おはようございます。
いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、
誠にありがとうございます。
ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。
今回は、
【内臓治療:肺】胸腔内の膜と胸郭アプローチに関して
お伝えしたいと思います。
私が内臓アプローチを勉強するようになって、一番アプローチを習得することが難しかったのが胸腔内のアプローチです。
胸腔内のアプローチといえば
・心臓
・肺
・胸腺
・食道
・横隔膜
・気管
があります。
正直最初は「いやいやそれ胸郭のモビライゼーションやん」と心の中で思いながら話を聴いていました。
私、理屈っぽいのでなんとなくが嫌いなんです。
胸腔内の臓器にアプローチできる方法は、どうにかなんないもんかといろいろ解剖の本を引っ張り、グーグル先生から画像を引っ張ってきたり、また海外の解剖の教科書などを調べてみるとまた出てくる出てくる。
日本の教科書で省略されている「細かい組織達」、そしてそれぞれの資料で名前が
若干違うので結局正確な情報は得られない部分もあります。
いつもこんなことに気づかせてくれるのは、海外の本を日本語にした徒手療法の本を読んでいると見知らぬ靭帯が出てくるので気づいたりします。
今回お伝えするのは、肺に対するアプローチです。
内臓アプローチでは、あまりとりあげることが少ない臓器ではありますが、肺や肺を包む膜は確実に体幹や頚部・肩関節に連結してくるのでアプローチする必要が出てきます。
まず、肺の基本的な構造などは、みなさん学校の解剖学で
学んでいると思うので割愛させていただきますが、
肺を包む膜になるととたんにイメージが弱くなりませんか?
すいません、僕はだいぶイメージできていませんでした。
知っているつもりになっていました。
腹腔内臓器もつながりがあって、それぞれの膜が臓器や筋を引っ張るように
胸腔内臓器も膜のつながり、筋のつながりがあります。
まず膜についてお伝えさせていただきます。
【肺を包む膜】
胸腔内で肺を包む膜は、壁側胸膜と臓側胸膜があり、壁側胸膜は肋骨部と横隔部や縦隔部に分類される。
そしてこの壁側胸膜の頭側の尖端を胸膜項といいます。
ちなみに、胸水がたまる場所は、
壁側胸膜(肋骨部、横隔部 縦隔部 胸膜項)と臓側胸膜の間にたまります。
この壁側胸膜は発達の過程で、肺芽が心腹膜管とうい膜に進出してくることで壁側と臓側に分かれます。
元々は壁側も臓側も連続性のある膜となります。
そしてこの壁側胸膜と連結している部分が胸腔内にアプローチするポイントとなります。
一つ目が内部胸筋膜・胸横筋と壁側胸膜の連結壁側胸膜は胸郭内側に癒着することで安定している。
その癒着の中には胸横筋を覆うように胸郭に固定されていて胸横筋・胸内筋膜から舌骨下筋へつながる
ディープフロントラインの上全部との関与が強くなります。
また横隔部では横隔膜と連結し、肋骨部では肋間筋と連結してくるため
それぞれ壁側胸膜の柔軟性にアプローチすることで、肺の可動性を獲得できるようになってきます。
今回その中でもさらに注目したいのが胸膜項に連結する「提靭帯」の存在です
肺のアプローチをするときに鎖骨中央・または鎖骨の下で鎖骨下筋、第一肋骨を押圧することで肺の動きをリリースすることができますが、
これには解剖的なつながりがもろに関係しそうだと考えて探してできたのが提靭帯です。
この提靭帯は、C7椎体や横突起からでている線維性の組織ですが、
提靭帯として書かれている本や肋胸膜靭帯、最小斜角筋として記載されている本があります。
実際良く使う解剖学の教科書には端折られていて書かれていませんでした。
この斜角筋や肋胸膜靭帯は、第一肋骨にも胸膜項にも連結するため、
第一肋骨の可動性を通して壁側胸膜への影響はでることが推察されます。
こういった膜と筋のつながりや膜と靭帯、骨のつながりは、直接コンタクト困難な臓器に対して
アプローチをしていくための重要なポイントとなるため是非覚えておいてください。
本日は以上になります。
ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道