いつも当協会の公式ブログをお読みいただき、、本当にありがとうございます。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
今回は、
「恥骨の調整に重要な筋・内臓・経絡について」
というテーマでお話していきます。
皆さんは恥骨の評価や治療を臨床で行っていますか?
昔はそれほど、恥骨に着目はしておらず、「仙腸関節」ばかりに着目し、
いかに仙腸関節を調整するかが様々な症状や動作に対応する上で重要だと思っていて、
あまり恥骨に焦点を当てることはありませんでした。
しかし、この「恥骨」のアライメント不良により、
腰痛、肩関節周囲炎による疼痛、頸部痛の原因であったり、
基本動作、歩行、その他ADLの阻害因子になっているなど、
様々な症状に影響を及ぼしていることが分かってきました。
そのため、最近は仙腸関節と同様に、この恥骨の状態も評価し、必要であれば治療を展開することが多いです。
恥骨も仙腸関節と同様に、骨の調整である程度修正はできますが、すぐもどってしまいます。
そこで、恥骨のアライメント不良に関わりが深い、
「筋」、「内臓」、「経絡」について重要な部分だけをお伝えします。
これを知っておくことで、
・恥骨由来の痛み、可動域制限、パフォーマンス障害に対応できる。
・恥骨の調整後のもどりを最小限に抑えた介入ができ、治療効果が持続する。
・短時間で恥骨の調整が可能となり、結果をすぐ出せるようになる。
といったメリットがありますので、是非ご覧いただけたらと思います。
~筋肉編~
① 長内転筋と内側広筋の重点
長内転筋は恥骨上枝(恥骨結合の下方)に付着する筋であり、恥骨の動きに関わっています。
そして、大腿骨内側上顆から、大隊内側の中央線沿いで、
内側上顆から3~4横指のあたりに、内側広筋と長内転筋が筋膜を介して癒着し硬結が出来やすい部位があります。
この部分を調整することで、恥骨のアライメント改善に繋がりやすいです。
② 恥骨筋・長内転筋・大内転筋の起始部
鼠径部のあたりで、内転筋群が凝集し硬結が出来やすい部位になります。
内転筋群は恥骨から起始する筋になります。
この部分を調整していくことで、恥骨のアライメント改善に繋がりやすいです。
③ 大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋を外側から内側方向へ前額面上に沿って押していくことで、骨盤がインフレアに入ります。
その結果、恥骨が後方にもどりやすくなりアライメント改善に繋がります。
④ 腹直筋
腹直筋の上部繊維が短縮し、下部繊維が伸張して硬くなっている場合は腹直筋の調整が必要です。
腹直筋の上部繊維(胸骨体)のリリース。
もしくは、下部繊維を臍に向かって短縮方向にリリースをかけていくことで、恥骨のアライメント改善に繋がりやすいです。
~内臓編~
① 子宮
恥骨と子宮は靭帯(子宮円靭帯)を介してつながりがあります。
そのため、子宮の硬さによるアライメント不良により、恥骨の歪み・アライメント不良を引き起こしてる場合もありますので、評価・治療が必要です。
② 膀胱
膀胱は恥骨の真裏にあり、靭帯で連結があります。
頻尿や尿漏れなどがある患者さんの場合は、膀胱が硬くなっている可能映画あり、それが、恥骨の歪み・アライメント不良の原因となっているケースがあります。
~経絡~
① 脾経(三陰交)
脾経は筋膜では、「ディープ・フロント・ライン(DFL)」
と関連性があり、特に膝から上は、
「内転筋群」との深いつながりがあります。
そのため、「脾経」の流れを調整することで、恥骨の調整に繋がります。
特に、「三陰交」という経穴は、
「女性のツボ」とも言われており、
子宮とも関わりが深いので、三陰交へのアプローチにより、治療効果を高めることに繋がります。
<まとめ>
今回は、「恥骨」について取り上げました。
ただ恥骨を骨格的に調整するだけでは、
・すぐもどってしまう。
・完全に修正しきれない。
といった結果となりやすいです。
なので、以上に挙げたような、
「筋」、「内臓」、「経絡」を評価していただき、必要であれば治療を行っていただくことで、
・症状のもどりが少ない。
・恥骨がしっかりと調整される。
といった結果を出すことにつながり、
患者様も喜んでいただけるかと思います。
是非明日からの臨床に取り入れていただけたらと思います。
本日は以上になります。
最後まで当協会の公式ブログをお読みいただき、本当にありがとうございました!
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也