皆さん こんにちはALLアプローチ協会の 触診大好きセラピスト ブル と申します。
本日は1~3年目の理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など
新人セラピストの皆さんに向けて
「新人のあなたへ!中殿筋の機能解剖と触診方法」
というテーマについてお伝えしたいと思います。
新人セラピストの方々と一緒に楽しく学んでいきたいと思いますので
どうぞよろしくお願い致します。
中殿筋は腰痛を起こす多くの筋リストのトップになるともいわれている筋で
臨床での治療頻度も高いです。
中殿筋の機能や触り方を知ることで臨床でのヒントになることがたくさんあると思いますので
ぜひ一緒に学んでいきましょう。
まずは基礎知識からみていきますね♪
【基礎知識】
起始:前殿筋線と後殿筋線の間の腸骨翼の外表面
停止:大転子の外側面
神経支配:上殿神経(L4~S2)
栄養血管:上殿動脈
作用:股関節外転股関節屈曲伸展軸より前方繊維は股関節屈曲 内旋
後方繊維は股関節伸展 外旋
股関節屈曲位では股関節内旋に作用する
中殿筋の後部の一部分は大殿筋に覆われています。
前部は大腿筋膜張筋の深層にあって上前腸骨棘より内側にも存在しているとの文献もあります。
次に中殿筋の機能や特徴をみていきますね。
【中殿筋の働きってどんなの?】
ここでのポイントは
「繊維によってその作用が変わってくる」
ということです。
中殿筋は全体としてはたらくと股関節外転に作用することは有名ですね。
加えて
中殿筋は三角形のような扇形のような形をしていますので、
その筋繊維の走行によって作用が変わってくるという特徴があります。
股関節屈曲伸転軸より前方の繊維が働くと股関節屈曲、内旋となります。
股関節屈曲伸展軸より後方の繊維が働くと股関節伸展 外旋の方向に作用します。
イメージできますでしょうか?
ちなみに股関節屈曲位では股関節内旋に作用するとの報告もあります。
股関節屈曲位での筋繊維の走行をイメージしてみてくださいね。
ちなみに地面に足がついている状態(CKC)では
前部繊維が働くと骨盤前傾に作用し、
後部繊維が働くと骨盤後傾に作用することも考えられるかと思います。
その他にも
歩く時に荷重側の骨盤の側方動揺を抑制するメインの筋になるというのはとても有名です。
このような筋の働きを知っていることでさまざまな考察のヒントになります。
たとえば
中殿筋が疲労等なんらかの原因によって機能不全を起こした場合、
荷重側の骨盤の動揺を抑制するために外転作用のある大殿筋上部繊維や大腿筋膜張筋などに
その負担がかかることが予想できます(代償として)。
その結果、
大殿筋や大腿筋膜張筋とつながりのある腸脛靭帯はパンパンになり、
膝関節などにも影響を与えていくことなども考えられます。
臨床においても腸脛靭帯がパンパンに張っている患者さんは多いのではないでしょうか??
そのような時に、ただ直接腸脛靭帯にアプローチしてしまいがちですが、
中殿筋の機能を知っていたり、触診ができればより根本原因に近づくための
評価やアプローチにつながってくるのではないかなと思います♪
では実際に中殿筋の触り方をお伝えしますね。
【触診方法】
ランドマークは
「PSIS」「ASIS」「大転子の外側面」です。
- まず補助線1を想定していきます。 補助線1はPSISと大転子の外側端を結ぶ線です。
- 補助線1を目印にして、中殿筋と梨状筋の間の溝に指を入れて中殿筋の後縁を触ります
- 補助線2を想定します。 ASISと大転子(正確には外側端から2横指尾方の場所)を結ぶ線です。
- 補助線2を目印にして中殿筋の前縁を触っていきます。
- 補助線1と2の間にある三角形の場所で中殿筋を触っていきます。
いかがでしたでしょうか??触る事ができましたでしょうか?
家族や友達、同僚などと練習してみてくださいね。
では最後に中殿筋のトリガーポイントができやすい場所と
その原因について紹介していきますね。
【中殿筋のトリガーポイント発生要因】
重いものを持ちながら歩いたり、
子供をいつも同じ側で抱っこしているなど
片側に体重をかける動作が習慣化している場合に起きやすいといわれています。
他にもポケットに財布や携帯を入れた状態で
長時間座っていることも要因となるようです。
デスクワークの方などは要注意ですね!
患者さんへの生活習慣指導としては
ズボンを履くときは片足で立たないよう椅子に座ってもらったり、
足を組んで座る癖をなおしてもらうなど
その方の生活状況を問診しながら行っていくといいかと思います♪
本日は
中殿筋の「機能解剖」と「触診方法」「トリガーポイント」についてお伝えさせて頂きました。
本日は以上になります。
最後までブログを読んで頂き、本当にありがとうございました。