皆さん こんにちは
ALLアプローチ協会 代表の山口拓也です。
今回も皆さんに有益な情報を配信していこうと思います。
さて今回は、セラピストに向けて
「顎関節を歪みを矯正すべき理由と全身のつながりについて」
というテーマでお伝えしていこうと思います。
皆さんは、頭蓋仙骨療法で顎関節を治療してますでしょうか・・・?
案外、顎関節って治療しない人が多いですよね。
だって、顎関節症くらいしかやらないでしょ・・・
と思っているかも知れませんがそうじゃありません。
やった方がいい人って山ほどいるんですよ。
なので、今回は顎関節治療について解説していきます。
顎関節を治療することで、様々なメリットをぜひ知っていただき
臨床に活かしていただけたらと思います。
【顎関節の治療をするべき重要性】
そもそも関節は、個別の関節として見るだけでなく
全身の構造や機能という文脈で理解する必要があります。
顎関節は、全身への影響が起こることを解説していきたいと思います。
ですが、その前に顎関節が障害を受ける原因から話していきますね。
(顎関節が障害を受ける理由とは?)
・外傷や事故による顎の位置の変化
・側頭骨の障害(側頭骨と密接しているため)
・歯科外科手術
・心的緊張による咀嚼筋の緊張異常
・生活習慣における咀嚼筋の異常緊張
以上が顎関節が障害を受ける理由です。
皆さんも日々のストレスやクセ、側頭骨の硬さが顎関節の障害を受けているかも知れませんね。
(顎関節が起こす障害とは?)
①頭蓋骨への障害を引き起こす
顎関節に関与する頭蓋骨と頭蓋縫合の機能障害を引き起こします。
メインは、側頭骨と後頭骨の機能障害。
顎関節障害→側頭骨・後頭骨の1時呼吸を阻害することにより
腎臓・仙骨にも悪影響→側頭骨と後頭骨が硬くなった影響で
さらに顎関節が硬くなる。
②咀嚼筋・舌骨筋・靭帯の異常緊張
③咀嚼や嚥下の悪習慣、舌の機能障害
④歯の障害
⑤鼻呼吸や横隔膜、胸椎、股関節への障害
口唇の位置の変化や下顎骨の下降、椎骨の伸展位での固定。
顔面の下3分の2の成長に与える場合もある
⑥上位頚椎と環椎後頭関節の機能障害
⑦肩甲骨の機能障害
肩甲舌骨筋を通じて肩甲骨・鎖骨・第一肋骨に機能障害が生じうる
【顎関節と身体への関係性】
●顎関節・側頭骨・頭蓋内膜の関係(1次呼吸)
まず、最も顎関節の影響が強く出現するのは側頭骨です。
解剖学的に見れば一目瞭然ですが、顎関節が悪ければ側頭骨の1次呼吸にも影響するし側頭骨の動きが悪ければ顎関節にも影響します。
(顎関節とは↓)
※下顎骨にある下顎頭 と側頭骨にある下顎窩と前にある
関節結節で顎関節を構成してます。
そして、側頭骨は小脳天幕が側頭骨に付着しているので
顎関節ー側頭骨ー小脳天幕という流れで頭蓋内膜とも顎関節は影響しているという事になります。
結果、顎関節にズレなどで頭蓋内膜の捻れを引き起こし1次呼吸などに影響を引き起こします。
【顎関節と重力の関係について】
身体は常に重力の影響下にありますが、その重力に対しバランスをとってる構造があります。
(重力との関係でバランスをとる構造)
・骨盤隔膜
↓
・仙骨底
↓
・横隔膜
↓
・上肢帯
↓
・顎関節/側頭骨/小脳天幕
上記の構造は、重力に対して骨盤隔膜から反応してバランスをとる構造になっています。
そのため重力のバランスをとるために顎関節の位置や可動性を調整しており負担のかかりやすい組織だという事が分かると思います。
顎関節は、使用頻度が非常に多い(咀嚼・話す)関節なので多くの人が顎関節に異常が起こってるケースがあります。
◆オステオパシーの世界では、顎関節と重力の関係の深さについてよく伝えられています↓
股関節と顎関節は、重力線や筋膜の共鳴によって繋がっており、
そのパターンが、顎関節の機能とバランスに直接影響を与えている
なので、重心がずれていると顎関節もズレてしまい全身への
悪影響につながってしまう事も頭に入れておきましょう。
【顎関節と筋肉の影響についての話】
当たり前ですが、顎関節に関係する筋肉の慢性的な収縮で顎関節の機能を
鈍らせて側頭骨などに影響を引き起こします。
特に顎関節に悪影響を引き起こしている筋肉が、側頭筋です。
顎関節のアプローチをする際は、側頭筋もセットでやっておきましょう。
側頭筋前方の緊張は、側頭骨ー前頭骨ー蝶形骨の動きの制限にもつながるので
1次呼吸(特に屈曲相)に大きな影響を与えます。
【顎関節と感情の関係】
皆さんも歯ぎしりなどイメージしやすいと思いますが、顎関節のズレに感情が関わっている事があります。
ストレスや苦悩などの感情で顎関節付近・関係のある筋肉(咀嚼筋・横隔膜・舌骨筋・股関節周囲・頭蓋骨)が慢性的に緊張し顎関節に影響を及ぼします。
さらに、顎関節が神経系を活性化させる事もあります。
三叉神経の神経核は、交感神経とつながっているため自律神経の乱れから顎関節に影響する可能性もあると言われています。
顎関節の評価の際は、ストレスなどがあるか問診で評価しておきましょう。
【顎関節の治療】
・理想は、咀嚼筋や舌骨筋などのリリースから始めて筋肉の影響をとる
・耳管テクニック(耳を後外側に引っ張る)
・側頭骨・下顎骨・頬骨・上顎骨の治療
・顎関節リリース
【まとめ】
以上が顎関節治療です。
顎関節だけのアプローチではなく、
側頭骨や咀嚼筋などの包括的なアプローチが必要ですね。
もっと細かく治療するとなると、
心理的アプローチや噛み癖、不良姿勢、
肩甲帯や頸部周囲の筋膜アプローチも必要ですが・・・
ぜひ、顎関節治療を臨床に取り入れていただければと思います。
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ALLアプローチ協会 代表 山口拓也