で大腰筋の調整や触診を

腹部全面から臓器を介して触診する方法が多くありましたが、

直接大腰筋を深部で触りに来られると

「痛いんです」

大腸や小腸が硬いとそれはそれは苦痛です。

できることなら確認ぐらいにしてほしい

ぐりぐりしないでほしい

とみなさん思ったことはありませんか?

軽いタッチで深部の大腰筋の緊張がわかる人もいるので

その程度にしておくのが賢明です。

直接解剖実習をして来た人からすると

腹部前面から大腰筋を触るのは無理なんじゃないか?

と思うような感じらしいです。

無理とかどうとか置いといて、危なくない?と思ってしまうそうです。

普段我々が触る筋や、臓器はもっと愛護的に触るべきものなのです。

なので、

いままでのメルマガの中でご紹介してきた内容では、

大腰筋の調整をするポイントとしてDFLを使った調整調整ポイントとして

・後脛骨筋

・頚長筋

・横隔膜

・頭蓋骨を使った調整

・後頭骨

・蝶形骨

内臓を使った調整

腎臓

・心臓

・肝臓

経絡を使った調整

・腎経

を紹介してきました。

そうです直接大腰筋をぐりぐりしないで済む方法を

いろいろお伝えしていたんです。

今回は、経穴です。

経絡の中でも経穴、特に大腰筋の調整に使いやすいポイントを

解剖の知識を整理しながらお伝えしたいと思います。

納得すると、

そうか、経穴って理にかなったとこに

それらしい名前がついているということがわかります。

◆ポイント1

然谷・交信・復溜

この三つのツボの位置は動画で詳しく解説します。

なぜこの三つの経穴が大切かと言うと、

解剖学的に、

後脛骨筋・長趾屈筋・長母指屈筋の筋腱が交差するポイントだからです。

筋肉のクロスするポイントは、体の中に多くありますが、

こういった筋がクロスするポイントは、筋腱の滑走性が悪くなりやすく、

固さが出ると同時に多くの筋の能力を低下させてしまいます。

そして、運動学的に

この後脛骨筋・長母指屈筋・長趾屈筋が遠心性に

しっかり伸長できることは歩行の中でも重要で、

距骨が内転と後方に移動することができて、

足部が背屈外反できることで立脚後期における

大腰筋の伸長にも運動連鎖・筋連鎖として深く関わってきます。

筋連結とうい観点でも、運動連鎖という観点でも

この三つの経穴は大腰筋への影響が大きくなります。

実際このポイントを圧迫したり、腱の位置を整えることで

大腰筋が緩む感触を得ることができるので

是非試してみてください。

◆ポイント2

腎兪

腎兪の場所の説明は動画でお伝えしています。

腎兪とは、膀胱の経絡の中にある背部兪穴の一つで、腎の調整や腰痛に効果がある。

経穴としてはそうですが、解剖学・運動学的にも大腰筋と関係性が深いんです。

実際この腎兪を押しながら大腰筋の緊張を評価したり、

押した後の大腰筋の強さなどを評価すると

結構な割合で改善が得られます。

病院で働くセラピストで、今まで経穴について

あまり知らなかった人は

不思議なエネルギーが良くしてくれてると思ってしまうかもしれません。

私もそうでした。

しかし、実際はきちんと解剖学的理由もついてきます。

解説させていただくと

そもそも大腰筋と多裂筋は

どちらも腰椎の伸展・前湾に関与し、

どちらも側屈・回旋作用を有しています。

大腰筋の回旋作用は、一側収縮・一側伸長

骨盤が回旋する作用です。

起始・停止をみてみると

大腰筋:

・大腰筋(浅層)

起始 第12胸椎から第1-4腰椎の椎体および椎間板の側面

・大腰筋(深層)

起始 第1-5腰椎の肋骨突起

停止:小転子

支配神経:大腿神経・要神経叢の枝(T12-T4)

多裂筋:

『棘突起-腸骨・仙骨』を結ぶ繊維 (ロング繊維)

『棘突起-椎間関節・乳様突起』を結ぶ繊維(ショート繊維)

支配神経:脊髄神経後枝内側枝

そして横断面で見てみると膜と椎骨を挟んでお隣同士。

作用も共同するものが多く、時には拮抗したり、位置関係もかなり密接。

むしろこの多裂筋を押して、ほぐして、圧迫して

大腰筋に影響が出ない訳ないと

思わされてしまうような作用と構造です。

なので、深部多裂筋の滑走性を改善させることで椎体の動きを

引き出すことができれば当然椎体の前面に張り付いている大腰筋の動きも

改善してきますので是非試してみてください。

ちなみに腎経と膀胱経は陰陽でいう裏と表、どちらも性質は水

こうして解剖・運動とからめてみると東洋医学って

ずいぶん歴史が長いけど

よく考えて作られていることに驚愕します。

有名な経穴からまずはトライしてみてください。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

AlLアプローチ協会   鈴木 正道

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