ALLアプローチ協会 山口拓也です。
本日も当協会の公式ブログをお読みいただき誠にありがとうございます♪
今回は、理学療法士、作業療法士、柔道整復師の皆さんに向けて、
「下部胸椎と消化器系の関係とは?」
について、症例報告をもとにお伝えしていきます。
<症例>
60代女性 パーキンソン病yallⅡ
主訴:首の痛み、姿勢の傾きによる歩行のふらつき
歩行レベル:屋内伝い歩きor歩行器歩行
姿勢反射障害の進行により、
頸部・体感が右側屈位となり、体感前傾位により前方突進傾向がみられていました。
特に、頸部右側屈位による頸部痛が深刻なお悩みでした。
筋骨格系へのアプローチをはじめに行い、その場では姿勢の改善と頸部痛の軽減はみられましたが、その日の夕方には戻ってしまうような状態でした。
そんな中、内臓・経絡・頭蓋・神経生理学的アプローチを行い、
ホームエクササイズや生活習慣指導を行ったところ、もどりはかなり抑えることができ、疼痛・姿勢のコントロールもできるようになってきました。
特に、下部胸椎の伸展を引き出すことで、頸部の伸展も引き出すことができ、大きな改善がみられました
では、どのように下部胸椎の伸展を引き出したのか?
それは、十二指腸・胃・膵臓・小腸といった消化器系の内臓調整により、
下部胸椎の伸展が上がり、脊柱全体の伸展可動域向上へとつながりました。
実際には、そこから姿勢制御システムの促通といった神経生理学的アプローチを行い、姿勢制御・運動学習を行い、姿勢の崩れ・頸部痛の改善へと繋げました。
さらに、家にこもりがちでメンタル的に落ち込んでいたので、デイサービスなど人と関りが持てる場に出向いていただくように提案をしていき、腸内環境を整えるための食生活の指導を行いました。
メンタル面の改善もあり、セロトニンもおそらく増え蠕動運動の促進、食生活の是正により便通もよくなり、消化器系の負担も軽減し、疼痛・姿勢の崩れも少なくなっていきました。
現在では、屋内はフリーハンド歩行で食器を持ちながら移動ができるようになりました。
消化器系の内臓は以下の通り、下部胸椎に反射点があり、
<消化システム 内臓反射点一覧>
肝臓⇒Th6
胃⇒Th7左
十二指腸⇒Th7右
膵臓⇒Th8
小腸⇒Th11
これを応用すれば、
上記の症例のように、
脊柱の問題の解決⇒姿勢の改善⇒疼痛・パフォーマンス・ADLの改善へと繋げることができます。
もし下部胸椎の可動性が低下し、疼痛・パフォーマンスが低下している方がいましたら、消化器系の内臓にアプローチをするのも、一つの手段として有効だと思います。
ぜひ臨床で応用していただけたらと思います。
本日は以上になります。
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ALLアプローチ協会 山口拓也