皆さん こんにちはALLアプローチ協会の 触診大好きセラピスト ブル と申します。
本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など
新人セラピストの皆さんに向けて
「大腰筋の機能解剖学と触診方法」
というテーマについてお伝えしたいと思います。
大腰筋みんな大好きですよね♪私も大好きです。
それもそのはずで、
姿勢・歩行・痛み(腰痛・脊柱管狭窄症・すべり症・股関節痛や膝痛など)・自律神経系との
関係など様々な機能や症状の原因にもなるとても重要な筋です。
そんな大腰筋の機能解剖と触診についてまとめてみましたので報告させて頂きます。
まずは基礎知識からです。
【基礎知識】
起始:T12~L5の椎体ならびに関節円板
すべての腰椎の肋骨突起
停止:大腿骨の小転子
神経支配:脊髄神経L1~L4からの枝(腰神経叢)
アナトミートレイン:ディープフロントライン
作用:股関節屈曲 外旋
大腿骨を固定する場合腰椎伸展または屈曲(腰椎のアライメントによって変化する)
体幹側屈・回旋(右大腰筋であれば、右側屈左回旋)
【大腰筋の走行】
大腰筋の走行を確認してみると、
すべての腰椎の椎体、椎間板、肋骨突起に起始しています。
停止部付近で腸骨筋と互いに繊維を交差させ、小転子に付着しています。
大腰筋は体幹と下肢をつなぐ唯一の筋とも言われており、とても長い筋です。
筋はその特性として、筋の収縮の距離が長いほど筋出力は弱くなるといわれています。
そこで恥骨部を見てほしいのですが、
筋の走行が恥骨部でキュッと曲がっているのが伺えます。
これは、滑車の機能を使っていると言われています。
小さい力で大きな力を得ることができる滑車機能。
長い筋である大腰筋にはもってこいの構造ですね。
このような走行をしているので恥骨部分はとても硬結ができやすく
腰痛や膝痛などにも関わる重要な部分ともいえますのでしっかり見ていく必要があります。
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【周辺組織との関係】
周辺組織を見てみると、腰神経叢が大腰筋の筋腹の間を通っています。
腰神経叢をつくる主要な神経を紹介させて頂きますと
大腿神経・外側大腿皮神経・陰部大腿神経です。
これらの神経は腹部、大腿部および殿部の筋肉組織と皮膚を支配しています。
硬結による滑走不全が生じるとこれらの神経に影響を及ぼして、
痺れや痛みなどの症状を引き起こすことも考えられますね。
大腰筋はその部位によって内臓との繋がりもあります。
大腰筋の上部は肝臓、中部は前面に腎臓が位置しています。
下部は前面に腸が位置しています。
大腰筋を触診するにはこのような内臓を介して触診することになりますので
位置関係をしっかりイメージできるようにしておきたいですね。
では次に大腰筋の働きについてみていきましょう。
【大腰筋はどのような働きをするのか?】
大腰筋の作用は股関節を屈曲 外旋させます。
大腿骨を固定している場合(CKC)の作用としては
一般的には「腰椎を伸展させる=前弯を増強させる」と言われていることが多い気がします。
しかし、大腿骨を固定している場合の作用は、
腰椎のアライメントによって作用が変わってくると考えています。
もちろん腰椎がある程度前弯している場合は伸展に作用することも考えられます。
一方で、先天的・後天的に腰椎前弯(伸展)が乏しい場合は
屈曲方向に作用する可能性もあると考えています。
(大腰筋の作用線のベクトルと腰椎の回転中心軸の位置関係によって変わってくる)
その他の作用としては片側の大腰筋が収縮すると体幹を側屈回旋
(右側の大腰筋であれば右側屈左回旋)させる作用があります。
このように様々な働きのある大腰筋なので、きちんと触診していきたいですよね。
次に触診の方法についてお伝えします。
【触診方法】
被検者:背臥位。腹部の緊張をとるために膝を立てます。
ランドマークは、「胸骨体の下縁」「鼠経靭帯」です
検査者は触診する側に位置します。
次に手順をお伝えします。
- 補助線①を想定します。 補助線①は大腰筋の走行の指標となります。 「胸骨体の下縁」と「鼠経靭帯の中央部」を結ぶ線が補助線①です。
- 補助線①のやや外側部分(腹直筋のすぐ外側)から4指(示指~小指)で 床方向に圧迫します。 床方向へ圧迫したら今度は脊柱の方に向かって圧迫をして大腰筋を触察していきます。
※大腰筋は椎体の横(体幹の前後長の真ん中あたり)に位置していますので、圧迫の深さが重要になります。
※腸や腎臓などを介して触診していますので、力任せに圧迫することはリスクが高いです。
相手の呼吸に合わせて少しづつ深くしていくとうまくいきますよ♪
いかがでしたでしょうか?うまく触る事ができましたか?
家族や友達、同僚の方々と練習してみてくださいね。
大腰筋の恥骨部については次回腸骨筋をテーマにする予定ですので、そこで少し触れたいと思います。
本日は大腰筋の機能解剖と触診方法についてお伝えさせて頂きました。
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本日は以上になります。
ブログを最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
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