皆さん こんにちはALLアプローチ協会の 触診大好きセラピスト ブル と申します。
本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など
新人セラピストの皆さんに向けて
「大腿筋膜張筋の機能解剖と触診」
というテ-マについてお伝えしたいと思います。
皆様と一緒に楽しく学んでいきたいと思いますので
どうぞよろしくお願い致します。
大腿筋膜張筋・・・硬い方多いですよね!!
デスクワークの方や大腿骨頸部骨折の術後の方、反り腰の方など
あげればきりがないです。
腰痛や膝痛の原因になることもあります。
そんな大腿筋膜張筋と相まみえる前に、
その筋の形や位置関係、はたらき、触り方をしっかりと押さえておきたいところです♪
それでは基礎知識から確認していきますね。
【基礎知識】
起始:上前腸骨棘
停止:腸脛靭帯を介して脛骨の外側顆
支配神経:上殿神経(L4~S1)
作用:股関節屈曲・外転・内旋
膝関節屈曲90度以上では膝関節屈曲に作用する。
膝関節屈曲90度未満では膝関節伸展に作用する。
上前腸骨棘を中心にして前下方向へは縫工筋が走行しています。
その後ろ側下方向へ走っているのが大腿筋膜張筋です。
筋腹が隣り合っていますね。
大腿筋膜張筋は腸脛靭帯を介して膝関節まで走行しています。
ですので腸脛靭帯の緊張を調節してに膝関節の安定にも影響していると言われています。
次に筋のはたらきをみていきますね。
【筋のはたらきについて】
大腿筋膜張筋の作用は股関節屈曲・外転・内旋です。
加えて、腸脛靭帯を介して膝関節をまたぎ脛骨の外側顆に付着しているので、
膝関節の動きにも関係してきます。
どのような作用かというと、
膝関節が屈曲90°以上では膝関節屈曲に作用します。
膝関節が屈曲90°未満では膝関節伸展に作用します。
さらに、下腿を外旋させる作用もあります。
これらの作用は足が地面についていない状態での動きとなっています。
足が地面についている状態(CKC)ではどうなるのでしょうか?
大腿筋膜張筋は股関節屈曲に作用する筋ですので、
足が地面についていると骨盤を前傾させる作用があります。
ということは、
筋が短縮していたりすると
骨盤が前傾し腰椎の過度な前弯を引き起こしてしまう
ということも考えられます。
反り腰の方でここが硬くなっていることがとても多いのも納得できますね♪
その他のはたらきとして、
外転作用で考えると片脚立位時には中殿筋や小殿筋とともに
骨盤が安定するように働いています。
仮に中殿筋や小殿筋の機能が低下し、
骨盤を安定させることが困難になると、
代償として大殿筋や大腿筋膜張筋が過剰収縮を引き起こしてしまうこともあるかと思います。
このような場合は大腿筋膜張筋や腸脛靭帯にアプローチするだけでなく、
中殿筋や小殿筋などへの評価やアプローチも必要になってくるかと思いますよ♪
次に触診方法についてお伝えしますね。
【触診方法について】
体位:触察する側を上にした側臥位となります。
ランドマークは
【上前腸骨棘】【腸骨稜】【脛骨外側課】です。
次に触診の手順です。
- 大腿筋膜張筋の前縁を触っていきます。 上前腸骨棘から2~3横指尾方の部位を圧迫すると、 大腿筋膜張筋と縫工筋の筋腹で作られる窪みがあるかと思います。 この窪みの外側にある筋腹が大腿筋膜張筋です。 この筋腹の前縁を上前腸骨棘~大腿部の外側中央部までたどっていきます。
- 大腿筋膜張筋の後縁を触っていきます。 上前腸骨棘から腸骨稜に沿って2横指後方の部位を目印にします。 この目印から上前腸骨棘の間の幅で起始となっています。 この筋腹の後縁を大腿部の外側中央までたどっていきます。
- 大腿筋膜張筋を触ります。 1と2で触った前縁と後縁の間に大腿筋膜張筋がありますので 腸骨・大腿骨に向かって圧迫して触っていきます。 大腿筋膜張筋は腸脛靭帯に移行し、脛骨の外側顆に停止します。 腸脛靭帯は硬い帯状に触ることができますので、脛骨の外側課まで触っていきます。
いかがでしたでしょうか。触る事ができましたでしょうか??
実際に股関節を屈曲外転内旋してもらってその収縮を確認してみてくださいね。
最後に大腿筋膜張筋のトリガーポイントについてご紹介して終わりたいと思います。
【トリガーポイントの症状】
トリガーポイントが生じやすいポイントは2つあり、
1つ目は上前腸骨棘のすぐ下の部分
そしてもう1つはそこから2.5㎝程度外側にある部分です。
症状は大転子前面の股関節部に痛みを出したり、
大腿の外側から膝まで痛みが広がることもあると言われています。
【原因】
デスクワーク中心の仕事や長距離ドライバーなど
長時間座っていると筋が短縮位となりトリガーポイントを発生させてしまいます。
足に体重が乗っている時に働いていることが多い筋なので、
重いものをもって歩く事(運送業の方など)で負担となり、
トリガーポイントを発生させることがあると言われています。
ぜひ患者さんの問診でこのようなことがないか確認してみて下さいね♪
大腿筋膜張筋の機能と触診方法、トリガーポイントについてお伝えさせて頂きました。
本日は以上になります。
最後までブログを読んで頂き、本当にありがとうございました。
鈴木正道