筋膜リリース

【鎖骨はがし】鎖骨が血流・脳脊髄液・リンパ液を阻害し呼吸機能に変化を与える理由

いつもALLアプローチ協会のメルマガを読んで頂き有難うございます。

ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。

本日も勉強熱心なセラピストに受けて

「鎖骨が血流・脳脊髄液・リンパ液を阻害し呼吸機能に変化を与える理由」

というテーマでお伝えさせて頂きます。

皆さんは、鎖骨リリースって重要だと思いますか?

多くのセラピストが鎖骨に対してアプローチしない人が多いと思います。

近年、スマホやデスクワークなどが増えた結果か鎖骨の関節が硬い人が非常に多い印象です。

鎖骨を動かすことで多くのメリットがあるので、ぜひこの記事を参考にアプローチして下さい。

【鎖骨の関節について】

鎖骨の内側は胸骨と繋がる関節(胸鎖関節)を構成します。

外側は肩甲骨と繋がる関節(肩鎖関節)を構成しています。

肩鎖靭帯・関節円板・烏口鎖骨靭帯・三角筋・僧帽筋などが肩鎖関節を安定しているため、腕を身体につなぎとめる役割があります。

鎖骨は上肢全体の重さ(4kg)の負担がかかっているため、軽微な外傷や外力 ストレスでも靭帯が伸びやすく、関節への炎症が起 こりやすいとされています。

さらに、首付近を通る神経や血管などを守る役割もあります。

◆鎖骨の可動域

鎖骨の関節(胸鎖関節・肩鎖関節)には、さまざまな動きがあります。
挙上・下制・屈曲・伸展・軸回旋の動きがあります。

挙上:45°

下制:10°

屈曲・伸展:10°〜30°

回旋;40°〜50°

このように鎖骨には、可動域があり肩甲骨と上腕との結びつきがあるため、鎖骨の可動域制限が上肢の問題と関連が深い関係にあります。

【鎖骨に付着する筋肉】

  1. 胸鎖乳突筋(鎖骨頭):鎖骨内側 1 / 3
  2. 胸骨舌骨筋:鎖骨の胸骨端後面
  3. 大胸筋(鎖骨部):鎖骨内側 1 / 2
  4. 鎖骨下筋:鎖骨下筋溝(鎖骨中央 1 / 3 下面)
  5. 僧帽筋(鎖骨部):鎖骨外側 1 / 3
  6. 三角筋(鎖骨部):鎖骨外側 1 / 3

【鎖骨と呼吸の関連】

鎖骨の内側にある胸鎖関節の問題は、位置関係の問題でその下にある胸肋関節の動きにも異常をきたします。

胸肋関節の動きが悪いと、その背後にある肋椎関節の動きにも悪影響を及ぼします。

結果、背骨の動きも悪化させてしまいます。

肋骨の動きが低下することにより、呼吸機能を低下させてしまいます。

呼吸で大事なのは、呼吸補助筋の肋間筋(外肋間筋・内肋間)です。

呼気時に横隔膜と外肋間筋が収縮することで、肋椎関節を視点として肋骨を持ち上げて呼吸を行います。

そのため、肋骨の問題で呼吸機能が低下し、酸素不足を引き起こします。

【鎖骨アプローチの調査報告】

鎖骨アプローチ後の呼吸変化データについて。

◆無作為に選んだ依頼者26名に肩鎖関節への施術した結果

・26人中、22人が呼気時間がアップした。

・血中酸素飽和度は、17名が上がった

この調査から、鎖骨アプローチが呼吸機能にアップするという結果が分かると思います。

【女性のスタイルにも影響する】

鎖骨の可動域制限は、鎖骨付近にある大胸筋や小胸筋にも影響を引き起こします。

この筋肉は、バストを支えるクーパー靭帯と繋がっているため、バストの位置がダウンしやすいことになります。

さらに、肩鎖関節を介して肩甲骨の動きが悪くなると、前鋸筋などにも影響し、バストが外側に逃げやすくなります。

また、胸郭の動きが低下するため「くびれ」が作りにくい状態となってしまいます。

【鎖骨とリンパの関係】

リンパ管は、全身から不要な水分・老廃物を集め、リンパ液として回収していきます。

そして、集められたリンパ液のゴールは、鎖骨部分の深部にある静脈(鎖骨下静脈)です。

その後、静脈血として合流した不要な水分・老廃物は、腎臓でろ過されて尿として排出される、という流れを辿ります。

つまり、 鎖骨部分は全身リンパが流れ込んでくる最終ポイントなのです。

鎖骨の動きが悪いということは、リンパの流れが滞るためアプローチすべきポイントの1つです。

【鎖骨と血流の関係】

鎖骨は、重要な血管や神経を守るという役割があります。

腕神経叢や鎖骨下動脈の走行として

①前斜角筋と中斜角筋の間、

②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙、

③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方

を走行しますが、それぞれの部位で絞めつけられたり、圧迫されたりする可能性があります。

鎖骨をリリースすることで循環が変化し痺れに対してのアプローチにも有効です。

【鎖骨と脳脊髄液の関係】

鎖骨は、胸郭上口を構成しています。

胸郭上口とは、胸部の構造同士が形成する胸郭への開口部のことです。

脳脊髄液は、脳の組織に送られた後に矢状静脈洞のくも膜顆粒を通って静脈洞に流れ込みます。

静脈血と脳脊髄液は、静脈洞をくだり頚静脈孔から内頸静脈へと流れ込み、そして心臓へと向かいます。

胸郭上口の問題は、内頸静脈の流れに対して逆圧を発生させやすい部位となっています。

結果、胸郭上口をリリースしないと頭蓋から心臓までの体液が上手く流れないということになります。

そのため、脳脊髄液と鎖骨は重要な関連があると言えます。

以上が鎖骨の重要性でした。

ぜひ、明日から鎖骨のアプローチを実践して頂けると幸いです。

本日は以上となります。

最後までお読み頂き有難うございました。

ALLアプローチ協会 代表 山口拓也

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