マニアック肝臓解毒シリーズ 「硫酸化」
おはようございます。 allアプローチ協会 鈴木 正道
今回は理学療法士・作業療法士・柔道整復師の方々へ向けて、
「肝臓の第二相解毒システム:硫酸化」
についてご紹介したいと思います。
なぜ硫酸化を紹介しようとしているか、理由は三つ。
①生態外異物や薬物の解毒代謝に重要
アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)やメチルドパ(降圧剤)を代謝する。
②ステロイドホルモン・環境ホルモンの濃度調整を行う。
環境ホルモン(環境中の化学物質で体内において女性ホルモンや男性ホルモンのような働きをしてしまう内分泌撹乱物質)
→これらを硫酸化によって代謝することは生体内ホルモン制御に大きく影響 不妊やPMS・精神疾患などにも影響する。
③神経伝達物質の濃度調整を行う。
カテコールアミン系(ドーパミンやセロトニン)などの濃度調整や酸化した神経伝達物質を硫酸化によって代謝する。
酸化した神経伝達物質(ヒドロドーパミンや、ヒドロセロトニン)は代謝できずにいるとパーキンソン病や認知症の原因になる恐れがある。
これらの解毒システムがきちんと働くことは普段診ている患者様に有用ではないでしょうか?
硫酸化がきちんと働くには栄養素が必要です。
復習になりますが、第二相解毒システムが働くには第一相解毒システムが正常に機能していることが重要です。
◆第一相解毒システムに必要な栄養素:ビタミンC 亜鉛 マグネシウム 銅
※とくにマグネシウム不足は多くの薬品の有毒性が増加するため注意が必要
【では硫酸化に必要な3つの栄養素は?】
①システイン:硫黄を含むアミノ酸の一種(カツオやさんま、ほっけ)
体内で再合成されるアミノ酸の一種でメチオニンとセリンを使って合成される。
②メチオニン:必須アミノ酸の一つ
家庭で良く使う食品として、鰹節・クロマグロの赤身(生)・さんま・真鱈・ほっけなどに含まれている。
③モリブデン:ミネラルの一種
通常の食事で不足することはない。
大豆に多く含まれている。
これらの栄養素を補給することで硫酸化を正常に機能させ、服薬やホルモンバランスの崩れに悩む患者様に対応してみましょう。
栄養指導をする際には医師に確認をし、薬や病態と矛盾を起こさないよう注意しましょう!
本日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
今日も一日良い時間をお過ごしください。
鈴木正道