みなさん こんにちは
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
本日もセラピストの皆様に
「胃下垂を整えるための内臓アプローチ」
というテーマでお伝えさせて頂きます。
皆さんは胃下垂に対してどう考えてアプローチをかけていますか?
多くの人が胃下垂から様々な問題が起きているので、胃下垂のアプローチを明日から実践して頂けると幸いです。
【胃の解剖生理学について】
◆胃の解剖学
まずは、胃の解剖生理から解説させて頂きます。
食道に繋がる部分を噴門部、十二指腸につながる部分を幽門部、それ以外の部位を胃体部と言います。
胃底部は、横隔膜に接しています。
噴門と幽門は、固定されていますがその間の部分が胃の満腹度に応じて大きく変動する形状となってます。
なので、胃体の部分が下垂した状態が胃下垂となるわけですね。
◆胃につながる膜について
①胃横隔隔膜
横隔膜と胃底部をつなげる膜
②胃脾間膜
脾臓と胃底部をつなげる膜。
③肝臓とのつながり
小網を経由して肝臓と胆道を小湾と繋げる。
肝冠状間膜の延長部分を経由して横隔膜と小湾部を繋げる。
④横行結腸とのつながり
体網は、体湾からぶら下がってます。
横行結腸の上縁に付着することもあり連結しているパターンがあります。
上記の膜のつながりから、胃下垂となると横隔膜や脾臓、肝臓の下垂にもつながります。
【胃の反射点はどこ?】
・右母指球遠位部
・体幹第3肋骨中央(左)
・胸椎7番(文献によってさまざまです)
【胃の生理学】
胃は、PH2~3の強酸で消化してから十二指腸に流れる。1日に1.5ℓ胃酸が出てくる。
胃酸は消化だけでなく、粘膜保護やビタミンB12の吸収も行っている。
ここで、胃酸の機能が低下していると胆のうや膵臓に負担をかけてしまうため胃の治療が必要です。
ストレスなどで副交感神経のバランスが崩れたりすると、胃液や消化酵素のコントロールが利かず自分自身を消化してしまう。
つまり胃に穴が開く状態である胃潰瘍などのリスクもある。
【胃下垂について】
腹壁の緊張の変化や、痩せすぎによる腸壁の脂肪不足、腹圧の低下など、複合的な要因で起こると考えられています。
また、暴飲暴食、過労、ストレスや、腹部の手術、出産などを繰り返した場合、胃下垂の可能性があります。
多くは胃の動きが低下し、胃の働きが弱った状態(アトニー)を伴っています。
【胃から身体への症状の可能性】
・左側の上腕肩甲の関節周囲炎
・左側の首や上腕の痛み
・左側の頭痛
・左側の腰の痛み
【頭蓋仙骨療法とのつながり】
胃は、食道、喉頭、咽頭、頭蓋底まで筋膜で繋がっている。
そのため、胃は頭蓋底からぶら下がっているため頭蓋仙骨リズムに影響を与えると考えられている。
胃から頭痛になる可能性は、これが原因の可能性がある。
【姿勢と胃の関係性】
胸椎の後湾が強まると胃に影響を与える可能性が高い。
◆胸椎が後湾すると?
・胸椎の後湾により、縦隔が短縮してしまう
・腹部臓器から横隔膜に圧がかかることで、横隔膜が効率よく働かなくなる
・食道が短縮する(食道裂孔の緊張を変化させてしまい、胃の機能を低下させる)
【胃のセルフストレッチ】
胃をストレッチするには、パピーポジションのように胸椎を伸展させながら上記の写真のようにストレッチする方法があります。
患者さんの胃をセルフで調整したいなら、毎日ストレッチを行うように指導しましょう。
【東洋医学でいう胃と感情の関連】
東洋医学では、それぞれの臓腑が感情にも影響を及ぼすと考えます。脾の場合は「思慮」で、思い悩みが過ぎると、胃に不調をきたします。
【胃の振動法(テクニック)】
胃のアプローチは山ほどありますが、簡単な方法を1つ紹介します。
(手順)
①両手の指を胃の上に置きす。
②胃壁に確実に触れるまで圧をかけます。(中脘の部分)
③胃の上で軽く圧迫をかけつつ振動させる(1分間に180回程度)
以上が胃の内臓アプローチについての解説でした。
胃は、様々な臓器や組織との繋がりがあり癒着や偏位しやすい臓器です。
左側の症状にも影響しやすいため、胃に負担がかかっている方は、内臓調整でアプローチしましょう。
本日の記事は以上となります。
最後までお読み頂き誠に有難うございました。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也