筋膜リリース

腸脛靭帯の解剖学的特徴と役割

皆さん こんにちはALLアプローチ協会の 触診大好きセラピスト ブル と申します。

本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など

新人セラピストの皆さんに向けて

「腸脛靭帯の解剖学的特徴と役割」

を紹介します。

というテーマについてお伝えしたいと思います。

本日は腸脛靭帯ですね。

以前のブログやYoutubeで大殿筋や中殿筋、大腿筋膜張筋についてお伝えさせて頂きました。

これらの筋と関連が深いので今回は腸脛靭帯をテーマにさせて頂きました。

腸脛靭帯の触診方法については前回の大腿筋膜張筋のブログにも

簡単にですが書かせて頂きましたので、

今回は割愛させて頂きます。

ですので腸脛靭帯の解剖学的特徴について

もう少し踏み込んでお伝えできればと思います。

【解剖学的特徴】

いきなりですが、

腸脛靭帯って大腿筋膜の外側部が厚く厚くなったものだったんです!?

知らなかったのはブルだけでしょうか・・・驚きました。

だから赤ちゃんには腸脛靭帯はないみたいですね!

ということではじめていきます。

まずは腸脛靭帯近位のつながりをみていきます。

〇腸脛靭帯と近位のつながり

大腿筋膜張筋と大殿筋、中殿筋とつながりがあります。

一般的には大腿筋膜張筋とつながっていることは有名ですよね。

大殿筋ともつながりがあります。

大殿筋は殿筋粗面と腸脛靭帯に停止しています。

驚くのはその割合です。

殿筋粗面への停止は20%程度

残り80%くらいは腸脛靭帯に付着していることがわかっています。

これは驚きですよね。

腸脛靭帯の緊張は大殿筋の影響がかなり大きいと考えられますね。

ちなみに中殿筋とのつながりもありますよ。

この近位部は腸脛靭帯に適度な緊張があることで

骨頭を求心位に保つ役割(股関節の適合性を高めている)をもっています。

この役割があるのでアウターはその機能を思う存分発揮できスムーズに働くことができています。

骨頭が不安定になることでアウター・二関節筋などの過剰収縮を引き起こしやすくなり、

股関節の可動性低下やトリガーポイントを発生させたり、関節の負担が増加したり、

姿勢アライメント不良に影響を及ぼしたりしてしまいます。

つまり、腸脛靭帯が適度に緊張していることには意味があるので、

反応をみながらアプローチしていく必要がありますね♪

次に腸脛靭帯の遠位のつながりについてみていきます。

〇腸脛靭帯の遠位でのつながり

脛骨上端の前外側面(ガーディ結節)に停止しています。

重要ポイントとして、

脛骨付着部付近ではその繊維の一部が外側膝蓋支帯へと進入しています。

さらに、腸脛靭帯の一部繊維は膝蓋骨方向に向かっていて

膝蓋骨外側と外側広筋に一部付着しているとの論文もあります。

つまり、膝蓋骨のアライメントや安定性にも関与することが考えられます。

臨床において、膝蓋骨外側部の痛みや膝蓋骨の外側偏移などのケースに対して

過緊張となっている腸脛靭帯や外側広筋をリリースすると症状が軽減するのは

このようなつながりが関係しているとも考えられます。

一方で、遠位は膝関節の内反を制御し膝関節の安定性に関係していることも重要なポイントです。

これらの解剖学的な特徴や役割をみてみると、腸脛靭帯には適度な緊張が必要だということがわかってきます。

硬すぎるのも考え物ですが、安易にゆるめ過ぎることにはリスクが伴います。

なぜこんなにも硬くならなければいけなかったのかを考えてアプローチすると

面白くなってきますよ♪

その他にも重要なつながり、位置関係がありますのでみていきますね。

〇近位・遠位の他にも重要なつながりをご紹介!

近位と遠位のつながりに加えてもう一つ重要な周辺組織とのつながりがあります。

それは外側大腿筋間中隔です。

腸脛靭帯のすぐ後方は外側大腿筋間中隔となり、大腿二頭筋との境になります。

ここはアプローチとしても重要なポイントなのでお伝えしますね。

外側大腿筋間中隔についてもう少し説明させて頂きますと、

【外側大腿筋間中隔とは?】

膝関節伸展作用のある外側広筋(斜頭)と

膝関節屈曲作用のある大腿二頭筋(短頭)の間に位置しています。

つまり、外側大腿筋間中隔を境に膝関節の屈筋と伸筋が別れているんですね。

そのためストレスが加わりやすいポイントで、癒着や滑走不全が生じやすく痛み、痺れ、可動域制限や筋の出力に関わってきます。

腸脛靭帯の問題は外側大腿筋間中隔に影響を与えますし、その逆もあるということですね!

本日は腸脛靭帯の解剖学的特徴と役割について

お伝えさせて頂きました。

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