栄養学

【小腸インナーアプローチ】小腸内細菌増殖症SIBO 原因と対応策に関して

おはようございます。

ALLアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

今回は前回の続きとして

「小腸内細菌増殖症(SIBO)・完結編」

についてお伝えさせていただきます。

【SIBOを引き起こす原因】

①小腸の消化管運動の障害

元々小腸の蠕動運動には小腸の腸壁に微生物がとりつくのをふせいでいます。

この小腸の運動機能が落ちる大きな原因が、
糖尿病・パーキンソン病・膠原病や神経筋疾患などの全身性疾患が
原因であることが多くなっています。

②ストレスや間食などの生活習慣

脳と腸は「脳腸軸」でつながっていて、脳が感じるストレスは腸内環境を悪化させ腸内で炎症を起こすことで小腸の運動を低下させ小腸内の細菌が増加していきます。

③抗生物質や胃薬の服用

抗生物質では腸内の細菌を殺してしまい、腸内細菌バランスを崩すきっかけになります。

胃薬では胃酸を少なくすることで小腸内の細菌増殖を助長してしまいます。

④免疫の低下

ストレスや不適切な食事で免疫力が低下すると腸管内の免疫機能が低下することで、小腸内に細菌が増殖しやすくなります。

⑤炭水化物の消化不良・食べすぎ

小腸で吸収が悪く、なかなか吸収されない糖質、発酵性のオリゴ糖や乳糖、果糖、ポリオール等

人によって吸収が悪い人がいて、吸収されない糖質を小腸内のバクテリアが餌にすることで筋の増殖が発生する。

⑥重金属の蓄積

有害金属の蓄積は腸管の動きを低下させる作用あり。



⑦胆嚢の除去など機械的問題

胆汁は濃縮されて消化液として分泌されるが、担当を除去してしまうと十分に濃縮されないため腸における抗菌作用が低下してしまう。

そのため小腸内が細菌のぞうしょくしやすい環境になりやすい。

【SIBOを改善・予防する方法】

SIBOを予防する食事「低FODMAP食」

小腸の中で菌が増殖すると発生するガスが水素という話は、SIBOのタイプ別の話をした時にお伝えさせて頂きました。

小腸の中で、水素を発生させにくい食べ物は「米」で、小麦や豆類は、水素を発生させやすい食べ物となっています。

小腸の中で、最もバクテリアの餌になりやすい物が「糖質」です。

糖質にもいろいろあり、その中でもガスを発生させやすいのが発酵性の糖質です。

発酵性の糖質を「FODMAP(フォドマップ)と呼びます。

先ほどお伝えした小麦や豆類はFODMAP食です。

FODMAPとは、発酵性で吸収されにくい短鎖炭水化物群の頭文字の略語です。

=吸収の悪い炭水化物たち、と考えておいてください。

細菌腸内細菌健康法を実践するとお腹の調子を崩す人がいます。

腸内細菌健康法では、腸の調子を整えるためにオリゴ糖やゴボウ、豆、アスパラバスなどの食物繊維、納豆・キムチなどの発酵食品を摂取することが進められています。

実際私もこれらの食事で体重も減り、体質も改善しましたが、

これらの食事がSIBOを引き起こす原因を抱えている人には、逆に小腸に筋を増殖させる原因となってしまい体調を崩す方がいます。

実際吸収されにくいFODMAPは、小腸で異常な発行を起こし、

水素ガスを発生させるとともに、小腸内で吸収されない糖質を薄めて早く流すために

小腸内に水分を引き入れお腹のはりや下痢の原因となってしまいます。

また、大腸でも小腸で吸収されなかった糖質が大腸の腸内細菌と

異常発酵を起こし、多量の水素や過剰な短鎖脂肪酸の分泌を引き起こします。

以上はガスや過剰な短鎖脂肪酸は、大腸の活動を麻痺させる作用もあるため

腹がパンパンに張るような方には注意が必要となります。

こういった症状の方には、低FODMAP食が推奨されています。

F:発酵性の糖質を指す

O:オリゴ糖


ガラクトオリゴ糖やフルクタンを指すガラクトオリゴ糖には
レンズ豆、ひよこ豆などの豆類に含まれる。

フルクタンは小麦や玉ねぎ、にんにくに含まれる。

D:二糖類→乳糖

牛乳・ヨーグルトに含まれる

M:単糖類→フルクトース

果糖、ハチミツ

A:and(そして)

P:ポリオール

ソルビトールやキシリトールなど「~オール」と呼ばれる糖質

マッシュルームやカリフラワーなどに 含まれる

SIBOの方にはこれらFODMAPを避けた低FODMAP食が推奨され、予防や改善策として推奨されます。

患者さんにお腹の調子を整えるために、

ヨーグルトや納豆、豆類を頑張って食べていると自信満々に言われると、

うまく説明しないことにはその固定観念から解放することは難しくなりますね。

栄養に関するコミュニケーションスキルに関しては、とても重要になるので注意しましょう。

3回にわたってSIBOについてお伝えさせて頂きました。

流行りにのって誰でも彼でも「腸活」しないよう注意しましょう!

◆栄養プロフェッショナルコースでも腸活について解説しています↓

最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、

鈴木正道

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