おはようございます。
Allアプローチ協会 鈴木 正道です。
本日も当協会のメルマガをご覧いただき
ありがとうございます。
最近、細菌ブームですね。
つまらないギャグで始まった今回のメルマガですが、
NHKでも何度も特集され、
健康テレビでも何度も紹介され
世の中の認知度も高まってきていると思います。
私のメルマガでも腸内細菌の話や
脳腸相関の話を過去にお伝えさせていただきました。
本日はその腸内細菌や脳腸相関と関係の深い
「大腸について」
理学療法士、作業療法士、柔道整復師のみなさんに
お伝えしたいと思います。
今回お伝えしたいことは、
過去に代表の山口が大腸の生理的機能や
内臓治療に必要な反射点について
お伝えさせていただいておりますので、
今回は大腸の解剖・運動学的イメージをお伝えさせていただきます。
【 解剖学的特徴「膜」 】
大腸がどのように
固定されているかまとめると
①上行結腸
・後外側でトルツ筋膜を経由して後腹壁へ
・内側で小腸間膜を経由して後腹壁へ
②右結腸曲周囲
・右腎臓への付着
・隔膜と肋骨への付着
・肝臓への付着
・十二指腸への付着
③横行結腸
・膵臓の横行結腸間膜根
④左結腸曲
・胃
・横隔結腸ひだを経由して横隔膜(および肋骨)
・脾臓
⑤下降結腸
・後外側でトルツ筋膜を経由して後腹壁へ
⑥S状結腸
・内側でS状結腸間膜根を経由して後腹壁へ
⑦直腸
・骨盤筋膜の外側および
・前面(主に仙骨へ)
長い大腸の構造の中、様々な部位で他の臓器の影響を受け、
多くの連結を持つことで様々な症状を引き起こします。
【ちょっとまってくれトルツ筋膜ってなんだ?】
私も調べて理解するのに苦労しました。
だって持ってる解剖の本に詳しく載ってないんですもん(笑)
しかもトルツ筋膜って記載と
トルト筋膜って記載があったり
どっちやねん。
結局「Toldt fascia」で検索。
海外の解剖図を見ながら必死に場所と構造を理解しました。
医師の消化器系外科手術の解説を閲覧など
使える方法を駆使してToldt fascia(以下トルツ筋膜)
の解説をしていきます。
そもそもトルツ筋膜とは、
発生の過程で胎生期12週ぐらいで
十二指腸が後腹膜に吸収され、
さらに中腸・後腸(←発生学の腸の名称)が
前額面上で反時計回りに回転しながら
上行結腸・下降結腸の位置に落ち着いたときに、
結腸自身が後腹壁に押し付けられることでできる
癒着部分をトルツ筋膜と言う。
しかしこのトルツ筋膜、
日本の解剖学教科書には載っていない
海外のフランス語とか中国語の解剖学書にはのっているようだが
日本は省かれています。
解剖学あるあるらしいですが、
今回医師の外科手術のコメントの中で
わかりやすい説明があったのでご紹介すると
上行結腸や下降結腸を受動するとき、
たいてい教科書にはトルツ筋膜を剥離して授動する
と書かれているそうですが、
実際手術をすると、
腹膜同士がくっついた部分をはがしている感じでは
ないそうです。
イラストレイテッド外科手術の第3版には
「癒合した腹膜の上皮細胞はとけてなくなってしまい、
腹膜としての構造は失われている。同部は結合組織化しており、
癒合した部分を剥離することはできないので、正しい剥離層は、
癒合した筋膜の腹側(場合によっては背側)の疎な結合組織である。」
と書かれているそうです。
つまり、ほとんど膜としてあるというよりは
結合組織になっているようです。
日本のセラピスト向け教科書では
ただの結合組織なのであえて名前をつけていないようです。
海外で腎臓と上行結腸・下降結腸の間には腎筋膜前葉と
トルツ筋膜があるようですが、
日本ではトルツ筋膜と後腹壁が後腹壁だけになっているようです。
医師の手術マニュアルにはトルツ筋膜は普通に出てきています。
さてここで大切なのは、
トルツ筋膜があるかどうかではなく
上行結腸・下降結腸が
腎筋膜前葉・後腹壁へ癒着してくっついていることです。
腎筋膜は横隔膜とも結合があるためDFLへの影響や
呼吸循環系への影響も出てきます。
【大腸の可動力】
最も動きが大きいのは、左右の結腸曲と横行結腸です。
結腸曲の運動を推進するのは横隔膜で、
横隔膜によって生じる動きは、前頭平面では中央より
側面のほうが大きく、結腸曲は下方内側に動く。
(普通に息を吸ったときは約3㎝、最大吸気では10㎝程度まで動く)
矢状面では、結腸曲は前方下方に動く。
横行結腸も、前額面では下方に動く。
【大腸の自動力】
結腸のどの部分も、帯壁との付着で横方向の運動をする。
(トルツ筋膜、結腸間膜)
その結果、前額面で内側外側または上下に凹むように変形することになる。
同様に、結腸の縦軸の周りを回転する運動も行われる。
【大腸治療どんな人にやるの?】
・便秘
・腰痛
・肩こり
・生理痛・生理不順
(直腸から子宮を圧迫、肝臓から腸を圧迫し腸が子宮を二次的に圧迫。)
・膝痛
・腹痛
・肌荒れなど
・免疫
先ほどお伝えした
解剖学的知識があればどんな場合に大腸の
アプローチを実施すべきか自分で考えだすことができるはずです。
【大腸アプローチのワンポイント】
大腸の解剖図を見ると平面で書かれていることが多いですが、
かなり三次元的な構造をしているので
解剖アプリなどで横から大腸の奥行きを覚えてイメージすると
より大腸の触診がうまくなると思います。
本日は大腸の特徴をまとめさせていただきました。
本日も最後までメルマガをご覧いただきありがとうございました。
今日も一日良い時間をお過ごしください。
All アプローチ協会 鈴木 正道