内臓調整

【迷走神経を調和させる方法】内臓・神経・頭蓋骨・骨格アプローチ

いつも情報発信を見て頂き有難うございます。

ALLアプローチの山口です。

今回は、「迷走神経を調和させる方法」というテーマで記事を書かせて頂きます。

皆さんは、迷走神経を意識してどこまでアプローチしていますか?

迷走神経を調和させることで様々なメリットがありますので、解説していこうと思います。

【迷走神経とは?】

迷走神経とは何かというと、第Ⅹ(10)脳神経で下部延髄から出ており、各臓器に広く分布する多数の枝を延ばしている副交感神経の代表的な神経で脳神経の中で最も長いです。

“迷走”神経という名のとおり複雑な走行をしていて、12対ある脳神経の中で最も広い領域に分布しており頭頚部(頭と首)から胸部内臓と、さらには腹部内臓にまでその支配は及びます。

迷走神経は、副交感性の運動神経と感覚神経の神経線維からなっています。
分布域が広範なため、首から腹部までのほとんど全ての内臓(心臓や横隔膜、消化器系としては口腔・舌から横行結腸右1/3までなど)の運動神経と、副交感性の感覚神経が迷走神経の支配です。


主な支配器官ごとのはたらきとしては、運動神経として咽頭の嚥下や喉頭の発声、感覚神経として外耳道や咽頭や食道、副交感神経として内臓の運動(心拍数の調整や胃腸の蠕動運動)などなどです。

副交感神経の神経線維を含む神経には、4本の脳神経(動眼神経、顔面神経、迷走神経、舌咽神経)と仙髄からでる骨盤神経がある。このうち体全体の副交感神経の7〜8割が迷走神経といわれています。

【血管迷走神経反射とは】

長時間の立位や暑い中での激しい運動、あるいは強い痛みや排泄によって腹腔の内圧が急激に変化したりストレスや内臓疾患などがあったりすることによって、迷走神経が刺激を受けた場合に、末梢の血管が拡張して血圧が下がったり心拍数が低下したりするために起こるのものです。

急に自律神経の失調がおこって血圧や心拍数が下がっている状態なので、脳に行く血液の量を確保できなくなるために失神やめまいを起こしてしまうのです。

【自律神経と脊椎】

交感神経は脊髄を下行して背骨の頚椎7番(C8)か胸椎1番(T1)から腰椎3番(L3)あたりまでの神経の出口から末梢神経として表れ、背骨両脇の交感神経幹を介して全身に伸びて行きます。

 副交感神経は脳神経Ⅲ番(動眼神経)、Ⅶ番(顔面神経)、Ⅸ番(舌咽神経)、Ⅹ番(迷走神経)の成分と脊髄を下行して仙骨から出る末梢神経(S2~S4)があります。

 カイロプラクティックでは上部頚椎を副交感神経系。下部頚椎から胸椎・上部腰椎までを交感神経系、下部腰椎から仙骨を副交感神経系ととらえてこれらの脊骨の部位の構造上の負担や歪みや動きに問題が無いかをみて施術していきます。

【脊椎アプローチ】

迷走神経と関係がある頚椎の1番〜3番、7番・仙骨にゆがみがないかチェックし矯正することを考えます。迷走神経の分布と支配は広範で、胸椎や腰椎のゆがみが影響している可能性もありますので背骨全体のチェックを行います。

【メリックシステム】

背骨と臓器の対応がありますが、カイロプラクティックでは、これをメリックシステムと言います。

 現実的には臓器と脊髄神経は一対一というわけではありませんが、来院者様の症状と実際の背骨の状態をみながら施術の参考にしていきます。


 また東洋医学やそれに基づいた整体でも内臓に対応する背骨に沿った径穴(つぼ)の兪穴というのがありますが、メリックシステムと共通しているところもあれば、違うところもあります。

例えばカイロプラクティックでは胃は胸椎5番に対応しますが、東洋医学系の鍼灸や整体でこれにあたる胃兪という径穴は、背骨の胸椎12番の横にあります。

これはどちらが正しいというのではなく、人それぞれなので、この違いも踏まえつつ来院者様の訴えや体の状態をみながら治療の参考にしていきます。

カイロプラクテックでのメリックシステムは、脳から出た信号が、背骨から出ている神経が、どの臓器につながっているのか解剖学的に見て考察したものです。

胸椎1:冠状動脈

胸椎2:心筋

胸椎3:肺

胸椎4:胆嚢

胸椎5:胃

胸椎6:膵臓

胸椎7:脾臓

胸椎8:肝臓

胸椎9:副腎

胸椎10:小腸

胸椎11:十二指腸

胸椎12;腎臓

腰椎1:回盲弁

腰椎2:盲腸

腰椎3:内分泌腺

腰椎4:結腸

腰椎5:生殖器

メリックシステムを意識しながら脊椎にもアプローチしてみましょう。

【迷走神経反射】


東洋整体的には腹部に硬さがある場合、柔軟性を回復するべく

迷走神経のルートをなぞることで、神経の正常化を図る方法があります。

迷走神経の強張りをリリースした後、腹部の強張りが減少し、

臓器に柔軟さを感じられることがあります。

【自律神経の調和(迷走神経)テクニック】

自律神経を調和する際は、交感神経・副交感神経の神経叢の経路をリリースする事です。

①肋骨を後方から振動させるテクニック

肋骨頭の正面に交感神経幹や神経節があるため、その部位に刺激を加えていく

②横隔膜テクニック

交感神経・副交感神経の調和を行う

③大動脈前方にある神経叢・腹部へのアプローチ

腹部には、腹腔神経節や上腸間膜動脈神経節、下腸間膜動脈神経節の3つのポイントに刺激を加えていく。

④頚部(喉頭部)の前面リリース

頚部前面にある迷走神経に対して、刺激を与えることで神経系の調和を図っていく。

⑤縦隔系のアプローチ

縦隔には、交感神経幹や迷走神経、大動脈、胸管をリリースすることで自律神経が整うことができる。

⑥仙骨系のアプローチ

仙骨には、迷走神経の関連が深いため、仙骨に対して振動アプローチを実践していく。

などなど、自律神経を意識してアプローチすることで自律神経が調和され、様々な症状が改善していくと思いますので、臨床の参考にして頂ければと思います。

最後までお読み頂き有難うございました。

ALLアプローチ協会 代表 山口拓也

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