毎日、ALLアプローチ協会のメルマガを見て頂き有難うございます。
代表の山口拓也です。
本日は、「睡眠障害から解放されるオレキシン神経に対するアプローチ」というテーマで解説していきます。
皆さんは、オレキシン神経って知っていますか?
この神経系のシステムを改善することで、ナルコレプシー(過眠症)やうつ病に対しても効果があると言われているからこそ、ぜひ皆さんにアプローチしてもらいたいと思います。
【オレキシン神経って何?】
オレキシンは、睡眠と覚醒のスイッチング機能を担う脳内の神経伝達物質です。
産出場所は、視床下部外側野にある神経細胞で産出されます。
食欲や報酬系、睡眠に関連が非常に深い物質です。
実際に、オレキシンを産生する遺伝子を欠損させたマウスを観察したところ、突然眠り込んでしまう「睡眠発作」が起こるほど、睡眠との関連が非常に深いです。
【オレキシンのメカニズム】
オレキシンは覚醒時には覚醒のスイッチを押して覚醒系を活性化します。
同時に睡眠中枢を抑制する作用を持っています。
一方、睡眠時には睡眠中枢の産生神経が活性化し、オレキシンと覚醒中枢の働きは抑制します。
この働きに注目して創られた睡眠薬がオレキシン受容体拮抗薬です。
【睡眠障害であるナルコレプシーにも関連が深い】
睡眠障害の一種にナルコレプシー(過眠症)というものがあります。
夜はちゃんと寝ているのに、日中に突然の耐え難い睡魔に襲われてしまう症状です。
人と会話をしている最中などにも眠りに落ちてしまうようです。
1回の睡眠時間は5分~30分と短時間のようですが、重要な会議や試験中にも起こる事があるので、とっても厄介です。
睡魔と共に筋肉が弛緩して脱力発作を起こす事が多く、軽い脱力感を感じる程度の人から、その場に崩れ落ちてしまう程、全身に力が入らなくなってしまう人まで、症状の出方は様々です。
そしてナルコレプシーの人は金縛りにあったり、寝入りばなに悪夢を見る入眠時幻覚(金縛りと悪夢は同時に体験する事も多いようです)の症状も現れます。
ナルコレプシーの原因は解明されていませんが、特定の遺伝子による問題とストレスではないかと考えられています。
実際に統計でもナルコレプシーの症状がある人の多くに、脳脊髄液中のたんぱく質の一種であるオレキシンAの濃度が低い事が多いようです。
その為、オレキシン神経の働きが障害されてナルコレプシーが起きるのではないかとも考えられています。
【オレキシンは痛みの関連もある】
オレキシン神経は、痛みの関連がある事が研究で分かっています。
実際の研究では、以下のことが分かっています。
①オレキシン神経を選択的に欠損させた遺伝子改変マウスでは痛みを感じやすくなること
②オレキシン神経を選択的に活性化させると痛みを感じにくくなること
③痛みを感じる過程でオレキシン神経の活動が大きく上昇すること
上記3つが研究として分かりました。
【オレキシン神経へのアプローチ】
オレキシンは、視床下部から産出し脳と脊髄のほとんどの領域に軸索を投射しています。
※海馬,扁桃体, 前頭葉の皮質,視床,視床下部(前部),脳幹 の青斑核など
だからこそ、痛みの鎮痛作用や睡眠、覚醒、摂食障害、肥満などに関連が深いからこそ、アプローチが重要になってきます。
視床下部への直接的なエネルギー療法や頭蓋仙骨療法における脳脊髄液調整が重要となってきます。
もしエネルギー療法でアプローチする際は、オレキシン神経系をイメージして施術するとより効果的かと思います。
本日の記事は以上となります。
最後までお読み頂き有難うございました。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也