解剖学

末端の冷え、しびれにも影響!?前脛骨筋の解剖学×触診

皆さん こんにちはALLアプローチ協会 触診大好きセラピスト ブル と申します。

本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など

新人セラピストの皆さんに向けて

「末端の冷え、しびれにも影響!?前脛骨筋の解剖学×触診」

というテーマについてお伝えしたいと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

今回は前脛骨筋です♪

私はジョギングを週2回するようにしているのですが、

いつもより長い距離走ってみたときなんかはこの前脛骨筋が疲労でパンパンになります。

マラソンやジョギングでなくても、買い物なんかでもありますね。

妻や子供達と買い物に行くと子供を抱っこしながら長時間歩くことになります。

そんな時はこの前脛骨筋がパンパンになっていることが多いですね。

とにかく疲労が溜まりやすい筋ですね!

それでは本日もイメージを持って触診をして頂くために

① 前脛骨筋の走行と作用について

② 前脛骨筋と周辺組織との位置関係(長指伸筋・長母指伸筋・深腓骨神経・前脛骨動静脈)

③ 触診手順

の3ステップでお伝えしたいと思います。

【基礎知識】

起始:脛骨外側面の近位2/3 下腿骨間膜 下腿筋膜

※骨間膜とは骨と骨の間を接続する線維性の膜組織。

脛骨と腓骨は骨間膜によって連結することで骨性の支持を高めている。

停止:内側楔状骨(内側面 足底面) 第1中足骨底(内側面)

支配神経:深腓骨神経(L4・L5)

◆作用:距腿関節背屈 距骨下関節内反

◆アナトミートレイン:スーパーフィシャルフロントライン

◆経絡:胃経

【前脛骨筋の走行と作用】

前脛骨筋は脛骨外側面および下腿骨間膜、下腿筋膜の上部から起始し、

脛骨の長軸に沿って下降していきます。

途中下腿の正中を内側方向へ移動しながら内側楔状骨および第1中足骨底に停止します。

作用は足関節の背屈、足部の回外(距腿関節背屈・距骨下関節内反)となっています。

地面に足がついている場合(足部が固定されている場合)は下腿を前傾する作用があります。

また、内側楔状骨を挙上するベクトルが働くため、

足部内側縦アーチの形成にも関わる筋の一つです。

【前脛骨筋と周辺組織との関係】

前脛骨筋のすぐ外側には長指伸筋が位置しています。

長母指伸筋は前脛骨筋と長指伸筋の深層に位置しています。

<下腿の筋膜区分(下腿を断面から見る)>

下腿は4つの筋膜区画(前方・外側・後方浅部・後方深部)に分けられています。

前脛骨筋は前方筋膜区分に位置しています。

この前方筋膜区分に含まれる筋は他にも

・長指伸筋

・長母指伸筋

・第3腓骨筋があります。

血管・神経では

・深腓骨神経

・前脛骨動静脈が含まれています。

<深腓骨神経について>

総腓骨神経からの分枝。

前脛骨筋、長指伸筋、長母指伸筋、第3腓骨筋を支配しています。

坐骨神経から脛骨神経と総腓骨神経に分かれ、

総腓骨神経は浅腓骨神経と深腓骨神経、外側腓腹皮神経に分枝しています。

この深腓骨神経は前脛骨筋や長指伸筋の深層を走行しているので

これらの筋の柔軟性低下や過緊張によって神経が圧迫牽引されると痛みやしびれ、

足関節背屈や足指伸展の筋力低下を引き起こすことがあります。

<前方慢性コンパートメント症候群>

筋膜の硬化や肥厚、中身の筋が肥大することによって

神経や血管が圧迫を受けて痛みを引き起こすことがあります。

長距離ランナーなどによくみられると言われており、

前脛骨筋の柔軟性を保つことが重要だとされています。

具体的には前脛骨動静脈の血流障害による疼痛(阻血性疼痛)や

深腓骨神経領域の知覚障害(第1、2足趾間)、筋力低下は足関節背屈に生じます。

前脛骨筋の柔軟性低下や過緊張が血流障害による痛みや末端の冷え、

そして神経を圧迫することでしびれにも影響を及ぼす可能性があります。

<足関節前面の停止腱の位置関係>

足関節の前面を走行する腱のうち、最も内側に位置する腱が前脛骨筋です。

内側から外側に並べていくと下記のようになります。

内側 前脛骨筋→長母指伸筋→長指伸筋 外側

なっていますので触診の際に参考にしてみて下さいね♪

次に触診の方法についてです。

【触診方法】

〇被検者肢位:背臥位

〇触診の手順

  1. 足関節前内側面にある前脛骨筋腱を触察する   足関節背屈を促し前脛骨筋停止腱を触察します。 停止腱は足関節前面の最も内側にある腱が前脛骨筋腱になります。
  2. 前脛骨筋内側を近位に向かって触察する 足関節背屈を反復しながら内側縁を近位に向かって触察していきます。
  3. 前脛骨筋の外側縁を近位に向かて触察する。 外側縁は長指伸筋との筋間を区別するために、 足指の伸展を伴った背屈運動と足指の屈曲を伴った背屈運動を 交互に繰り返しながら行います。 この運動の違いは長指伸筋の収縮を伴っているかどうかの違いになります。 これらの背屈運動を交互に繰り返しながら 前脛骨筋と長指伸筋の筋間を丁寧に触察し確認していきます。

〇触診のコツ

前脛骨筋の外側縁は長指伸筋がすぐ外側に位置しているため、

区別して触察する必要があります。

前脛骨筋と長指伸筋の区別をするために

足指の屈曲を伴った背屈と足指の伸展を伴った背屈を

交互に繰り返しながらその筋間を確認していくと触察しやすいです。

いかがでしたか?うまく触る事ができましたでしょうか??

家族や友人、同僚と練習してみて下さいね♪

前脛骨筋の解剖学×触診についてお伝えさせて頂きました。

本日は以上になります。

最後までブログをご覧頂き、本当にありがとうございました。

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