いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、本当にありがとうございます。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
今回は、
【症例報告】筋膜×内臓×頭蓋×経絡治療で、呼吸機能が一気に改善した症例
というテーマでお話していきます。
久々に、症例報告でもしようかと思います。
今回は、筋膜と内臓と頭蓋と経絡治療を組み合わせたアプローチの結果、
著明な変化が出た症例がいましたので、
皆さんにシェアしていこうかなと思います。
<症例紹介>
90代男性。廃用症候群。
既往に、肺気腫がある症例です。
廃用症候群の診断で、回復期リハ病棟に入院し、リハビリを行っている患者様です。
今回は、spO2(血中酸素飽和度)の数値が、
「91%」という方で、運動時には、80%台まで下がってしまうので、
酸素を吸入しながら歩行や日常生活動作を行っているような方です。
身体的な評価をしてみると、
「胸郭の柔軟性低下」
「一次呼吸の動きが低下」
しているといった所見がみられました。
呼吸器系の疾患の方って、
結構この、「一次呼吸」の動きが低下している傾向にあります。
一次呼吸の動きを良くしていく。
つまり、脳脊髄液の流れを良くしていくだけでも、
「二次呼吸(肺呼吸)」も良くなってくるといったことがあります。
これは、脳脊髄液の循環が良くなることで、
間接的に体循環が良くなることで、
肺循環も良くなるので、
結果的に二次呼吸にもプラスの効果を示します。
<施術>
実際の施術の流れとしては、
まずは、胸郭の硬さがあったので、
「横隔膜」にアプローチしました。
最初は、「筋膜」からアプローチすることが、
私の場合はパターンとして多いので、呼吸の吸気に関わる横隔膜の硬さからとっていきます。
そして、横隔膜の硬さを作っている内臓に対してもアプローチをしていきます。
一つ目は、「肝臓」です。
肝臓を横隔膜が包んでいるような位置関係にあり、
癒着が起こりやすいので、肝臓の調整は必須です。
そして次に、「心臓」ですね。
心臓を包んでいる「心膜」は、
「ディープ・フロント・ライン(DFL)」に含まれており、
横隔も同じくDFLに含まれ、筋膜上のつながりがあります。
なので、心臓の硬さが横隔膜の硬さの原因になっているケースも多いです。
そして、心臓自体が「循環」に関わる臓器ですので、
肺循環に関わっていますし、酸素と二酸化炭素の入れ替えするにあたって重要な役割を担っています。
あとは、「経絡」で言うと、「肺経」とか「三焦経」が関わっていることが多いです。
特に、「三焦経」はやっておいた方がいいですね。
肺は、「胸郭の大部分」を占めているわけですが、
三焦経は特集な経絡で、体感の空間と繋がっている経絡になります。
なので、胸郭の空間を東洋医学的な視点から調整をしていくことで、
胸郭の動きや肺の動きが良くなるケースが臨床上見受けられます。
あと頭蓋で言うと、「上顎骨」になります。
ここは、肺と繋がっている頭蓋骨になるので上顎骨の調整を行うだけでも、
直接「呼吸のしやすさ」が変わっていきますので、やっていくといいです。
<結果>
「横隔膜」、「肝臓」、「心臓」、「肺」、「肺経」、「三焦経」、「上顎骨」
へのアプローチを行った結果、SpO2が91%⇒97%まで上昇し、胸郭の動き、呼吸のしやすさ・深さが大きく変わりました。
<まとめ>
今回は、機能面に対してアプローチをしていきました。
筋骨格系のアプローチだけでは対応できないケースも、
内臓や頭蓋、経絡などを組み合わせることで、
このように呼吸機能の改善の可能映画広がっていきます。
その結果、歩行や日常生活動作の自立度や自由度が上がることで、
本人、そしてご家族も安心してくださることにも繋がっていくと思いますので、
是非筋骨格以外の分野の勉強もしていただき、
臨床に活用していただけたらなと思っております。
本日は以上になります。
最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました!
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也