内臓調整

【腸活のリスク】小腸内細菌増殖症(SIBO)について〜短鎖脂肪酸の落とし穴〜

おはようございます。

いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、

誠にありがとうございます。

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は、

「腸内細菌ブームの落とし穴!? 小腸内細菌増殖症(SIBO)」

についてお伝えさせていただきます。

今回は

・SIBOのタイプの説明

・短鎖脂肪酸の落とし穴

・短鎖脂肪酸とインクレチンが逆流性食道炎にもたらす影響

についてお伝えします。



【SIBOのタイプ】

①下痢型のSIBO

②便秘型のSIBO

それぞれ、少し病気が起こるメカニズムと症状に違いがあります。

(下痢型SIBO)

特徴としては、過剰な腸内細菌が炭水化物を発酵させ小腸の中で過剰な水素を発生させます。

小腸は水素に敏感なため、水素ガスによってお腹がパンパンに張り、下痢の症状を引き起こします。

そしてこの水素ガスとともに生まれるものが、過剰な単鎖脂肪酸です。

短鎖脂肪酸とは、(酪酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸)のことで

少量であれば肥満を抑え、動脈硬化を抑え、血糖値を安定させる。

良い効果があり注目されている成分です。

しかし、SIBOや過敏性腸症候群の患者さんにおいては注意が必要です。

短鎖脂肪酸によって小腸の粘膜から分泌すされるインクレチンというホルモンは

腸の粘膜にある血管から吸収され血液の流れにのって膵臓に働きかけ、

インスリンの感受性を高めてくれる働きもしますが、

短鎖脂肪酸の過剰分泌によるインクレチンの増加は、胃や大腸の動きを悪くする為、下痢や腹痛を悪化させてしまいます。

胃腸の動きが悪くなると食べ物の消化管通過時間が延長し、

食べ物と腸内細菌の接触する時間が延長するため、

腸内細菌はさらに食べ物を発酵させ水素ガスや過剰な短鎖脂肪酸を作り出しお腹の調子をさらに崩すという悪循環になります。

加えて、インクレチンは食道括約筋を緩める作用があるためインクレチンが増えると逆流性食道炎が増えることが報告されているそうです。

以前逆流性食道炎を悪化させる要因についてメルマガを書かせて頂きましたが、

喘息の薬にも食道括約筋の働きを阻害する問題があるので注意が必要です。

健康に良いとブームになっている短鎖脂肪酸ですが、人によって逆効果になりやすいことがありますので、注意が必要です。

もともと腸に不調のない健康な人も「腸活」と称して、水溶性食物繊維や発酵食品をとりすぎて健康を害する基になります。

なんでも推奨摂取量や普段の健康状態をキチンと問診してから対処することが重要となります。

続いて、「便秘型SIBO」について下痢型SIBOでは水素ガスが

小腸で発生することが特徴的でしたが、便秘型SIBでは、小腸の中でメタンガスが発生しやすいことです。

メタンガスは小腸の中にいる古細菌と呼ばれる、細菌やウイルスなどとは別の生態系の生物が腸内の水素を消費することで発生させます。

水素4分子でメタン1分子を発生させることができるので、

腸内の水素を減らすには、古細菌は一役かっているわけですが、メタンはメタンで悪影響があります。

メタンガスは腸の働きを抑制し、腸内の物質を通過させる能力を低下させます。


そのため便秘になりやすくお腹の張りも発生しやすいのです。


通常人の腸の中には200mlのガスが溜まっていますが、便秘や下痢の人では50ℓものガスがたまっているそうです。

また、抗生物質を使った治療でメタンガスを減少させると総コレステロール、悪玉コレステロールの値が有意に改善したとの報告もあります。

つまり、メタンガスは代謝に影響を与え、メタンガスが多い人は、メタボになりやすいというとになるので注意が必要です。

体形にも違いがあり、下痢型のSIBOはやせ型体形、便秘型のSIBOは肥満型体形になります。

これら水素ガスやメタンガスは、SIBOの検査にも利用されます。

以前メルマガで書かせて頂きましたが、脳腸相関があるためSIBOの症状が強くなってくると

お腹の不調だけでなくうつ症状や行動にも影響してくるので、腸の状態を整えることはとても重要となります。

最近ブームの腸活にもいろいろ注意が必要なことが、分かってきましたね。

こういった症状を訴える方にであったら、専門の病院を紹介するかある程度過剰な腸活を控えて様子をみることも提案する必要がありますね。

私も今思うとSIBOだったのではないかと思い返される患者に会っていて

専門的に相談に乗れなかったことが悔やまれます。

次回は完結編としてSIBOに関する

・SIBOを引き起こす原因

・SIBOを予防・改善する方法

についておつたえさせていただきます。

最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、

誠にありがとうございました!

鈴木正道

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